ナワラ・ヴェン
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解説
灰色の肌に赤い目をしたトゥイレックのナワラ・ヴェンは、ウェッジ・アンティリーズ隊長率いる新生ローグ中隊のメンバーの1人である。ナワラは故郷ライロスのヴェン氏族に生まれた。本来、ヴェンはトゥイレッキ語で「舌」や「話し手」を意味し、ナワラは「銀」を意味する言葉であるため、彼の名前の訳語としては「雄弁家」という意味が相応しい。だが、ライロスでは彼は姓と名を繋げ、若干発音を変化させたナワラアヴェンという名前で呼ばれていた。これは意味する内容を明確にするために発音を変えるというトゥイレックたちの慣習に由来しており、もし彼が本当の氏族名である「ナワラヴェン」という発音で呼ばれていたら、その意味するものは「腐食した銀」になってしまうのだ。
戦闘機パイロットになる前のナワラは、故郷ライロスにおける有望な弁護士だった。だが、帝国時代はエイリアン蔑視の政策によって判事からも差別を受け、依頼人たちに十分な弁護を行うことができなかったのだ。そのため新共和国の時代になると正義を求めて戦う決意をし、フォアロでの軍事訓練にも参加した。やがてナワラはコラン・ホーンと知り合い、共にローグ中隊の隊員に抜擢される。パイロットとしても優秀な資質を開花させたナワラは同じローグ中隊の女性パイロット、リザティ・イーナと恋するようになり、コルサント解放作戦では中隊の一部を率いて出撃するようにもなった。その一方で、彼には法律家としての知識や経験によって仲間を助ける場面も多い。ギャヴィン・ダークライターが背信容疑でエイリアン連合の裁判に掛けられたときには、持ち前の雄弁さで彼を弁護し、死刑を回避させることに成功したのだった。
コルサントに潜入したナワラは人間以外のエイリアン種族を死に至らしめるクライトス・ウイルスに感染したが、即座にバクタ治療を行ったため、この恐ろしいウイルスを克服することができた。その後、彼はバクタに混入することで治療効果を向上させることのできるコール・ライルを入手するため、ウェッジと共にライロスへと向かう。同様に、彼はコラン殺害の嫌疑を掛けられたタイコ・ソークーの裁判で、彼の弁護人を務めていた。ナワラにはボーレイアスの戦いでタイコに命を救われた経験があり、彼はこの弁護を恩返しであると考えていたのである。そのため、ナワラは協力を申し出たアイエラ・ウェジリと共に膨大な資料を用意するが、それでも無実を立証することは困難な状況だった。
裁判の状況を一変させる要素を携えた元帝国軍情報部員カータン・ルーアが反乱同盟軍側に接触を求めてきたのは、ナワラがライロスからコルサントへ戻ってきたときのことである。ルーアはイセイン・アイサードから逃れて自由を手にすることと引き換えに、ローグ中隊内部に潜入したスパイを含む、コルサントに残留している全ての帝国軍スパイの情報を提供すると申し出た。ナワラはこの取引きの内容を新共和国暫定評議会に提供し、アイエラと共にインペリアル・シティ内部でルーアと面会した。だが、検察官の階層でターボリフトを降りたとき、彼らは謎の暴漢による襲撃を受けたのだった。犯人はアイエラの夫ディリク・ウェジリである。彼は投降者をエヴァー・デリコート将軍と勘違いし、かつて自分を奴隷としてこき使っていた復讐を果たそうとしたのだ。この惨劇でナワラは尻を撃たれて負傷し、ルーアは致命傷を受けて証言を封じられてしまう。そしてディリクも、そうとは知らず反射的に応戦したアイエラによって射殺されてしまうのだった。
やがてナワラは怪我を克服してローグ中隊に復帰した。しかし、バクタ戦争の最中、彼のXウィングは裏切り者のエリジ・ドラリットによってタイフェラで撃墜されてしまう。彼は機体が爆発する直前に緊急脱出に成功したが、真空スーツが榴散弾によって破損したため、再び体に大きな損傷を被ることになる。こうしてナワラはこれ以上の飛行を断念し、ローグ中隊の行政官になることを決心したのである。そして、彼はトゥイレックのディア・パシックとの関係を進展させようとしたが、彼女はナワラが未だに多くの点でライロスに忠誠を維持していることを快く思っておらず、彼との距離を置いたままだった。その後、ナワラは<エラント・ヴェンチャー>に乗り込み、ブースター・テリックの下での仕事を開始した。彼は法律と会計の知識を駆使し、この移動基地をいつでも商売可能な状態に維持していたのだ。