フリム
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解説
一流のペテン師として銀河の裏社会で暗躍していたフリムは、スローン大提督に良く似ていたことから熟練の役者としてモフ・ディズラに招かれた、ものまね芸人である。多少の外科手術と適切な染料の使用、そして2年以上におよぶ訓練によって、彼はスローンとまったく同じ外観と振る舞いを手に入れたのだった。また、顔の表面に特殊な自己発電式装置を挿入したことで、彼は目を赤く輝かせることができ、さらに肉声を制御することで一瞬にして部屋を静まらせることもできた。そして、カーマス事変が新共和国を引き裂く脅威として湧き上がると、ディズラはついにフリムを銀河の表舞台に立たせたのである。
こうして銀河系でスローン大提督の復活の噂が囁かれるようになったが、根拠のある説明は一切なされず、新共和国上層部は不安を隠しきれずにいた。帝国軍によるカーマス事変を利用した一連の陽動作戦の裏で、フリムは持ち前の演技力と記憶できる限りの帝国に関する歴史的知識を利用し、首尾よく大提督の役割を演じていたのである。事実、彼はスローンの部下だったことのあるドージャ艦長とグロディン・ティアスの2人を見事に騙してみせた。また、インペリアル級スター・デストロイヤー<リレントレス>が<レディ・ラック>を拿捕したときは、ランド・カルリジアンとポロロ・ミアタミア元老院議員を前にスローンの健在を示すことに成功した。この予期せぬ会合で、フリムはスローンとして2人の前に姿を現し、新共和国にボサンに関する問題の解決策を提供すると申し出たのだった。ランドとミアタミアはこのメッセージをコルサントに持ち帰ったが、スローンの恐ろしさを良く知っていた新共和国は、その申し出をきっぱりと拒否したのだった。その後もフリムはスローンを演じ続け、ルーリアやクロクターなど、多くの惑星を帝国側に取り込んでいったのである。
ハン・ソロとランド・カルリジアンがバスティオンで発見されたとき、フリムは2人の前でスローンを演じることによって、再びその能力を披露するチャンスを得た。彼はソロとカルリジアンにカーマス・ドキュメントのコピーを提供すると申し出て、氏族合同ビルへの攻撃にボースク・フェイリャを巻き込んだ。その後、フリムは2人を解放したが、2人は受け取ったドキュメントがカーマスの破壊に他のボサンを巻き込むために改竄されたものであることに気づいていた。やがて、フリムの欺瞞はギラッド・ペレオン提督によって解き明かされ、ティアス少佐もろとも素性をすべて暴露されることになる。クローンだったティアスはシェイダ・デュカルによって殺害され、ディズラは反逆者として逮捕されたが、フリムはただペレオンに降伏しただけだった。