EV-A4-D
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EV-A4-D、またの名をA4-Dは、クローン大戦中に独立星系連合のサイボーグ司令官、グリーヴァス将軍の医療/修理ドロイドを務めていた改良型EVシリーズ・スーパーバイザー・ドロイドである。多くのEV型ドロイドと同様に、EV-A4-Dのプログラムはこのドロイドにサディスティックな性格を与えていた。グリーヴァスの仕事に就く以前、EV-A4-Dは惑星トーバーの病院でスーパーバイザーとして働いていたが、配下の医療ドロイドに鎮痛剤を使用しないで患者の手術を行うよう命じたため、解任されたのだった。その後、彼はインターギャラクティック銀行グループに売却され、独立星系連合へと吸収されたのである。
やがてEV-A4-Dはグリーヴァスの主治医の仕事を与えられた。ヴァセック第3衛星のグリーヴァスの城に配置されたEV-A4-Dは、この施設の管理人となり、将軍の住居の管理および彼が戦争で被ったサイボーグ・ボディへの損傷の修理を行っていたのである。ヤヴィンの戦いの21年前ごろ、連合国家元首ドゥークー伯爵は、将軍の分離主義勢力ドロイド軍最高司令官としての能力を試すため、共和国部隊をグリーヴァスの城へおびき寄せた。このときの共和国との戦いの中でグリーヴァスは大きなダメージを負い、再び侵入者たちと対決するためにEV-A4-Dによる修理を受けることになる。その後、EV-A4-Dが共和国部隊を率いていた2人のジェダイ、ナダー・ヴェブとキット・フィストーを分断したため、グリーヴァスはヴェブを容易に殺害することができた。しかし、制御室から城の保安カメラを通じて戦いを監視していたEV-A4-Dは、フィストーによって真っ二つに切断され、破壊されたのだった。
このドロイドのボディは後にグリーヴァスによって回収され、再生された。その後、EV-A4-Dはヴァセックを離れ、グリーヴァスの主治医および顧問として将軍の軍事行動に同行している。EV-A4-Dはドーリン包囲作戦の間もグリーヴァスの傍らにおり、ドゥークー伯爵の刺客、アサージ・ヴェントレスからの交信をグリーヴァスに取り次いでいた。
目次 |
経歴
病院での勤務
EV-A4-DはEVシリーズ・スーパーバイザー/尋問ドロイドの一種としてメレンデータ社で製造された。多くのEVシリーズと同様に、A4-Dも製造段階に与えられたプログラムの欠陥による影響によってサディスティックで悪意のある個性を有していた。だがメレンデータ社はこの欠陥を無視したままEVシリーズ・ドロイドを販売し、EV-A4-Dは惑星トーバーの病院でスタッフとして働くドロイドたちのスーパーバイザーとなっていたのだった。EV-A4-Dの病院での働きによってドロイドたちは極めて高い生産性を発揮したが、人間の医者たちはこのスーパーバイザー・ドロイドのやり方に頭を悩ませていた。しばらく病院勤務を続けた後、EV-A4-Dはドロイドたちに、鎮痛剤を使わずに患者を手術するよう命令したのである。その結果、EV-A4-Dはメレンデータ社に返品され、その後、インターギャラクティック銀行グループに売却されたのだった。
将軍の主治医
クローン大戦の間、インターギャラクティック銀行グループは銀河共和国に敵対する政府組織、独立星系連合と同盟を結んでいた。EV-A4-Dは医療および修理用機器を取り付けられ、惑星ヴァセックの第3衛星にある連合ドロイド軍のサイボーグの最高司令官、グリーヴァス将軍の居城で働かされ、グリーヴァスの修理ドロイドおよび主治医を務めていたのである。またそれ以外にも、彼はヴァセックの施設の管理人としても働き、将軍のIG-100マグナガード・ボディガードの日々のメンテナンスや、グリーヴァスがペットとして飼っていたログウォートのゴアの餌やりなどを行っていた。戦争を通じて、EV-A4-Dは修理のために帰還した主人の世話をするようになり、ある時点において、グリーヴァスが誇り高きカリーシュの戦士からドゥークー伯爵に使えるサイボーグに成り果てた理由についても気づくことになる。だがこの情報は最終的に彼のメモリーから消去されたのだった。
