ランサー級フリゲート
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ランサー級フリゲートは、帝国宇宙軍が対宇宙戦闘機用に使用していた大型艦船である。
特徴
多くの砲座を備えたランサー級フリゲートは、少なくとも1回目のテストによれば、帝国軍で使用されていた対宇宙戦闘機用戦艦の中でも最高の部類に入る。ランサー級の主な兵器は20基のコレリアン・エンジニアリング社製AG-2Gクワッド・レーザー・キャノンだが、それぞれのキャノンにはTIE/saボマーにも採用されたシーナー・フリート・システムズ社製の改良型照準装置が取り付けらえており、多重防火カバーによって高速な宇宙戦闘機に対しても正確な火力調整が可能となっている。さらにその威力を増加させるために砲座は塔の上に固定されているが、パワー・ジェネレーターが全体で1つしか搭載されていないため、砲手たちは残されたエネルギー量を考えながら攻撃する必要があった。このように、ランサー級は戦闘機に対する攻撃力の点では優れているが、その他の特徴となると特に見当たらないのも事実である。また、ランサー級フリゲートの内部に小型格納庫が設置されており、常時2機のシャトルを格納していたが、兵員や他の輸送機は最小限しか搭載していなかった。
ランサー級の最大の欠点は用途が限定されているにも関わらず、製造コストが非常に高いことである。その価格は重巡航艦にも匹敵するが、これといった付加価値は何もない。対戦闘機用に特化した設計になっているため、他の用途に転換させることは難しく、重火器を装備していないため、敵の戦艦にもほとんど対抗できない。事実、ランサー級は護衛任務さえも満足にこなすことができないのだ。
本来、静止型の戦艦として設計されたランサー級フリゲートは、速度や機動性の点では反乱同盟軍の戦闘機にとても対抗できるものではなかった。だが武器システムを完全に作動させることができれば、同盟軍の戦闘機にとって脅威の的となったであろうことは間違いない。
歴史
ヤヴィンの戦い以後、帝国軍は反乱同盟軍の宇宙戦闘機による攻撃に対して少なからず恐怖心を抱くようになった。ドレズ提督は、デス・スター計画の失敗は対戦闘機用戦艦の不足によるものだとし、早期に対戦闘機用戦艦が配備されなければ、帝国艦隊の大型艦船はいつまでも差し迫った危険にさらされたままであると主張した。そして帝国軍はその要求を受け入れ、クワット・ドライブ・ヤード社にランサー級フリゲートの製造を要請したが、実際に配備されたのは試作品として製造されたごく少数のものに過ぎなかった。
実際に使用されたランサー級のほとんどは期待通りの使われ方をされていなかった。偶然にも戦闘機部隊と遭遇したときには当初の役割を果たしたが、艦隊戦にはほとんど参加せず、参加しても決して十分な活躍を見せることはできなかった。このクラスの戦艦の役割からいえば、スター・デストロイヤー艦隊の外側に配置されるべきだが、ランサー級は低速で、シールドが弱く、ターボレーザーも装備していないため、同盟軍の巡航艦にとって格好の標的とされてしまうのだ。さらに、改造された照準システムにも調整の余地が多く残されており、結果的に完全な状態になっている兵器は半分にも満たない状態だったのである。
ランサー級が最もその真価を発揮したのは反乱同盟軍の戦闘機基地への攻撃だが、同盟軍基地がなかなか発見されなくなってからは、活躍する機会も希になってしまった。また銀河内乱の後期には、予期していた戦闘機による大型艦船への攻撃も全く行われなくなり、少なくとも帝国軍が恐れていたような事態にはならなかった。ドレズ提督はこれもランサー級の出現による成果だと主張したが、その割りには実戦で使われたランサー級の数が少なすぎると指摘する声も聞かれたのだった。