ディヴァ・シャリクア
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解説
シーリンの人口が絶滅に近いところまで減少する遥か以前に、この種族は銀河共和国における演劇の分野へ、多数の高価なタペストリーを提供していた。多くの学者たちにとって、ディヴァ(シーリンの女性歌手から成る宗教集団)は他のあらゆるボーカル・パフォーマンスを計るための標準的地位となったのだ。
シーリンたちを歪めた悲惨な突然変異は、彼らに同種間での遺伝子の不一致を招き、種族を絶滅の運命へと導いた。だが、彼らの生物学的構成は人間に近かったため、多くのシーリンの血統が人間や人間に近い種族との交配によって生き残っていた。しかし、このようなケースでも乳幼児の死亡率は極めて高く、多くの文化が維持できない状態にあった。皮肉にも、シーリンの最も力強く感動的な作品は、彼らの消滅を題材にした名作墓碑銘だったのである。
共和国が衰退を迎えるまでに生き残っていたシーリンは、純血とハーフをあわせてもわずか数百万人でしかなかった。そして、この分散した文化の中で、多くのシーリンが自分たちの遺産に激しく執着するようになった。女性たちは個々人の歌の才能とは関係なくディヴァと名づけられることが多くなり、成熟したときにオペラの伝統を継続させるという希望を抱いていたのである。
ディヴァ・シャリクアは自分の両親について滅多に口にすることがなかった。しかし、彼女の両親は共にシーリンを「収集」している残虐な企業家、インゴーダ・ザ・ハットの奴隷だったことが知られていた。ハーフ・シーリンのシャリクアは秘密裏に生まれた子供]]であり、インゴーダは自分の奴隷が勝手に繁殖していることを知って激怒した。だが、シーリンの女性は、本当のディヴァであることが証明されれば大きな利益を生み出すため、彼はその子供の命を救ったのである。
その後、インゴーダは利口なことで知られるジャバから借金を抱えることになり、このビジネス上のライバルに2人の奴隷、ディヴァ・ファンクイータとディヴァ・シャリクアを売り払わなければならなくなった。そして、ジャバは室内バンドのためにシャリクアを保持し、ファンクイータをガーデュラ・ザ・ハットへの贈り物として捧げたのだった。
ジャバとポッドレースに同伴するうちに、シャリクアはワトーやグラクソル・ケルヴィーンのようなギャンブラーや、引退した俳優でありギャラクシーズ・オペラ・ハウスの新オーナーでもあるロメオ・トレブランクらとの親交を築いていった。熱心なポッドレース愛好家であるロメオは、ガーデュラの客としてタトゥイーンに招かれていたが、彼はきらびやかなコルサントの上流社会に、自分がこのようなみすぼらしい冒険に手を出していることを知られたくなかったため、匿名で旅をしていたのである。不幸なことに、アナキン・スカイウォーカーが優勝を飾ったレースで、彼はガスガノに賭けており、大金を失ったのだった。
シャリクアは、トレブランクの自分に対する関心が、ジャバの他の友人たちと比べて遥かに大きくなっていることに気づいていた。トレブランクは彼女の優れた歌の才能とその可能性について認識していたのである。彼は次のブーンタ・イヴにも彼女に会いにくると約束した。そして1年後、彼はギャンブルによる損失を取り戻し、シャリクアをジャバから買い取れるだけのクレジットを持ってタトゥイーンを訪れた。そのとき既にハットの関心は他の奴隷に移っており、彼は簡単にシャリクアを手放したのだった。
トレブランクはシャリクアを自由にすると、彼女に教養を学ばせ、ギャラクシーズ・オペラ・ハウスで演技をさせるべく、コルサントへと連れて行った。しかし、到着した数時間後に、シャリクアは自身の解放証明書とトレブランクの家から盗んだいくつかの品物を持って姿を消してしまった。皮肉なことに、トレブランクはオペラ・ハウスでの次のミュージカルで彼女に小さな役を与えるつもりだったのだ。彼にとって、これは長期にわたる思慮のない投資が無駄に終わることの一例となったのである。
シャリクアは芸名を使い、人目を避けるようにコルサントの中層部にある雑多な目立たないナイトクラブやカジノで、合法的にエンターテイメントのキャリアを積み重ねていった。彼女はトレブランクのもとに残れば、銀河中の脚光を浴びる舞台に立てていたであろうことに気づいていなかったのだ。シャリクアは、自分が銀河系のトップ・スターの座にどれだけ近づいていたかをまったく理解していなかった。