ビサド・クーン
(クーンから転送)
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ビサド・クーンは、アウター・リムに属する惑星ルーンのタウントゥーム州の支配する総督である。クーンには誇大妄想癖があり、彼は銀河帝国の初期の時代に個人的権力を増大させるべく、盗みやハイジャックなどの犯罪行為を行っていた。また、彼は政治的謀略にも長けていた。人生最後の数ヶ月の間、彼は銀河帝国とテリナルド・スクリード提督の歓心を得るために奔走したが、それらの試みは商人マンゴ・バオバブと彼のドロイド、C-3POとR2-D2によってことごとく妨害されたのだった。
経歴
無骨で野蛮なビサド・クーンは、銀河共和国に取って代わった銀河帝国との同盟を切望し、帝国憲章の獲得を目指していた。その努力の一環として、彼は帝国軍のテリナルド・スクリード提督をシスのマントと呼ばれる星雲での財産救出事業に招待したのである。クーンはこの薄暗いガス星雲の中でアンブー・ライトステーションを乗っ取り、その残骸を回収するために故意に遭難させていたのだった。彼はこうした海賊行為によって莫大な資産を獲得していたのだ。
輸送業者マンゴ・バオバブの宇宙船<キャラヴェル>を救助したとき、クーンは凛々しく着飾ったマンゴを帝国からの使節だと誤解した。そして、スクリードが彼のライトステーションに到着したとき、クーンはようやくこの輸送業者に騙されていたことに気づいたのである。クーンはバオバブを捕らえようとするが、彼はライトステーションに深刻な被害を与えて逃走してしまう。ステーションは制御を失って回転し、小惑星に衝突したのだった。
クーンとスクリードは辛うじて脱出し、総督は不満げな提督の前で面目を保とうと試みた。このときスクリードはクーンに対し、自分の惑星内の反抗的な州でさえ潰せない総督が、新たなる帝国でどのような統治を望めるのかと疑問を呈する。クーンは反抗的なアンブー州への抑圧より、新秩序への献身が優先であると訴えた。スクリードは適当に彼をおだてると、ますます絶望的になりつつある彼の計画を見届けたのだった。
また、無節操なクーンはルーン・コロニアル・ゲームへの妨害行為も試みた。彼はタウントゥームのチームにアンブー州のチームを打倒させることで反乱の精神を砕き、自らの権威と地位を確固たるものにしようと考えたのである。だが、またしてもマンゴ・バオバブの活躍によってアンブー州が勝利を手にし、クーンの計画は頓挫したのだった。
そこで、クーンは田園地帯上空に恐ろしい病原菌を散布することで雪辱を行った。だが、無能な知事は誤って自分自身を感染させてしまう。ルーズと呼ばれる細菌に侵された彼は副官のギャフを派遣し、アンブー州の著名な医師ニルズ・ヨムを呼び寄せた。そしてクーンはルーズの解毒剤を作らせるためにニルズを酷使したのである。
やがてニルズは解毒剤の開発に成功するが、彼は解毒剤と共にマンゴに救出される。そしてマンゴはクーンに最後通牒を突きつけた。彼は瀕死の総督に、奪い取った<キャラヴェル>を返還し、二度とアンブーの人々を弾圧しないと約束するならば、ルーズ菌の治療を行い、ルーンストーンの財宝の所在を提供しようともちかけたのである。クーンはその条件に同意するが、そのときスクリード提督が彼を裏切った。当初からスクリードの関心の的は財宝だけであり、その位置を知ったと同時に彼はルーン全域を帝国の支配下に置いたのである。
激怒したクーンは鑿岩レーザーを使い、ルーンストーンの貯蔵庫を攻撃した。高価な宝石は溶岩の中へと流出してしまう。だがその後、彼は解毒剤を使う前にルーズによる感染症で死亡したのだった。