BT-16ペリミター・ドロイド
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アラキッド工業社製のBT-16ペリミター・ドロイドは、高度なセンサー・パッケージを搭載したクモ型の警備ドロイドである。
歴史
BT-16ドロイドは旧共和国から帝国の時代に掛けてよく使用されていたが、特にボマーの修道僧たちはこのドロイドを、奇妙な啓発の儀式によって外部に取り出した自分たちの脳を運ぶための道具として使用していた。
彼らによって改造されたBT-16はボマー・ブレイン・ウォーカーと呼ばれており、反応性に優れた機械式フレームに吊り下げられた脳として定義される。これらはサイボーグとしての最低限の標準要件を認められているが、分類上、若干の混乱が生じているのも事実である。
部外者にとって、ボマーのサイボーグ・プロセスは不穏かつ不愉快なものだった。しかしボマーの修道僧にとって、脳を除去することは大いなる名誉なのだ。ボマーは、自らを肉体から解放することこそが啓発に達する唯一の方法であると信じており、進んで肉体から分離した知的存在となる道を選んでいたのである。
何世代もの昔、ボマーの修行者たちからなる民族集団はタトゥイーンに商店を築き上げた。修道僧たちは砂丘海の真ん中に鉄とデュラスチールでできた陰気な修道院を建設し、自分たちの存在を先住民たちから隔離したのである。
そして何年にもわたる瞑想の後、最も信仰の深い僧たちは、もはや肉体は無用の長物であると考えるようになった。聖なる儀式のなかで、下位のボマーの従者たちがメスを研ぎ、師の頭骸から外科的に脳を取り出したのである。灰色のごつごつした物体となった脳は、培養液の満たされた瓶に入れられ、地下に造られた啓発の大広間の棚に並べられたのだった。
しかし脳だけとはいえ、彼らもときには外出する必要があった。そのため、ボマーの従者たちはアラキッド社製BT-16の部品で作った一連の枠組みを用意した。修道僧たちはBT-16に搭載されたテイム&バック社製連射式ブラスターと、腹部のセンサー・グローブを取り除き、空いた骨組みの下腹部に脳を収容した瓶を取り付けたのである。
ブレイン・ウォーカーはその原点であるBT-16から改良され続け、もはや単一のデザイン・パターンを踏襲したものではない。グリップ・クロウの有無や、脚の数も4本から9本まで様々である。しかし、ほぼすべての個体が、壊れにくい瓶の基部にスピーカー、音響センサー、一列に並んだカラー・ライトを装備していた。これらのライトは通常の条件下では青や緑に光るが、赤く光ったときは脳が未知の新しい状態に適合できず、絶叫していることを示していた。
ジャバ・ザ・ハットはボマーの修道院を自身の娯楽用宮殿へと転用し、教団の修道僧たちを最下層の地下回廊へと追いやった。この変化によって、修道僧たちはより熱心に他者を自分たちの生き方へと勧誘するようになったのだ。事実、ジャバがカークーンの大穴で死亡すると、彼らは熱心さのあまり嫌がる者たちにも無理やり脳の除去手術を行うようになったのだった。
自分たちのドロイドがタトゥイーンでこのような奇妙な目的のために使用されていることを、アラキッド社が認識していたかは定かでない。しかし、ヤヴィンの戦いの直後、同社は完全に作り変えた新型のBT-16を発表している。この新型機種はメレンデータ社製のTSアラック・ペスト=コントロール・ドロイドを重度に模倣した製品だった。帝国は初代デス・スター内で使用するべくこのドロイドを大量に購入したが、この戦闘ステーションはBT-16が活躍の場を与えられる前に破壊されてしまったのである。