4-8C
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4-8Cは、銀河内乱の間に銀河帝国のグランド・モフおよび帝国再設計チームのメンバーを務めていたIGシリーズ暗殺ドロイドである。上層部の許可なくハート・オブ・スチール計画を立案した4-8Cは、銀河系のすべてのコンピューターを麻痺させるプログラムを作成することで、帝国の英雄としての地位を得ようとしたのだった。
しかし、ハート・オブ・スチール・ウイルスに感染した試作ドロイド、B-1D4が戦闘中に捕らえられ、スクリリングのジャンク商、ディルラスによって回収されたことで、彼の計画は頓挫してしまう。B-1D4を追跡した4-8Cは、このドロイドが反乱同盟軍を支持するハン・ソロ船長に売却されたという事実を知るのだった。その後、4-8Cはカシム船長の助けを借り、ソロの逃走先と確信するウィームへと向かう。だが、この探索では何も得られずに終わり、4-8CはB-1D4が<ミレニアム・ファルコン>をハイジャックし、インペリアル・センターへ運んだのではないかと推測した。そこではハート・オブ・スチールによって惑星防衛網が停止させられており、首都に甚大な被害を引き起こしていたのである。自分の計画が危険にさらされる可能性に気づいた彼は、ソロとB-1D4が捕らえられているメラカイへと急行した。4-8Cは刑務所に押し入り、暴動を起こしてドロイドを救助するが、その場を逃れる際にカシムによって作動停止状態にされ、破壊されたのだった。
目次 |
経歴
初期の経歴
銀河帝国の初期の時代にグランド・モフの地位を手に入れた4-8Cは、最高機密である帝国再設計チーム、すなわち選ばれたエイリアン種族の征服、ときには粛清の任務を与えられていた特殊部隊のメンバーである。ドロイドとして前例のないグランド・モフに就任した4-8Cは、かつて独立星系連合のグリーヴァス将軍が所有していたIGシリーズの旧型ドロイド、IG-153とIG-182を入手した。グリーヴァスのときと同様に、この2体のドロイドは4-8Cに献身的なボディガードとして仕えたのだった。
ハート・オブ・スチール
帝国の英雄になることを目指していた4-8Cは、パルパティーンの新秩序に対するあらゆる抵抗を無駄で無意味なものとすることができる新兵器の考案に着手した。この実験をハート・オブ・スチールと名づけた彼は、大古のB1シリーズ・プロトコル・ドロイド、B-1D4を入手し、極めて複雑なウイルスを開発したのだった。このウイルスを銀河中のコンピューターに感染させれば、そのすべてをB-1D4の命令に従わせることができるようになるのだ。B-1D4はインペリアル・センターの再設計工場でウイルスのキャリアとしてプログラムされ、データ・リンクを介して銀河系全域のコンピューターに拡散させた。ウイルスの効果は消されてしまうかもしれないが、これらの転送による感染率は100%であり、決して上書きされることがないのだ。事実、4-8Cのウイルスは退化していたが、未だに効果があった。この計画は帝国上層部や帝国情報部の高官から一切の許可を得ずに進められており、パルパティーンさえもその存在を知っていたかは疑わしい。したがって、この計画は帝国再設計チームにとって最優先機密であり、研究もチーム内で厳格に行われていたのである。だがそれにも関わらず、捕らえどころのない情報ブローカー、フェロンのように、その存在を知る者もわずかに存在していた。
計画の失敗(0 ABY)
