アクロス=クリック
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解説
オングリーという種族は、物体を複数の方向から見ることのできる柔軟な眼柄を持っている。おそらくこの能力があるからこそ、オングリーは物を見る際に多くの観点であらゆる可能性を調査するようになり、種族として有能な政治家、外交官、そして交渉人を数多く輩出することができたのだ。
しかし、コルサントのアスクルー地区の腐敗した知事、アクロス=クリックは、このような物の見方が現実問題としてより犯罪的な行為にも同様に役立つことになるという典型的な例だった。
アクロス=クリック知事は、ブラック・サンの工作員によって仕組まれた選挙で権力を得た。その見返りとして、彼は自分の地位を利用し、この犯罪シンジケートに価値ある情報を提供していたのである。アスクルー地区は円形の元老院議事堂に極めて近いため、アクロス=クリックは共和国の最上層にもかなりの接触を維持することができた。また、アスクルー地区はコルサントの下層レベルにも伸びており、上層部にギャラクシーズ・オペラ・ハウスのような眩しい娯楽施設が並んでいる一方で、下層レベルには暗黒街が広がっていた。当然、共和国の高官たちもこれらの両端から選出されており、彼らは闇と光の両方の場所でより良い待遇を求め、アクロス=クリック知事へとたどり着いたのだ。
アクロス=クリックが意のままに使えたより巧妙かつ効果的な道具は、彼が監視したいと思う標的に案内人として提供できる魅力的な3人組の人間女性だった。三つ子のネイル姉妹は、自分たちの客が愚かにも暴露してくれた有用な情報をすべて知事へ送り届けてくれるのだ。
アクロス=クリックがオフィスで過ごした何年もの間に、アスクルー地区の下層レベルは非合法活動によって侵食されていった。アクロス=クリック自身も、バス・ブラザーズや他の犯罪者たちと緊密な関係を持つようになった。しかし、闇の中で暗躍する他の犯罪者たちとは異なり、アクロス=クリックは地区の住人たちから何でも可能にする父親のような存在として見られることを好む、乱暴かつ社交的な人物だった。ブラック・サンと共和国政府との両方の関わりから、彼はこのような信頼を与えられていたのだ。だが一方で、ブラック・サンの中にはアクロス=クリックが不必要な関心を集めていたことに注目している者がいたことも事実である。