<シルヴァー・スピーダー>
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<シルヴァー・スピーダー>は、銀河帝国の初期の時代に賞金稼ぎボバ・フェットが所有していたジップ・プロダクト・コンセプト・リミテッド社製X-Xランドスピーダーである。フェットは惑星リウィドゥでイオトランの獲物を捕らえた後、このスピーダーを手に入れ、標的を攻撃できるようにレーザー・キャノン、磁気ハープーン、震動ノコギリなどの武器を装備させたのだった。ヤヴィンの戦いの15年前、若きスピーダー・レーサーのソール・ジョーベンとジョード・ダサット、そして彼らの友人ケイ・モールを捕えるため、アヌー=ダットの犯罪王サイス・フロムによって雇われたフェットは、ジョーベンのスピーダー<ホワイト・ウィッチ>を追ってブーンタ・スピーダー・レースに参加した。彼はこのレースの中でジョーベンを執拗に攻撃するが、彼はフロムの息子ティグが<ホワイト・ウィッチ>にサーマル・デトネーターを仕掛けていたことを知らなかった。このとき、磁気ビームによる攻撃でデトネーターが外れ、偶然にも<シルヴァー・スピーダー>に取り付いてしまったのである。フェットは間一髪で脱出すことができたが、<シルヴァー・スピーダー>は大破したのだった。
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特徴
改良型ジップ・プロダクト・コンセプト・リミテッド社製X-Xランドスピーダー<シルヴァー・スピーダー>は、最高時速390キロメートル、最高高度は地上から3メートルにまで到達可能な、光沢のある強力なランドスピーダーである。全長3.7メートルのこのスピーダーは、角ばった四角い機体の左右両側が斜めに傾斜しており、後方に設置されたエンジンの上には大型スポイラーが取り付けられていた。<シルヴァー・スピーダー>はボバ・フェットの手に渡った後、目立たぬように、その名に反して灰色と緑色に塗装されたのだった。
密閉型コクピットにはパイロット1人に加えて乗客も1人乗せることができた。パイロットは前面の大きな窓と左右の小さな窓を通じて機体の外を見ることが可能である。このスピーダーはコクピット内の操縦桿によって制御することができ、ダッシュボードにも武器システムやモニター・スクリーンなどの各種制御装置が並んでいた。さらに、<シルヴァー・スピーダー>には10キロの貨物を載せるスペースがあった。
フェットは<シルヴァー・スピーダー>にいくつかの特殊な部品を組み込んでいた。前側面の黄色い突起の部分には1対の磁気ハープーン・ビームが搭載されており、10メートル以内の距離にいる同サイズのスピーダーに固定させることができた。また、これらの上には射程距離20メートルの1対のレーザー・キャノンとグラップリング・ケーブル発射装置も装備されていた。さらに機体の前部と両側面には震動ノコギリも装備されており、1メートル以内にいる標的を攻撃することができた。
歴史
当初、この標準型ジップ・X-Xランドスピーダー<シルヴァー・スピーダー>は、あるイオトラン女性の持ち物だった。だがヤヴィンの戦いの22から15年前のあるとき、賞金稼ぎボバ・フェットがこのイオトランを捕えるために雇われることになる。やがて惑星リウィドゥで獲物を発見したフェットは、彼女の強力な<シルヴァー・スピーダー>に手こずらされ、厳しい追跡の末にようやく彼女を捕えたのだった。このとき、このスピーダーの性能に感心したフェットは、<シルヴァー・スピーダー>を自分のものとしたのである。フェットはこのランドスピーダーを目立たないように塗装し直し、仕事に役立つ武器をはじめとした特殊なパーツを取り付けたのだった。
ヤヴィンの戦いの15年前、フェットは犯罪組織フロム・ギャングの首領サイス・フロムから、アヌー・レジスタンスのメンバーであるケイ・モールと、その友人であるスピーダー・レーサー、ソール・ジョーベンとジョード・ダサットを捕えるために雇われた。彼らはその直前にフロムの衛星型兵器<トライゴン・ワン>と惑星アヌーのサイスの要塞を破壊していたため、サイス・フロムはその復讐を求めていたのである。フロムの首には彼のライバル、ジャバ・ザ・ハットから賞金が掛けられていたが、フェットはこのアヌー=ダットの犯罪王に好意的な借りがあったため、この仕事を請け負ったのだった。フェットは<シルヴァー・スピーダー>で惑星ブーンタへ向かう。そこではジョーベンとダサットが彼らのレーシング・スピーダー<ホワイト・ウィッチ>でブーンタ・スピーダー・レースに出場することになっていた。だが、彼らを捕えようとした最初の試みは失敗に終わってしまう。フェットのBLシリーズ・バトル・リージョネア、BL-17がジョーベンを罠へと誘導したが、ジャンク・ドロイドのプロト・ワンの介入によって、ジョーベンは<ホワイト・スピーダー>で逃走してしまったのである。
フェットは<シルヴァー・スピーダー>で追跡を行い、ジョーベンがブーンタ・スピーダー・レースに向かっているときも、構うことなく<ホワイト・ウィッチ>を追った。賞金稼ぎはレース中もジョーベンを攻撃するが、彼は、サイス・フロムの息子ティグが<ホワイト・ウィッチ>にサーマル・デトネーターを取り付けており、最終ラップとなる10周目で爆発するように設定していたことを知らなかった。フェットは<ホワイト・ウィッチ>を破壊しようとし、<シルヴァー・スピーダー>で体当たりを行う。そしてそれが失敗すると、彼はグラップリング・ケーブルを使って<ホワイト・ウィッチ>を自分のスピーダーに拘束したのだった。しかし、ジョーベンの副操縦士のR2シリーズ・アストロメク・ドロイド、R2-D2がケーブルを切断し、ジョーベンを解放する。すると、フェットはレーザー・キャノンで<ホワイト・ウィッチ>を撃ち、機体に穴をあけられたスピーダーは煙を噴きだした。だが、R2-D2が損傷個所を塞いだため、ジョーベンは辛うじて制御を取り戻すことができたのである。やがてレースが終盤に近付くと、フェットはもう一度ジョーベンをリタイヤさせようとし、<ホワイト・ウィッチ>を捕えるために<シルヴァー・スピーダー>の磁気ビームを使用した。だが、磁気ビームは意図せずして<ホワイト・ウィッチ>からサーマル・デトネーターを外してしまい、それが<シルヴァー・スピーダー>に付着する。フェットはジェットパックで<シルヴァー・スピーダー>から逃れたが、その直後、ジョーベンに次いで2着でゴールした瞬間に、スピーダーは大爆発を起こしたのだった。ティグ・フロムの妨害によって<シルヴァー・スピーダー>を失ったことに激怒したフェットは、レース後にサイスとティグの2人を捕え、ジャバ・ザ・ハットのもとへ引き渡したのである。