ムーン
| ||||||||||||||||||
|
ムーンは、銀河系最大の金融組織、インターギャラクティック銀行グループの本拠地として知られていた惑星ムーニリンストに原住する、痩せ細った長身のヒューマノイド種族である。彼らは経済および数学に関する才能で銀河中にその名を知られており、経済の安定化を求める銀河帝国も、ムーンの経済的センスを利用するため、彼らを広範囲なエイリアン差別政策の対象外としていたほどだった。
解説
ムーンは長身の細い体をした、他に何の特徴もないヒューマノイドである。ムーンの故郷ムーニリンストは、アウター・リムにありながらも一千年にわたって銀河系の金融の中心地として君臨していた温暖な惑星である。銀河共和国が標準通貨の必要性に気づいたとき、ムーンがその分配と取扱いの陣頭に立ったのは自然な選択の結果だった。そのため、ムーニリンストには貨幣となるべき貴重な金属が秘密の場所に数多く保管されていた。さらにこの惑星は軌道上に設置された一連の防衛プラットフォームによって厳重に守られ、周辺にも共和国の戦艦が容易に展開できるようにもなっていた。こうしてムーンは多くの部門において、自分たちの責務を難なくこなしていたのである。
やがて旧共和国が崩壊し、銀河系はパルパティーン皇帝による新秩序の時代を迎えるが、銀河帝国の反エイリアン政策の中にあって、ムーンは迫害を避けた数少ないエイリアン種族の1つとなっていた。帝国軍には金融危機を回避したいという思惑があり、同時にムーン以上に銀河系規模の経済動向を監視できる種族は存在しないということも認めていたのだ。帝国の行政官にはムーンの監視任務が与えられ、間違っても帝国クレジットが反乱同盟軍の金庫の中に入るようなことがないように管理がなされていた。しかし、ムーンは不正行為を妨げる揺ぎ無い誠実さを備えており、新秩序にとってなんの脅威にもなり得なかったのである。
ムーンは一般的に、ビジネスにおいても日常生活においても貪欲である。彼らは自分たちを過大評価するようなことをせず、常に軽率な行動による危険性を計算している。実際に、ムーンは数学を非常に得意としており、統計、確率、複雑な計算式などを素早く、ほとんど努力無しに解いてしまう。
多くのムーンは故郷を離れようとせず、危険に事欠かない銀河系を徘徊するムーンは彼らの中でも極めて珍しい存在である。ムーニリンスト以外の場所にいるムーンは大概が仕事中であり、可能な限り早く故郷に帰りたいと願っている。若く冒険心の強いムーンでも、一度何かに失敗するだけですぐ外界に出たことを後悔し始める。そしてホームシックにかかるのも早いため、彼らはムーニリンストに戻る手段を手に入れるべくあらゆるエネルギーを費やすことになる。