ラックス・ボンテリ
| ||||||||||||||||||||||||||||
|
ラックス・ボンテリは、独立星系連合に所属する、クローン大戦によって孤児となった人間男性である。オンダロン出身のボンテリ家も、初期は銀河共和国に忠誠を誓っていたが、その後、ヤヴィンの戦いの22年前に創設された連合に加わったのだった。母のミーナ・ボンテリが分離主義元老院の主要な議員となった後、ボンテリは両親と共に分離主義勢力の首都ラクサスに移住した。やがて戦争中に青年期へと達したボンテリは、多くの理想主義的視点を身に付け、母と同様にこの戦争を平和的に解決したいと願うようになったのである。だが、連合軍の将校だった彼の父が、アーゴナーにおける戦いで共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーによって殺害されてしまった。そして開戦から1年以上が経過したとき、ボンテリは彼にとって初めてのジェダイとなるパダワン・アソーカ・タノと接触し、共和国とジェダイ・オーダーに対する見方の再考を迫られたのだった。しかしその直後、彼はドゥークー伯爵による策謀によって母を失ってしまう。伯爵は、彼女が共和国のパドメ・アミダラ議員と共に目指していた和平計画を阻止するために、ミーナ・ボンテリの殺害を命じたのである。
母の死に対する復讐の機会を求めたボンテリは、連合との関係を捨て、ドゥークーの殺害計画に着手した。やがて彼はドゥークーに見限られた経緯を持つマンダロリアンの分派組織デス・ウォッチと手を組み、共に復讐を目指すことになる。デス・ウォッチのためにドゥークーの正確な居場所を掴もうとするなか、ボンテリは偶然にもタノと再会し、正義を求めるため、和平協議が開催されていたマンダロアから、カーラックに設営されたデス・ウォッチの野営地へと向かう。タノは、デス・ウォッチを卑劣なテロリストと殺人犯の集まりだとして警告するが、ボンテリはグループの首領プレ・ヴィズラがミング・ポの村を完全に焼き払うまで、彼女の訴えを受け入れなかった。その後、デス・ウォッチから逃れたボンテリはタノとも別れたが、彼はまたいつか会うだろうと約束したのである。
目次 |
経歴
戦争孤児に
ラックス・ボンテリはミーナ・ボンテリとその夫の子として、銀河系規模のクローン大戦前に誕生した人間男性である。彼の家族は銀河共和国に加盟するインナー・リムの惑星オンダロンの出身だった。また、ボンテリの母は銀河共和国における経験豊富な有力議員であり、惑星ナブー出身の有望な政治家、パドメ・アミダラの師でもあった。ボンテリは幼い頃にアミダラと知り合ったが、彼の家族の生活はその直後に一変してしまう。ヤヴィンの戦いの24年前、かつてのジェダイ・マスター、ドゥークー伯爵が汚職の蔓延する共和国に反対して分離主義の独立星系連合を創設したとき、ボンテリの家族は分離主義勢力の側に加わったのだ。その後、彼らは共和国元老院の代表となったアミダラとも距離を置くようになる。ボンテリの母は分離主義勢力の首都ラクサスを拠点とする分離主義元老院で有力な議員となり、一家はラクサスの都市部にある広大な邸宅に移住したのだった。
そしてヤヴィンの戦いの22年前、連合と共和国との全面抗争が勃発し、ボンテリは戦時での成長を余儀なくされた。その後、彼は数人の友人に恵まれ、共和国とそれに仕えるジェダイ・ナイトへの当初の見方を変えていくことになる。連合軍の機動部隊で軍事将校として働いていた父が、惑星アーゴナーで基地の設営中に共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーの襲撃を受け戦死した後でさえ、ボンテリは母と共に日常の生活を続けていたのだった。そしてヤヴィンの戦いの21年前、クローン大戦によって銀河中で引き続き無数の命が失われているなか、ボンテリ母子はかつての師に面会を求めてきた旧友アミダラを迎えることになる。共和国元老院は分離主義勢力の存在を合法化することを避けるため、彼らとの接触を禁じていたが、アミダラはボンテリの母の力を借り、両政府間に和平協定をもたらしたいと考えていたのだ。この共和国の議員は、軍人、民間人を問わず、この戦争における犠牲者の数が既に限度を超えていると信じていたのである。
