I-7ハウルランナー
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インコム社製I-7ハウルランナーは、銀河内乱において銀河帝国が使用していた短距離型攻撃宇宙戦闘機である。
特徴
I-7ハウルランナーは独自の流線形構造と固定翼を採用しており、深宇宙でも大気中でも航行が可能である。しかし、速度面では反乱同盟軍のT-65 Xウィング・スターファイターやBTL Yウィング・スターファイターには優るものの、RZ-1 Aウィング・インターセプターやTIE/INインターセプターにはまるで歯が立たない。攻撃面でも特にこれといった特徴はなく、前面に装備された1対のレーザー・キャノンの照準システムはTIEインターセプターと比べて精度の点では互角だが、威力の点では劣っていた。
帝国軍の宇宙戦闘機としては珍しく、ハウルランナーは偏向シールド発生装置を搭載していた。これによって、ハウルランナーはXウィングと同等な耐久性能を発揮できるようになり、Bウィング・スターファイターのような重攻撃艇とも真正面から戦いを挑むことが可能となった。しかし、新共和国の多くの新型戦闘機との戦闘では、TIEファイターと同様に数に任せた戦いを展開しなければならなかったのも事実である。
ハウルランナーの流線形構造は大気中でも真空中と同様の効果を挙げている。軌道上からでも地上基地からでも発進することでき、性能を劣化させることなく敵機の追跡が可能である。特に、帝国軍の地上基地には多くのハウルランナーが配備されるようになり、数十年にわたる酷使によって老朽化してきたTIEファイター以上の役割を演じることも多かった。
歴史
I-7ハウルランナーは、宇宙戦闘機技師ジョー・イースリィによって発案および設計された戦闘機である。惑星カマーの灼熱の砂漠に原生する猛獣、ハウルランナーの群れを見たイースリィは、この特徴的な猛獣の本能をエミュレートし、新型戦闘機に応用しようと考えた。この生物は強固な群れで獲物に襲い掛かり、追跡を決して諦めなかった。彼はこの特徴を戦闘機中隊に取り入れようと考え、この猛獣の名を冠する、機動性と高速性に優れた戦闘機を作り上げたのだった。
インコム社は反乱同盟軍の主力戦闘機、Xウィングの製造元として有名であるため、同社がかつて銀河帝国の国営企業だったという事実も忘れられていることが多かった。I-7ハウルランナーは、インコム社が帝国の再編後にシーナー・フリート・システムズ社のTIEシリーズや、クワット・ドライブ・ヤード社のA-9ヴィジランス・インタセープターへの対抗策として製造した最初の戦闘機であり、その粘り強さと獰猛さで名声を獲得することができたのだった。
ハウルランナーは徐々に帝国軍全体に浸透していったが、インコム社の反逆企業というイメージと、その思わしくない性能によって、多くの帝国軍パイロットから不評を買うことになった。これらはドレッドノートやネビュロンB・エスコート・フリゲート、ヴィクトリー級スター・デストロイヤーなど、比較的小型の艦船に格納されることが多く、インペリアル級スター・デストロイヤーに格納されることは希だった。その理由は帝国宇宙軍の司令部がTIEシリーズ戦闘機の排除に根強い抵抗心を抱いていたからに他ならない。しかし、パルパティーン皇帝の側近にはこの戦闘機を寵愛している者がおり、個人的な指示によって数中隊を編成させていた。
I-7ハウルランナーとその前身であるXウィングとの戦いはほとんど行われていないが、両陣営の軍事専門家たちからは、インコム社の最新型戦闘機がかつての初期型Xウィングを相手にどのような戦いを見せるのか、見物してみたいという声もよく聞かれていた。