しかし、4-8Cの計画は徹底的に頓挫へと向かった。B-1D4が搬送されていた帝国軍のクルーザーが反乱同盟軍の攻撃を受けたのだ。反乱軍は破壊された船から何も回収せず、これはグランド・モフにとっても幸運なことだったが、スクリリングのジャンク商、ディルラスが偶然にもこの廃棄船を発見し、B-1D4を回収していたのである。これを知った4-8Cは、ディルラスがまだ価値あるドロイドを保持していることを期待し、自艦であるインペリアル・ステート・シップ<ザカー・ベサー>で尋問官バラ・ストーンを彼の船に送り込んだ。だが、グランド・モフが到着するほんの数時間前に、ディルラスはドロイドを<ミレニアム・ファルコン>のハン・ソロ船長に売却していたのだ。ソロは反乱軍の有名な支持者であり、この事実は4-8Cの逆鱗に触れることになる。ディルラスは即刻逮捕され、4-8Cは部下にスクリリングの船を爆破するよう命じると、一切の証拠を残さず消し去ったのだった。そしてその場を離れようとしたとき、彼は<ファルコン>がカシムの海賊団に捕らえられたという情報を耳にする。ソロとB-1D4は<ムヘンドサット>上でこのニクトの海賊たちに監禁されているというのだ。時間がないことに気づいた4-8Cは、<ムヘンドサット>が最後に確認された場所へと急いだのだった。
4-8Cは<ムヘンドサット>が見えるはずの場所に到着したが、そこにあるものは一面の破片だけだった。これまでの入念な研究成果が無に帰してしまった可能性を恐れた彼は、周辺一帯のスキャンを命じるが、ハート・オブ・スチールの痕跡と思われるものは一切発見されなかった。しかし、スキャン結果から、<ミレニアム・ファルコン>が最近この星系を発ったことと、少なくとも1基の脱出ポッドが破壊を逃れた可能性のあることが示唆された。4-8Cはソロとその仲間が<ムヘンドサット>を破壊したのだと推測し、脱出ポッドを回収する。中にいたのは<ムヘンドサット>の元艦長、カシムだった。カシムとディルラスが尋問されている間、その場に立ち会っていた4-8Cは答えと手がかりを切望し、何度もストーンの仕事を中断させた。そして、4-8Cが相手の顔の前でブラスターをちらつかせる癖を出すと、ストーンは彼の流儀に不快感を示し、不満を訴えた。だが4-8Cは彼を一喝し、代わりに囚人たちに自ら質問をする。ディルラスからは、<ムヘンドサット>を破壊した人物とB-1D4を購入した人物がおそらく同一人物だろうという情報以外には何も引き出せなかった。一方、より有益な情報を持っていたカシムは、B-1D4が反乱軍と一緒にいると確信しており、ソロの逮捕を手伝うと申し出たのだった。さらにニクトの脱出ポッドの情報から、4-8Cはその行き先がウィームだったことを突き止め、論理的推測から<ファルコン>もそこへ向かっていると判断したのである。
ウィームでの挫折
<ザカー・ベサー>をウィームの軌道上に配置した後、4-8Cは<ミレニアム・ファルコン>の消息を求めて部下に惑星をスキャンさせた。結果的には何も発見できなかったが、グランド・モフはハン・ソロがウィームの嵐を利用して姿を隠していると考えていた。また、惑星を徹底調査するために送り込まれたプローブ・ドロイドも<ファルコン>の痕跡は発見できなかったが、おそらく基地のジェネレーターであろうと思われる巨大なパワー反応を発見していた。これを反乱軍がウィームに新設した基地であると確信した4-8Cは、偵察のため<ザカー・ベサー>のAT-STを準備する。彼自身もストーンとカシムを連れて惑星の地表に降りるが、発見された基地はアイアン・ナイトに守られた銀河共和国基地の残骸であり、この任務は失敗に終わったのだった。そしてウィームを脱出する際、3人は周囲の環境に溶け込むスパイドルに似た巨大生物、ウィーモンと遭遇する。だが、4-8Cたちはこの危機を切り抜け、無傷で<ザカー・ベサー>に帰還することができたのだった。
4-8Cは、ウィームでの探索が野生バンサ狩りに過ぎなかったことに激怒し、カシムの処刑を宣言した。だがこのニクトは抗議し、ハン・ソロも<ムヘンドサット>の破壊を逃れた生存者がいるとは思っておらず、したがってどんな小細工もしてこないだろうと主張する。グランド・モフは、ハート・オブ・スチールが<ファルコン>を強奪したに違いないと考え、B-1D4がインペリアル・センターに帰還しているのではないかと推測した。そこは彼女が1世紀以上にわたってプロトコル・ドロイドとして働いた場所であり、ハート・オブ・スチール・ウイルスが作られた場所でもあるのだ。
メラカイの脱走
