アラク・ベサディ・アオラ
(偉大なアラクから転送)
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経歴
アラク・ベサディ・アオラ(通称、偉大なアラク)は、ハットのベサディ氏族の犯罪王にして、カジディクの長である。イリーシアに巡礼者を勧誘し、トランダ・ティルの歓喜に取り付かれた人々にスパイス精錬作業を行わせるという計画を立案したのは、このアラクだった。それまでの経済的努力と同様に、アラクはこの事業でも素晴らしい成功を収め、ついにはナル・ハッタで最も裕福なハットの1人、そして銀河系全体でも最も富める人物の1人となったのだった。
アラクはナー・シャダーに酒場を所有しており、その主要な常連客の中には、元ジェダイ・ナイトのクインラン・ヴォスも含まれていた。そして、アラクは最高の顧客を厳重に保護しており、この酒場で外界人を見かけることは極めて稀だった。たとえば、ヴォスを連れ戻すためにエージェン・コーラーが現れたときも、ハットは一時的な乱闘の後、このジェダイ・マスターを無理矢理立ち去らせていた。アラクはわざとふざけた振る舞いをし、愛想の良い態度を見せようと努めていたのだ。
アラクの富と権力によって、イリーシアの事業はジリアク・デシリジク・ティオン、ジャバ・デシリジク・ティウレの嫉妬の的となった。事実、水面下では氏族間抗争がエスカレートしていたとき、イリーシアの事業こそがその火種となっていたのである。両氏族間では海賊行為が日常的に行われるようになり、やがて対立は致命的なものとなる。そして、ナル・ハッタで開かれたハット大評議会で、ジャバはベサディに対し、イリーシアからの富を蓄えるだけでなく、ナー・シャダーの戦いにおいて勝利を得るための賄賂に使うべきだと訴えた。ベサディは面子を汚され、デシリジクが優位に立ったのである。
このとき、アラクはイリーシアから入手していたナラ=ツリー・フロッグの中毒者となっていた。彼の甥、キビクがその好物を勧めたのである。しかし、アラクは(そしておそらくはキビクも)、イリーシアで働くトランダ・ティルの最高位司祭テロエンザが、アラク抹殺のためにジリアクと取引していることを知らなかった。テロエンザはナラ=ツリー・フロッグを通じた入念な方法でアラクに遅効性の毒を摂取させており、その後、毒の混入を止めることで、アラクに致命的な脳内出血を起こさせ、絶命させたのである。
アラクの息子ダーガ・ベサディ・タイは、父の急死に絶望し、即座に暗殺を疑った。彼はブラック・サンの協力によってベサディの長としての地位を固めると、アラクの遺体をコルサントへ送り、最高の帝国法医学者たちに父の死因を調査させる。その過程でもダーガはブラック・サンとの関係を強め、ついにテロエンザがアラクを裏切ったという事実を突き止めたのだった。そして、ダーガは生前アラクが何度も反対していたにも関わらず、プリンス・シーゾーと契約を交わし、ブラック・サンの影響下に加わることを決断した。そして、ダーガの主導のもと、ベサディはこれまでと大きく異なる組織へと発展していった。やがて、ジャバの死から10年後、ダーガは大きな力を手にすることになる。