ゾーバ・デシリジク・ティウレ
(ゾーバから転送)
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経歴
ジャバ・ザ・ハットの父、ゾーバ・デシリジク・ティウレは、息子と同じく醜悪で巨大な体をした老ハットである。しかし、ゾーバにはジャバや兄ジリアクとは決定的に違う特徴があった。彼はハットにしては珍しく、白い毛髪と顎鬚を生やしていたのだ。ゾーバはその長い毛を顔に掛からぬよう、常に束ねた状態で整えていた。ゾーバがジャバを出産したのはおよそ400歳のときのことだった。彼は息子にナル・ハッタの犯罪組織の取り仕切りについて、すべてを教え込んだのである。
しかし、ゾーバは惑星キップにおけるウリクオ・ジェムストーンの不法採掘によって逮捕されてしまう。裁判長のドーリ=ドーリは、彼にキップ暦で懲役15年(45標準年)の刑を宣告する。ゾーバの法律顧問を務めるニンバネルの弁護士ベクウィン・フォーバスも必死の酌量を求めたがすべて徒労に終わり、ナル・ハッタの大評議会による身柄引き渡し要求もキップ当局に拒否されたのだった。共和国司法省もキップ政府の決定を支持しており、ハットのなかでもライバルに当たるベサディ氏族の長アラクも、ゾーバはハットの恥であると断罪するようになる。ついにはデシリジク氏族の長、ゾーバの兄でもあるジリアクもまたすべての決定に従うと表明したのだった。
やがて刑期半ばにしてキップは海賊団に征服され、ゾーバは幸運にも自由を手にすることになる。しかし、これは偶然の出来事ではなかった。エンドアの戦い後、銀河帝国内ではパルパティーン亡き後の権力争いが激化しており、コルサントを抑えていた帝国情報部のイセイン・アイサード長官がライバルたちを一歩リードしている状態だった。そこで彼女はゾーバを脱獄させ、他勢力を失脚させる工作員として利用するという巧妙な作戦を実行に移したのだ。キップの征服劇も彼女の計画の一環に過ぎなかった。しかし、ゾーバはあくまでも無意識の工作員であり、アイサードの計画のことなど知る由もなかった。彼は息子の犯罪帝国に合流するべく、<ソーバ・エクスプレス>で嬉々としてタトゥイーンへと向かったのである。
タトゥイーンに到着したゾーバはモス・アイズリーの酒場で驚くべき事実を耳にした。ジャバはエンドアの戦い前に死んでおり、宮殿も今やラナットたちの巣窟と化しているというのだ。息子を殺した犯人がレイア・オーガナであることを知ったゾーバは、彼女に復讐を誓い、居場所を探し始めるのだった。
その途中、ゾーバはベスピンのクラウド・シティに立ち寄った。この都市にはジャバが所有者となっているホテルやカジノが存在しており、タトゥイーンの宮殿で発見された遺言メッセージによれば、ゾーバはこれらの資産の正当な相続人なのである。しかし、ランド・カルリジアンはこれを不服とし、ジャバの遺産を奪い取ろうと考えた。彼はホリデー・タワー・ホテル&カジノの所有権と、クラウド・シティの統治権を賭けてゾーバにサバックの勝負を挑む。だが、この戦いはカードに細工を施していたゾーバが圧勝し、ランドはすべてを失ったのである。
やがてゾーバは、レイアが皇帝の後継者を名乗るトライオキュラスに捕らえられていることを突き止めた。同時に、帝国軍が探しているジェダイの王子ケンが、クラウド・シティ警察に拘束されていることを知る。彼はトライオキュラスにケンとレイアの交換を申し込むが、トライオキュラスは後にレイアを皇后として迎えるつもりだったため、この取引きを断るのだった。両者の交渉は決裂し、互いの捕虜を奪い取るための銃撃戦が展開された。この戦いでゾーバはトライオキュラスを捕らえ、カーボナイト冷凍にするが、その間にレイアとケンはクラウド・シティから脱出し、<ミレニアム・ファルコン>で逃走したのだった。
その後、ハン・ソロとレイアがホログラム・ファン・ワールドで余暇を過ごしていたとき、ゾーバは手下を使ってついにレイアを捕らえることに成功する。彼はレイアをカークーンの大穴で処刑するためタトゥイーンへと連れ去ったが、その途中で<ゾーバ・エクスプレス>がグランド・モフたちの船による妨害に遭い、拿捕されてしまう。船の中からはレイアと冷凍されたトライオキュラスも回収され、ゾーバは自分がサーラックの口に投げ込まれる羽目になるのだった。
グランド・モフたちが去った数時間後、カークーンの大穴からゾーバが吐き出された。さすがのサーラックにもハットを消化することはできなかったのだ。ゾーバは勝利の高笑いを浮かべながら、大砂丘海を後にした。そしてトライオキュラスの死後、反逆罪で裁かれることになったグランド・モフたちの有罪を決定的なものにしたのもゾーバだった。彼はダークサイドの最高預言者カダーンの前で証言台に立ち、グランド・モフたちの背信行為をすべて証言したのである。その後のゾーバの行方は知られていない。