4-8Cの推測は正しかったが、B-1D4の行動は彼の想像以上の惨劇をもたらしていた。ハート・オブ・スチールがインペリアル・センターの防衛網をシャット・ダウンしており、ソロを取り逃がしていたのだ。だが帝国艦隊最高司令官、シス卿ダース・ヴェイダーは、<ファルコン>が避難した反乱軍基地のある惑星、チーヨーム・マティでソロとその友人たちへの罠を仕掛けていた。その結果、反乱軍とB-1D4は捕らえられ、メラカイの刑務所へ投獄されたのである。
必死に保身を図るカシムは4-8Cに、B-1D4がメラカイ刑務所にいるという事実はグランド・モフにとって極めて不都合であると説得する。メラカイの技術者たちがこのドロイドのメモリ調査を行えば、4-8Cが許可を得ずに行った行動がすべて暴露されてしまうのだ。刑務所の司令官にハート・オブ・スチール奪回への協力を依頼することはあまりにも不自然であるため、彼は4-8Cに協力を申し出た。グランド・モフもそれを受け入れ、カシムが裏切ることのないよう、自分に同行させる。また、カシムがグランド・モフ、あるいはハート・オブ・スチールを破壊しようとしたときに備え、ストーンも彼らに同行したのだった。
ニクトの船<オプチトロン>でメラカイに着陸した4-8Cは、行動する際にウォーター・ウィングを着用しなければならかった。彼はストーンとカシムと共に、ブリット・ビーティルやシー・スラッグに立ち向かいながらこの惑星の沼地を移動する。彼らは格子を切り裂いて下水システムからメラカイ刑務所に侵入し、B-1D4を求めて施設内を進んだのだった。彼らは刑罰部門の帝国調査官に変装し、メラカイのドロイド拷問官の手に掛かっているB-1D4を発見するが、拷問官は彼らが実際には調査官でないことに気づいていた。刑務所の警報が鳴り響くなか、彼らはドロイドと囚人全員を連れて脱走し、大騒動を巻き起こした。彼らはソロとその友人たちと手を組み、刑務所の壁を乗り越えてスピーダーに飛び乗った。ソロが不満を漏らして追ってきたが、再設計チームのメンバーの1人が逃げるよう説得する。4-8Cの作戦は完了し、一団は<オプチトロン>へと戻ったのだった。
作動停止
任務が終わったとき、カシムは4-8Cが自分を殺そうとしていることに気づいていた。生き残る唯一の方法は反乱同盟軍に加わることだと考えた彼は、グランド・モフへの裏切りを計画する。ニクトはストーンが自室で熟睡するのを待ちながら、メラカイの兵器工場で盗んだドロイド停止装置を取り出した。そして4-8CがB-1D4の破損状態を調べている間に、カシムは慎重に彼に近づいたのだった。ドロイドは凄まじい早さで振り向き、ブラスターを掴んだが、カシムは一瞬早くトリガーを引くことができた。動けなくなった4-8Cは床に倒れ、その後ニクトの海賊によって破壊されたのである。
人物と特徴
ドロイドとして唯一グランド・モフの階級に就いた4-8Cは、同僚らに自身の価値を示したいと考え、帝国の英雄になることを目指していた。
暗殺ドロイドである彼は戦いを恐れず、絶えず再設計任務に身をおいていた。やがて、彼はハート・オブ・スチール計画に没頭するようになり、B-1D4が行方不明になると、恐れおののいたのだった。彼はこのドロイドの奪回こそが帝国再設計チームにおける最重要事項だと信じており、誰からの邪魔も許さず、単刀直入に知的種族(特にエイリアン種族)を次々と逮捕していったのである。
また、4-8Cは極めて短気であり、捕らえた凶悪犯の顔の前でブラスターを振り回すことが多かった。だが、この尋問方法は囚人を説得する際にフォースを使うことを好むバラ・ストーンを不愉快にさせていた。ストーンは4-8Cが機転の利かない無能なドロイドであることに気づいており、彼と衝突することが多かったのだ。一方で、グランド・モフもストーンのやり方は非効率的であると考えていた。また、4-8Cは知的種族への強い殺人願望を抱いていたが、カシムのときのように偶然役に立つこともあるため、仕方なく生かしていたのである。しかし、彼はこのニクトの海賊に不信感を募らせており、実際にカシムは<オプチトロン>上でこのドロイドを停止させ、破壊したのだった。