ジェム・イザーナ
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古代惑星オッサスには代々強いフォース感知能力を持ったイザーナと呼ばれる一族が栄えていた。その血を受け継ぐ若き女戦士ジェム・イザーナは、シャーマンの長である偉大なオッコの娘だった。黒髪を生やし、細いエキゾチックな体形をしたジェムは、筋骨逞しい女性である。彼女はベーシックを話すことができたが、会話になるとイザーナ独自のなまりを出してしまうことが多かった。また、ジェムは後にライトセイバーを振るうようになるが、それ以前からクロスボウのような古代の投てき武器にも精通していた。
解説
スローン大提督による新共和国への反抗が終わってからおよそ1年半後、ジェダイ・マスターとなったルーク・スカイウォーカーがオッサスを訪れた。彼はオーダー再興の際の手助けとなるであろう、失われた古代ジェダイに関する民間伝承を探していたのだ。そこでスカイウォーカーはジェムとその幼い弟レイフが古代の大木に縛り付けられているところを発見した。ルークは彼らを助けたが、それはイザーナの氏族に伝わる通過儀礼の一種だった。結果的に彼は儀式を妨害する者と見なされて氏族の戦士たちに攻撃されたが、誤解はすぐに解け、氏族の同盟者として認められた。この忠誠心は、ルークとその弟子カム・ソルサーが帝国軍のダークサイドの襲撃者からイザーナを守ったことでより強固なものとなった。ジェムはダークサイドの達人、エグゼキューター・セドリスの人質となったが、ルークと古代の眠りから覚めたジェダイ・マスター、ウード・ブナーの活躍によって救助されたのである。
ルークとジェムが互いの視線を硬直させたのはこのオッサスでの戦いの最中のことだった。この短い静寂なやり取りのなかで、2人は深い親近感を感じたのである。十分な時間さえあれば、それは恐らく愛に発展していただろう。しかし、銀河系は戦争の最中にこのような軟弱な行為に必要となる時間を与えてはくれなかった。ルークにはジェムとレイフにフォースの訓練を与えるという、より重要な任務があったのだ。クローンとして蘇ったパルパティーン皇帝がその邪悪な手に更なる力と領域を掴むのを阻止するためには、新たなるジェダイの力が必要なのである。氏族長である彼女の父も、若き2人のイザーナに銀河系へ旅立つ許可を与えたのだった。
新共和国の保護惑星ニュー・オルデランで、ジェムとルークはますます親密になっていった。だが悲しいことに、彼らの静寂はダークサイドの達人たちによる帝国軍の攻撃によって荒々しく妨害されることになった。ダーク・ジェダイのカーディス・モルディとテドリン=シャが毒を持ったスカラベ・ドロイドで寝ているスカイウォーカーを襲撃したのだ。それを察知したジェムは自分のライトセイバーを振り回しながらルークの寝室に押し入った。彼女は怒りの一振りでモルディを2つに切り裂くが、テドリンのブラスター・ピストルから放たれた光弾が彼女の腹部を貫いた。より熟練した戦士であれば避けられた攻撃だったが、彼女にはそれができなかった。ジェムの生命力は肉体を離れ、フォースが彼女の体を昇華させた。後に残されたのは着古した外套と、イザーナの氏族衣装だけだった。こうして、ジェムは愛を成就させることなく、23年間の短い生涯を終えたのである。