ヤヴィンの戦いのおよそ21年前、分離主義評議会のメンバー、ヌート・ガンレイ総督がローディアを独立星系連合へ招き入れようとする試みに失敗し、共和国部隊によって捕らえられてしまった。だが、ガンレイはその直後にヴェネター級スター・デストロイヤー<トランクウィリティ>から救出され、共和国のフリゲート艦を奪って逃走した。ガンレイの逃走はドゥークー伯爵に、グリーヴァスのドロイド軍を指揮する能力について再評価する機会を与えることになる。伯爵はグリーヴァスの度重なる失敗と敗戦を受け、彼の実力に疑いを抱いていたのだ。グリーヴァスが城を留守にしていたとき、ドゥークーは将軍の城にガンレイのフリゲート艦の位置を示す追跡装置を設置し、さらにグリーヴァスのIG-100マグナガードを遠隔操作で起動停止状態にしていた。EV-A4-Dはグリーヴァスが自分でドロイドを停止させたと思い込んでいたのである。
侵入者
追跡装置の誘導に従い、ヌート・ガンレイの再逮捕を目指して共和国フリゲートを追っていたジェダイ最高将軍キット・フィストーとジェダイ・ナイト・ナダー・ヴェブが、共和国のクローン・トルーパーの小部隊を引き連れてヴァセック第3衛星に到着した。だが、ドゥークーとガンレイがホログラムを使って共和国部隊を巧みに誘導していたことが判明すると、ジェダイとクローンはガンレイではなくグリーヴァスの逮捕に目標を変更することになる。彼らはグリーヴァスが城に戻り次第、このサイボーグを刑務所へ連行するつもりだったのだ。隠れ家に戻ったグリーヴァスは共和国部隊による奇襲を受けた。ライトセイバーによる戦いで、将軍はフィストーに両足を切断され、顔面プレートもブラスター砲火によって傷を受けたのだった。
将軍は城の制御室に逃走し、そこでEV-A4-Dと会った。ドロイドはジェダイからダメージを受けたことについてグリーヴァスを叱責し、IG-100マグナガードが起動停止状態になっていたことを報告する。そしてEV-A4-Dはサイボーグの修理のための準備に向かい、制御室に残ったグリーヴァスは侵入者を抹殺するためにゴアを放ったのだった。だが、グリーヴァスは修理の準備を終えたEV-A4-Dに連れて行かれ、ゴアの戦いを見ることができなかった。城の手術室でEV-A4-Dはグリーヴァスの体から損傷したパーツの除去を開始し、切断された手足を新しいものと交換した。続いて痛みを伴いながら顔面プレートも新しいものと交換されたのである。
グリーヴァスの修理が終わった後、EV-A4-Dは将軍に従って制御室に戻り、彼にドゥークー伯爵からの通信が届いていることを報告した。グリーヴァスは共和国の奇襲がドゥークーの欺瞞によるものだったことを知ることになる。さらにゴアがジェダイに殺されたことを知ったグリーヴァスは、EV-A4-Dの休息をとるべきだという提案を跳ね除け、自らジェダイの討伐に向かうのだった。グリーヴァスがヴェブとフィストーに対峙する間、EV-A4-Dは城の保安カメラを監視するため制御室に残っていた。そこでジェダイが制御室に入ろうとしているところを見たEV-A4-Dは、スピーカー・システムを使ってグリーヴァスに警告したのである。
キット・フィストーは制御室の入り口を開いたが、ナダー・ヴェブは1人で外に残り、グリーヴァスと戦うと主張した。2人のジェダイが行動指針について議論している間に、EV-A4-Dは再び制御室の入り口を封鎖し、外にヴェブとグリーヴァスだけを残してフィストーを内部に閉じ込めてしまった。EV-A4-Dはグリーヴァスがヴェブとの戦いを優位に進める光景を上機嫌で眺め、将軍がジェダイを抹殺することを期待した。だが、彼はフィストーのことを忘れていた。気がついたときには既に遅く、ドロイドとジェダイは制御室内に閉じ込められていたのである。フィストーは背後からEV-A4-Dに近づき、ライトセイバーで制御室の座席ごと彼を真っ二つに切り裂いた。EV-A4-Dが破壊された直後、グリーヴァスはヴェブを殺害したが、フィストーは脱出することができたのだった。
