GH-7医療分析ユニット
提供: スター・ウォーズの鉄人!
| ||||||||||||||||||||||||||
|
GH-7医療分析ユニットは、銀河共和国の晩年に使用されていた医療ドロイドの一種である。GH-7はコルマイのグループによる設計に基づいてチューワブ総合製薬会社が製造したドロイドであり、ジーンテック社の2-1Bの競合製品でもあった。
GH-7は診断および外科助手として働くよう設計された多目的オートマトンである。その外観はヒューマノイドを連想させるが、特定の種族をモデルにしているわけではなく、無数のエイリアン種族を抱える辺境の様々な惑星で効率的に作業を行えるように考えられていた。このドロイドは幅広い医療行為が可能であり、配置先の医療施設のメイン・コンピューターにワイヤレスで常時接続されている。また、生身の医者の助手としても機能し、内蔵された器具類もすべて容易に使えるようになっていた。
GH-7は、ボズ・ピティにおける独立星系連合の医療施設、ポリス・マサの医療センターなど、アウター・リムの多くの医療基地で使用されていた。そしてその数十年後にも、GH-7はオブロア=スカイのオーロラ医療施設などで使われている。
目次 |
歴史
チューワブ総合製薬会社は銀河系で有数の医療会社だが、ドロイド製造の分野では無名の存在だった。だが、子会社であるジーンテック社を手放してさえいなければ、同社はドロイド市場の先駆者および牽引者となる機会を手に入れていただろう。ジーンテック社は2-1Bを発表した際に、自社が失うにはあまりにも惜しい企業であることを証明してみせたが、そのとき既に価値ある資産に対する著作権を主張するには遅すぎたのだ。チューワブ社がチャンスを得る前に、ジーンテック社はインダストリアル・オートマトン社によって吸収合併され、独占販売権を奪われてしまったのである。それ以来、チューワブ社はGH-7によって、その最大の競合製品である2-1Bの埋め合わせに励むことになった。チューワブ社は莫大な利益の一部を利用して、高度な知性を持つコルマイのみで構成されたドロイド設計スタッフを雇い入れた。この知的種族は論理と技術効率への愛情によって、素晴らしい品質を誇るGH-7を作り上げることになる。だが、コア・ワールドの医療施設はより洗練された2-1Bや、利用範囲の広いMDシリーズ医療専門ドロイドを購入し続け、その結果、これらのドロイドをより歓迎する市場はアウター・リムだけとなったのだった。
ムスタファーでダース・ヴェイダーによって傷つけられたパドメ・アミダラは、ポリス・マサの医療施設へ連れて行かれた。そこでこの柔らかな口調の医療ドロイドは、彼女の命を救うために手を尽くしていた喋ることのできないポリス・マサンの医師から、ある重要な知らせを受け取った。彼らはパドメに何も肉体的な疾患を発見できなかったが、彼らにも理解できない理由で、彼女は生きる意志を失っているのだという。しかしこの知らせには、その場にいたオビ=ワン・ケノービ、ベイル・オーガナ、ヨーダにとって希望となる内容も含まれていた。議員は双子を妊娠していたのだ。ポリス・マサンの医師にはパドメの命を救うことはできなかったが、彼女は双子の赤ん坊、ルークとレイアを出産し、命を分け与えたのである。
また、GH-7ユニットはコルサントの戦い後にジェダイ・パダワン・ジーミの怪我の治療も行っている。
デザイン
GH-7は設備の良く整った病院などで、裕福な患者の主治医としてよく見られる主要な医療ドロイドの1つである。GH-7は多種にわたるエイリアン種族への快適な治療を可能にするため、あえて既知の種族を模倣したデザインを避けて作られた。このドロイドのデザインは概ねヒューマノイドの胴体部に、メインとなる3本の手足と中央の頭部ユニットが取り付けられている。また、GH-7は一刻を争う緊急事態に対応するためや、人間以外の種族に対して使用するために容易にカスタマイズが可能であり、新しいテクニックを学ぶことができる発見的プロセッサを装備していた。胸部にあるスリットはホログラム・プロジェクターとして機能し、複雑な処置を明快に解説するために必要な患者の等身大ホログラムを投影することができる。ドロイドの頭部に組み込まれた分離式備品トレイには、メス、骨拡張器、その他の診断用機器が収納されており、ドロイド本体に用意された器具類はすべて簡単に取り扱うことが可能である。また、GH-7は大半が灰色と黒色で塗装されていたが、加えて明るい緑色のホロプロジェクター、ディスプレイ、光受像器、分析装置を示す青いシンボルマークも備わっていた。
