<インヴィジブル・ハンド>
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<インヴィジブル・ハンド>はクローン大戦中、グリーヴァス将軍の旗艦として使用された改良型プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーである。
この船はドロイド軍最高司令官の旗艦であると同時に、独立星系連合の旗艦でもあった。ヤヴィンの戦いの19年前、クローン大戦が最高潮に達するなか、<インヴィジブル・ハンド>は銀河系で最も恐ろしい船の1つと見なされていたのだ。
歴史
クローン大戦終盤に行われた分離主義勢力によるコルサントへの電光石火の奇襲は、パルパティーン最高議長の誘拐という成果をもたらした。この攻撃の先陣を切ったのは、グリーヴァス将軍の指揮する大型戦艦<インヴィジブル・ハンド>である。独立星系連合の上層に位置する指導者たち、すなわちグリーヴァスとドゥークー伯爵の本拠地として使用されたこのクルーザーは、分離主義艦隊の事実上の旗艦でもあったのだ。
<インヴィジブル・ハンド>は当初、ヌート・ガンレイとその顧問たちの乗艦として就航した戦艦だった。しかし、ダース・シディアスがグリーヴァスに分離主義軍の全権を与えると、ガンレイは恐怖に震え上がり、将軍にこの艦とニモイディアンの航法士や砲手などの乗員たちを差し出すことを強いられたのだった。この艦の名誉艦長を務めるラシュロス・ドフィーンは、最も有力かつ裕福なニモイディアン・ファミリーの出身である。
<インヴィジブル・ハンド>の原型はプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーだが、グリーヴァスの旗艦として使用されるにあたって、いくつかの大きな改造が施されている。まず、宇宙戦闘機の母船、そして侵略艦としても十分に役立つよう、艦尾のリアクター・ベイが大幅に再整理され、広大なハンガー・ベイが確保された。その最終的な形状は、グリーヴァスの虚栄心を見事に反映したものとなっている。
円筒形に近い形状をした<インヴィジブル・ハンド>は、表面に無数の兵装が点在しており、その威力は敵艦船のシールドや装甲を貫通して引き裂くほどである。しかし、大きく重いキャノンは動きが遅すぎるため、戦艦の防衛網を容易に突破しうるジェダイ・スターファイターのような小さな標的にはほとんど無力であり、事実、艦内の広大なハンガー・ベイへの侵入を許してしまった。
<インヴィジブル・ハンド>の艦首は先端へ向かうほど細くなっており、艦橋は艦首の頂点に据えられたプラットフォームに位置していた。艦橋には巨大なパノラマ窓があり、その周囲をニモイディアンの艦長が陣取る大きな司令席が取り囲んでいた。また、この艦は通商連合の所有艦であるため、乗員の大半はニモイディアンと、彼らをサポートするバトル・ドロイドによって構成されていた。通常、グリーヴァス将軍はこの艦橋から命令を下していた。
船体後方には、船殻からヒレのような尖塔がそそり立っていた。この尖塔の内部はグリーヴァスの私室になっており、戦略ディスプレイ、ブリーフィング・テーブル、周辺の宇宙空間を広く見渡せる観測デッキなどを備えた中央司令センターとして機能した。また、当初この尖塔には通信およびセンサー・ポッドが取り付けられていたが、グリーヴァスはこれらを一連の広々とした区画へと改修し、後にこれらはドゥークー伯爵の私室として引き継がれた。ドゥークーはこの部屋を通信基地として利用し、絶えず移動を続ける分離主義者たちとの連絡をとっていたのである。
クローン大戦の初期におけるグリーヴァス将軍の最大の役割は、中立セクターに分離主義勢力のテリトリーを開拓することだった。戦前はドゥークー伯爵がそのカリスマと外交手腕によって、多くの惑星を分離主義へと導いていたが、戦争が勃発するともはやこのような繊細なやりとりは失われ、グリーヴァスが力によって惑星を奪い取っていったのだ。分離主義勢力の小艦隊を率いる<インヴィジブル・ハンド>は、瞬く間に遠方のアウター・リムや他の無防備な宙域で恐れられる存在となった。ウィーメル・セクターに恐怖のレオドアヴィアン脳の疫を放ったのも、惑星ハンバリーンに徹底的な爆撃を行ったのも、連合軍によるデュロ征服の際の攻撃を先導したのも、この<インヴィジブル・ハンド>である。また、<インヴィジブル・ハンド>の名が恐怖とともに知れわたると、狡猾な分離主義者たちはこの悪名を利用し、<ルーシッド・ヴォイス>や<コリコイド・スウォーム>などを<インヴィジブル・ハンド>の影武者として派遣することで、共和国の惑星に恐怖と混乱をもたらしたのだった。
デュロが陥落すると、連合軍は艦隊と戦力をコレリアに移動させ、グリーヴァスがコアへと向かう論理的な足がかりを築き上げた。そのため共和国は航路の防衛力を増強させたが、実際にはそれは陽動作戦だったのだ。どういうわけか、ダース・シディアスは共和国とジェダイの最高機密にも精通しており、銀河系の不安定なディープ・コアを縫って進む航路を入手していたのである。分離主義勢力の艦隊はこの非現実的な航路を使って星の密集した銀河系の最深部を慎重に進み、比較的無防備に近かったコルサントの側面への奇襲を開始したのだった。
コルサントの戦いにおける混沌と混乱は、共和国グランド・アーミーの複雑な指示系統を完全に麻痺させた。グリーヴァスはその間に地上へと降り立ち、ドロイド軍が共和国グランド・アーミーの陽動を行う間にパルパティーン議長の誘拐に成功する。だが、グリーヴァスの旗艦は上空で共和国艦隊の待ち伏せを受けており、コルサントからの脱出を阻まれていた。さらに、共和国のヴェネター級スター・デストロイヤー<ガーレイラ>による至近距離からの連続攻撃は、議長を軟禁した<インヴィジブル・ハンド>に致命的な損傷を与えることになる。2人の勇敢なジェダイの英雄、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービがパルパティーン救出のため艦内に侵入してからも、<ガーレイラ>による攻撃は執拗に続けられ、制御を失った<インヴィジブル・ハンド>は目下の惑星の重力に完全に捕らえられてしまったのだ。
グリーヴァスは旗艦を捨てて脱出ポッドで逃走したが、2人のジェダイとパルパティーンに、墜落していく艦からの脱出方法は残されていなかった。やがて、<インヴィジブル・ハンド>の船体は重力疲労によって2つに引き裂かれ、コルサントの地表へと加速し始める。だが、アナキンは驚異的な操縦技術でなんとか体勢を整え、艦をコルサントの工業地帯にある無人の滑走路へと不時着させた。スカイウォーカー、ケノービ、そしてパルパティーンは、この危険な着陸を辛うじて生き延びたが、<インヴィジブル・ハンド>は艦橋を残して完全に崩壊したのだった。