再生
ジェダイが逃走した後、グリーヴァスはEV-A4-Dの破壊されたボディを発見し、再組み立てを行った。復活したEV-A4-Dは主人と共にヴァセックの衛星を発ち、それ以降、1人で管理や修理作業を行うことはなかった。このドロイドはグリーヴァスの主治医の立場に加えて顧問となり、ヴァセックの城を離れた後も絶えず主人に付き添ったのだった。EV-A4-Dはグリーヴァスがケル・ドアを絶滅させることを目論んで拡張領域にある彼らの故郷ドーリンを攻撃した際にも主人と共にいた。そしてグリーヴァスによる最初の攻撃の終盤で、EV-A4-Dは彼にドゥークー伯爵のダーク・アコライト、アサージ・ヴェントレスからの交信があったことを報告する。グリーヴァスはこれを受信することに気が進まなかったが、EV-A4-Dはヴェントレスの話を聞くよう主人を説得した。彼女はドゥークー伯爵からのメッセージを中継していたのだ。ヴェントレスは将軍に、ドーリンの人々への援軍として共和国艦隊がコルサントを発ったことを警告し、その艦隊を率いているのが戦況を容易に一変させる可能性持ったジェダイ将軍、アナキン・スカイウォーカーであると報告したのである。グリーヴァスはこの報告にも動じることなく、EV-A4-Dに共和国艦隊の到着に備えた準備を命じたのだった。
特徴
メレンデータ社の他のEVシリーズ・スーパーバイザー/尋問ドロイドと同様に、EV-A4-Dも残忍な性格をしていた。EV-4D-Aはトーバーで働く医療ドロイドたちの生産性と作業効率の向上に成功したが、彼のやり方は共に働く生身の医師たちの悩みの種だったのだ。彼は医療ドロイドたちに病院の患者への鎮痛剤の使用を拒否するよう命じ、病院が助けようとする患者に無用な苦痛を与えたことで、ついに病院を解雇されたのだった。
グリーヴァス将軍のヴァセックの城への移動に伴い、EV-A4-Dの管理および監督者として高い能力は不要となり、彼の任務は城の維持管理とIG-100マグナガードの小部隊の管理だけとなった。やがてEV-4D-Aはこの作業に嫌気が差すようになり、興奮を求めたが、この願望はキット・フィストーとナダー・ヴェブの来訪によって実現したのである。普段のEV-4D-Aは用心深かったが、このときばかりは彼も注意力散漫となり、フィストーの行動を見逃していた。気づいたときには既に遅く、ドロイドはジェダイによって容易に背後を取られ、一刀両断にされたのである。
グリーヴァス将軍の主治医としてこのサイボーグに仕えていたとき、EV-4D-Aは患者である将軍と奇妙な信頼関係を構築していた。普段は傲慢な態度や不遜な態度に我慢できないグリーヴァスも、このドロイドが自分の能力を酷評することや、修理中に出してくる要求にだけは辛抱していたのである。また、EV-A4-Dはグリーヴァスがサイボーグへと肉体的変化を遂げた背後にある理由に好奇心を抱いていた。彼は将軍の機械の体を扱うことが無駄な経験にならないよう慎重に働き、修理後は休息をとるようグリーヴァスに勧めていたのだった。彼はヴェブと対決するグリーヴァスの勇敢さに大喜びし、フィストーによって破壊される直前まで主人を応援していた。
EV-A4-Dのボディの大半は他のEVシリーズ・ドロイドで使用されているものとほぼ同一だったが、彼にはグリーヴァスの主治医として機能するよう、多数の特別な改造が施されていた。片方の光受像器に取り付けられた小さな付属装置にはこのドロイドの論理中枢が格納されており、上半身と背中から延びた数本の腕には先端に様々な医療器具が取り付けられていた。特にメインの上腕の1本には外科手術用レーザーおよび精密グリッパーとの間で手首が回転できるようになっており、外科手術中に使用される循環液は背中から延びる腕にぶら下がっていた。また、EV-A4-Dは腰部に供給用パレットを持ち、脚は磁気で床に固定することができた。