シム
| ||||||||||||||||||||||||||
|
シム・ザ・デスポット(暴君シム)は、銀河共和国の樹立以前にタイオン星団の星間帝国を支配していた独裁君主である。彼の在位はヤヴィンの戦いのおよそ25,000年前から、約30年間にわたって続いていた。
解説
アーガイで生まれたシムは、クロニーズ・スイープに自らの領域、クロン王国を切り開いた海賊の息子である。シムは犯罪組織の首領として台頭し、後には政治の世界にも足を踏み入れた。彼はビーム管、カイリウム、マイタグ、ウォー・ドロイドなど、当時の最先端テクノロジーを駆使した軍隊と艦隊によって、多くの惑星を征服した。そして、彼は征服した惑星を最も恐れられた秘密警察、ジェノハラダンや、大量処刑などの恐怖戦略を使うことによって統制していたのである。シムは君臨した最初の10年間(彼の拡張期)で、デゼヴロを含むリヴィアン連盟など、タイオン星団のほぼ全域を征服した。やがて、シムの帝国はラダマ・ヴォイドからモーへと広がり、ついには数千もの惑星を従えるに至ったのだった。
そしてついに、シムとハットとの抗争が開始される。それはシクラッタ星団内における犯罪利益や、領域拡張についての野心に関する対立だったのだ。ヤヴィンの戦いの25,105年前、シムはハットの草原惑星コ・ヴァリを荒廃させた。一方で、第1次ヴォンターの戦いでは、ハットがシムの艦隊を壊滅させる。そして5年後、第3次ヴォンターの戦いで、シムはコサック・ザ・ハットの前に敗退した。彼の軍隊はハットが直前に従属させていたクラトゥイニアン、ニクト、ウィークェイ、ヴォドランの連合軍による奇襲を受けたのである。最終的に、シムはエヴォカーにあるコサックの地下迷宮で奴隷として最期を遂げることになる。しかし、タイオンの歴史家によると、ヴォンターで反逆を起こし、処刑されたのだという。一方、シムの宝物船<クイーン・オブ・ランルーン>は惑星デラルトへと逃れていた。そこで、この船は大量のウォー・ドロイドと、「生存者」として知られる秘密の同胞たち、すなわち当時乗船していた船員とエリート衛兵たちの子孫によって、およそ一千年の間、守られることになる。
シムが君臨した期間はわずか30標準年でしかないが、彼が歴史に及ぼした影響は決して小さくない。シクラッタ星団の種族たちは、当初はシム打倒のために同盟国として招集されていたに過ぎないが、ヴォンター協定の条文に従い、新共和国の時代までハットに貢献し続けていた。また、失われたシムの財宝に関するロマンスは、その後の歴史の中で一攫千金を求める多くの人々を魅了し続けた。だが、この財宝は何世紀も後に、ハン・ソロとルーリアンの歴史学者スカインクスによって発見されることになる。そして、ジェノハラダンが強大な犯罪組織として、ジェダイの内乱の時代まで密かに存続していたという噂も囁かれている。