不整地用移動式砲塔
(UT-ATから転送)
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トライデントの異名で知られる不整地用移動式砲塔(UT-AT)は、クローン大戦中、共和国グランド・アーミーによってウォーカーの使用に適さない状況で使用された軍事用輸送艇および強襲用車両である。低速なため攻撃対象にされやすいUT-ATは、橋や凹凸の多い地形を移動することに長けていたが、浮遊しているため常に敵の攻撃に晒されていた。また、別装備のUT-ATには橋を敷設する機能を搭載し、輸送艇から効果的な通路開拓機へと転化したものもあった。
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特徴
前面に搭載された3つの武器から、俗に「トライデント」と呼ばれているこのライト・トランスポートは、クローン大戦中に起こった悲惨な事件、マーゴシア戦役の後に、クワット・ドライブ・ヤード社とメクーン社によって共同開発された車両である。この事件では、共和国ウォーカーの電撃的な進攻によって与えられた一定の打撃が、アガマーに架かる自然の橋を崩壊へと導き、結果的に人員と装甲部隊の壊滅的損失へと繋がったのだった。
そのため、内部崩壊の作用を助長させることなく、もろい地形上を移動できる装甲車両が必要とされることになった。そして珍しいことに、KDY社は自社の開発プロセスを重リパルサーリフト車両メーカーとして知られるメクーン社に開示したのである。これらの専門企業の協力体制は、もはや独自の設計によってウォーカーと呼ぶにはふさわしくない戦闘トランスポート、UT-ATの完成を導いたのだった。
この重武装車両は後方区画に並ぶ8組の低出力リパルサーリフト・スキーに支えられているが、これらのスキーは前方キャリッジの下にある4基のリパルサーリフト・プレートの推力によって、そのときの地形に対応できるよう常時再調整されていた。また、波状に並んだ16組のスキッド・プレートも、車体重量を均一に打ち消すことに役立っていた。さらに、この特別仕様のスキッドは制御フィールドを形成するためにリパルサー推力を反転させることもでき、この働きによってUT-ATは垂直な壁に張り付いたり、長距離攻撃の際に無比の安定性を得ることが可能になるのだ。
また、このスキーは積雪地帯や粉末状の地形で、特に水平機銃掃射を行っている間に、大きな優位性を発揮する。しかし、UT-ATには機動性に乏しいという短所がある。強力なリパルサーフィールドによって車体重量を打ち消すことができても、UT-ATは依然として莫大な慣性質量を有していたのだ。したがって、注意深い操縦士は最高速度を時速45キロメートルまでに抑えるようにしていた。
UT-AT内の機械部分は車両の前方半分に位置しており、そこには20人以上のクローン・トルーパーも収容されていた。また、コクピットには操縦士と砲手(側面と背面に搭載されたヘヴィ・レーザー・キャノンを操作する)、各1名分ずつの座席が備わっていた。
一方、後方半分は大型兵器の運用を考慮し、空洞となっている。そこには頂部に搭載された4基のレーザー・キャノンを操作するための砲術ステーションが組み込まれており、砲手たちが装甲プレートによって守られていた。また、同シリーズの異なる機種には、標準的な武装に加えて小型爆発生成装置を搭載したものもあり、ドロイド軍に対して静電嵐やイオン化ガス流を放出することができるようになっていた。他のモデルには大型兵器用の格納スペースを除去し、代わりに組み立て式の多間接型ブリッジレイヤーを収納していたものもある。これを用いることで、クローンの戦闘技術兵は不安定な地形に安定した道路を切り開き、重いウォーカーを遠くの戦線へ送り出す即席の橋を組み立てることができたのだ。
歴史
UT-ATは氷の上や変化の激しい戦場で、他の装甲車両よりも効果的であることを証明したが、移動速度の遅さから、クローン大戦では極めて大きな損失を被った。デッキが持ち上げられた構造をしていたため、車体下部への正確な攻撃によって容易に転倒させられてしまったのである。UT-ATはクローン大戦の終盤に数多くの車両が実戦投入されており、主としてマイギートーやケイト・ニモイディアにおける橋上での戦いに使用されていた。