モモー・ネイドン
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モモー・ネイドンは、イソーリアンである。彼は銀河帝国にイソーリアンの農耕技術の秘密を暴露したため故郷イソアを追われた追放者だった。ネイドンは追放生活の大半をタトゥイーンで過ごし、ルーク・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービがオルデランへの移動手段を探していたときもチャルマンの酒場にいた。
目次 |
経歴
初期の人生
銀河帝国の初期の時代から、モモー・ネイドンは故郷イソアの偉大な指導者の1人だった。その独自の形態からハンマーヘッドの異名を持つイソーリアンたちは、自然との共存を望んでおり、決して利益のために自然を破壊しようとはしなかった。彼らは巨大な栽培船で3つの大陸を往来していたが、その栽培船の頂点に存在したものが<タファンダ・ベイ>だった。その指導者を務めていたネイドンは、選ばれし者のみが纏うことを許された聖職者のマントを与えられ、母なるジャングルの保護に身を捧げていたのである。
<タファンダ・ベイ>はイソアの巨大観光センターでもあり、外界からの旅行者にも無料で開放されていた。その内部にはイソアのあらゆる環境が忠実に再現されており、様々な植物が生息していたのだ。これはイソーリアンの技術者たちの誇りでもあった。イソアの経済はこの観光産業によって支えられていたのである。
さらに、彼らは栽培船で宇宙へも進出しており、外界の人々に珍しいイソアの特産品の販売を行っていた。しかし、彼らは中立主義を守っていたため、銀河系で帝国軍と反乱軍との戦いが行われていたことには気付いていなかった。
インペリアル級スター・デストロイヤー<コンクエスト>がイソアの軌道上に現れたとき、ついにイソアの平和も破られることになる。帝国軍は密輸業者の取締りの強化を理由にイソーリアンたちの強制尋問を開始した。銀河系のすさんだ現状を知ったネイドンは当惑したが、イソアの長老たちは仕方なく帝国の横暴を受け入れた。彼らには隠すことなど何もなく、帝国軍の調査はすぐに終わるはずだったのだ。しかし、<タファンダ・ベイ>を見た帝国軍は、この素晴らしい農耕技術を提供するようにと求めてきた。当時、帝国は農業区域の拡大を図っており、さらにはイソーリアンの技術を生物兵器へと応用することも視野に入れていたのである。
イソーリアンたちが母なるジャングルへの信仰を理由に要求を断ると、<コンクエスト>のアリマ艦長は彼らの中にスパイを送り込もうと考えた。だが、人間をイソーリアンに変装させることはできず、彼らの買収工作も失敗に終わった。そこでアリマは仕方なく6人の諜報部員を<タファンダ・ベイ>のコンピューター・ネットワークに進入させたが、秘密のファイルを探っていた彼らはすぐに発見されてしまう。イソーリアンたちはスパイを船から追放したと同時に、<タファンダ・ベイ>からすべての外界人を締め出すという決定を下したのだった。だが、これに激怒したアリマはジャングルに威嚇射撃を行ってバフォールの森を焼き払い、要求を受け入れなければ惑星を滅ぼすと脅迫したのである。苦しい選択を迫られたネイドンも母なるジャングルに死を言い渡すことはできず、とうとう帝国軍に秘密を提供してしまったのだった。
背信者となったネイドンは、長老たちによって裁かれることになる。彼は演説の中で帝国の暴挙について触れ、イソアの反乱同盟軍への参加を呼びかけた。しかし、平和を信じる長老たちには到底受け入れられず、結局、彼は次の裁きが行われる3標準年後までイソアを追放されることになったのである。
銀河系の放浪を余儀なくされたネイドンは、タトゥイーンで数年間を過ごしていた。緑に乏しい惑星ではあったが、彼はイソアで学んだ知識を活かして多くの植物を栽培し、大盛況を巻き起こした。彼はモス・アイズリーの中央に大邸宅を構え、故郷から持ってきた黒葉のバフォール、有毒性のアルール・サボテン、燐光性のゴーサ、肉食性のアレスで建物を取り囲んでいた。また、地下には準知的食虫植物であるヴェスヴェージュに守られた6人用のシェルターが隠されており、彼はここで反乱軍と接触し、逃亡者を匿ったりしていたのである。
やがてタトゥイーンを離れるとき、帝国軍への復讐のチャンスが到来した。アリマ艦長が降格されてタトゥイーンに派遣されてきたのだ。彼の目的は2体のドロイドの捜索だった。これを知ったネイドンは、タルズのマフタックに自分が反乱軍を援助しているという情報をリークさせたのだった。
中佐に降格されたアリマはネイドンの邸宅を訪れ、彼にドロイドの情報を要求した。復讐を決意していたネイドンはブラスターを構えたが、本能的に平和を好む性格が彼を思い止まらせた。だが、アリマはバフォールを焼き払い、情報を渡さなければ植物をすべて灰にすると脅してきたのだった。
指定された期日まであと1日となったとき、ネイドンは偶然にもモス・アイズリーの酒場でドロイドたちを発見したが、彼らはすぐに宇宙へ飛び立ってしまった。ドッキング・ベイ94へ向かった彼が見たものは、上官の前で部下に失敗の責任を追及していたアリマの姿だった。ここで彼はアリマの上官を呼び、自分は彼にドロイドの居場所を教えたはずだと告げた。するとアリマを反逆者と決め付けた大佐は彼を射殺し、死体を路地に置き去りにしたのだった。あまりにも無残な出来事に罪の意識を感じたネイドンは、アリマの死体から遺伝子サンプルを2つ採集し、大切に持ち帰ったのである。
贖罪
パルパティーン皇帝の死後、ネイドンは2回目の裁きを受けるため故郷へ戻ることを許された。長老たちは彼の意見を受け入れ、公式に同盟軍を支持することを決めた。イソアは銀河中心部から遠く離れていたため、帝国軍の即座な報復は避けることができたのだ。ネイドンは<タファンダ・ベイ>の指導者に復帰し、妻子との再会も果たした。その後、彼はアリマの遺伝子サンプルから2人のクローンを製造し、彼らと共に平和な暮らしを営んでいた。このクローンを育てることは、ネイドンにとってのせめてもの償いなのである。