ボンテリ家の邸宅までアミダラに随行したのは、ボンテリと同年代のジェダイ・パダワン・アソーカ・タノである。彼女は現在進行中の戦争の本質について、さらに多くの見解を手に入れたいと望んでいたのだ。ボンテリはジェダイについて様々な入り混じった見解を耳にしていたが、タノは彼が実際に初めて遭遇したジェダイであり、両者は互いにこの戦争の展望について再考する際の重要な役割を演じ合うことになる。母ミーナがアミダラと共に共和国と連合の和平交渉実現の可能性を模索する間、ボンテリは邸宅の中庭でタノと議論を交わした。ボンテリも最初はジェダイと共和国に対する自分の見解が偏っていると認めることを躊躇ったが、タノが分離主義者に対して同様な見解を抱いていることに疑問を感じていた。ボンテリとその母は、タノが初めて個人的に接した分離主義の市民だったのである。会話を交わすことで、ボンテリとタノは、ジェダイと連合が押し付けられた見解とは異なるものであることに気付き、双方の立場を理解することで成長することができた。彼らはこの戦争で対極の立場にあるにも関わらず、即座に友人となったのだ。
その後開かれた分離主義元老院の議会で、ボンテリの母は共和国との和平交渉に着手するべきだという動議を起こし、これを賛成多数で可決させるのに十分な支持を集めることができた。そして、ラクサスでの仕事を終えたアミダラとタノは共和国首都コルサントへ戻る準備を開始する。ボンテリとその母は彼らをラクサスの宇宙港で見送り、友人たちは引き続き共和国が分離主義勢力との交渉開始を可決してくれることを願った。だが、共和国元老院での和平交渉実現の可能性は一瞬にして消え去ってしまう。シスの暗黒卿ダース・シディアスが密かに弟子としていたシス・アプレンティス、ドゥークー伯爵が、シス卿オーダーの目的にかなうよう戦争を継続させるため、分離主義勢力によるコルサント・パワー・ジェネレーターへの爆破テロを実行したのである。そしてその直後にはボンテリの母も殺害され、ラックスは孤児となってしまう。共和国の諜報員は、ドゥークー自らが和平交渉妨害のためにミーナ・ボンテリの殺害を命じたことを突き止めていたが、ドゥークーは彼女の死が共和国側の攻撃によるものだと公表したのだった。
正義を求めて
ドゥクーへの裏切り
デス・ウォッチとの取引
人物と特徴
ラックス・ボンテリは身長およそ2メートルの、茶色の髪と緑色の目をした人間男性である。有名な政治家の息子である彼は、家族の邸宅の周辺を散歩する際にも正装を心掛けていた。ラクサスでは、彼は布製の刺繍を施した襟付きのラベンダー色のスーツを着込み、金属製の脛当てと黒いレザー・ブーツを履いていた。また寒い環境では、彼はヘッドキャップ、グローブ、全身用コートを着込んでいた。若い頃から理想主義者だったボンテリは、クローン大戦中、家族と共に独立星系連合の側に付いたが、この戦争によって両親を2人とも失くしてしまう。主要な分離主義元老院議員の息子として生まれたボンテリは、母ミーナの思想を一部受け継いでおり、戦争による犠牲者の増加を非難していた。礼儀正しく上品なボンテリは、敬意を払って来客であるパドメ・アミダラとアソーカ・タノをもてなし、母の言いつけどおりに荷物を運ぼうとした。彼はアミダラが母の教え子だった当時から彼女をことをよく知っていたのだ。母と同様に、アミダラ、タノ、ボンテリも戦争の早期終結を望んでおり、連合と共和国の双方に平和的な話し合いを求めたが、彼らの平和への取り組みは失敗に終わったのだった。
すべての分離主義者に不信感を持つアソーカ・タノに、荷物を運ぶという申し出をあっさりと拒否されたとき、ボンテリは不快感こそ示さなかったものの、漠然とした不安を抱いていた。戦争が始まる前、ボンテリは共和国のジェダイ・ナイトを善人だと学んでいたが、戦争が始まり家族が連合側に加わると、その考えは一変したのだった。その後の月日に友人となった人々は、戦争による殺戮から共和国とジェダイを非難しており、彼も共和国とジェダイ・オーダーの意図に対して懐疑的になっていった。友人たちと同様に、ボンテリも彼らを憎んでいたのである。初めてのジェダイ、アソーカ・タノと出会ったとき、当初ボンテリは彼女についてどう判断していいか分からなかった。だが会話を交わすうちに、彼は当初考えていたほどジェダイが悪人ではないことに気付き、アソーカから自分のことをどう思うかと聞かれたときも、彼はタノと甘いひと時を過ごすためにこの機会を利用したのだった。またタノとの協議を通じて、ボンテリは彼女に、この戦争が彼女の考えているほど白黒のはっきりしたものではないということを気付かせる重要な役割を演じることになる。彼はタノに分離主義者についての再考を促し、それが彼女が最初に主張したような邪悪な存在ではないことを理解させたのである。タノとボンテリは時間と共に互いの理解を深め合い、友情を通じて強い感情を抱くようになったのだった。