GH-7の左でん部には黒いL字型のトレイと、その上にもう1つの小型トレイがある。これらに加え、このドロイドには側面からせり出す標本ラックも装備されており、生態標本の入ったビンを置くことができた。リパルサーリフト・フィールドが薬品を溢さないよう、完璧なバランスで支えるようにできているのだ。
このドロイドの胴体部からは3本の器用なアームが伸びており、そのうちの2本は肩に接続された単関節の腕に3本の二重関節マニピュレーターが取り付けられていた。そして、3本目のアームは右肩の上から伸びており、単関節の腕に2本の二重関節の指が付いていた。GH-7はこれらの3本の手を駆使することで、標本採取から皮下注射まで、幅広い繊細な作業を行うことができるのだ。さらに、検査用プローブには4本目のあまり目立たないアームも収容されており、このアームは分析したい生態標本を、ドロイド内部に組み込まれた2キロまでの荷重に耐えられる分析装置に挿入する際に使用されていた。
GH-7の頭部は金槌型で平らな顔をしており、後頭部からは長い傾斜したとさかが付いている。このとさかからはワイヤー伸びており、ドロイドの背中に接続されている。光受像器は無線で在住施設の医療メインフレームに接続されており、バイオスキャナ、脳波変位読み取り機能を兼ね備えると共に、薄暗い場所でも視覚を確保することができた。円盤状のディスプレイ・スクリーンにはGH-7の検査結果や診断結果に関する情報が動画または静止画で表示される。また、ドロイド内に組み込まれたコムリンクは長距離通信も可能である。
GH-7のデザインは大成功を収め、優れた工業デザインに与えられるシルバー・バンサ賞を4回にわたって受賞した。同時にこのドロイドは博愛主義的作品として認識されたのだった。
GH-7の価格は4,840クレジットだが、高価格であるため貧困な惑星ではほとんど使われていなかった。だが、一部の裕福な後援者によって辺境惑星の病院や診断書へ寄贈されており、救援活動家として働いていることもあった。
プログラム
GH-7は診断医、外科助手、麻酔医、血液学者などとして働けるよう、極めて知的なプログラムがなされていた。また、GH-7はバイナリーを話す能力も備えていたため、コンピューターとの相互接続も可能である。さらに他の多くの医療ユニットとは異なり、このドロイドは手術室や混雑した病院内を自由に動くための1基の静音性リパルサーリフト・セルを装備していた。これによって汚染されている可能性のある床との接触を避けることもできたのだ。
このドロイドは紳士的で穏やかな声がプログラムされており、患者やその付添い人たちを落ち着かせる効果があった。これに加え、このドロイドは同情深いプログラムを有しているため、自立したGH-7は貧困な地域やトラブルを抱えた地域での職を求め、そこで出くわしたあらゆる病気を癒そうとしていた。また、このドロイドにはジェスチャー、わずかな仕草、あるいは言葉の抑揚などで、慈悲深く付き合いやすい雰囲気を与えるいくつかの作法がプログラムされていた。コルマイの巨大な頭蓋を模倣した大きな頭部は、このドロイドに子供のような印象を与え、鋭利な箇所をなくしたことや丸みを帯びた外見もあわさり、医療ドロイド特有の恐ろしさを軽減させていた。また、このドロイドには内科医としての規範と、知的生物に危害を与えることを強く抑制する力も組み込まれていた。そのため、彼らは患者を守る必要のある場合を除いて争いには一切関与せず、やむを得ず戦う際にも知性を持つ生命体に対してはスタンにセットした武器のみを使っていた。