<ホワイト・ウィッチ>
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<ホワイト・ウィッチ>は、新秩序の初期の時代にソール・ジョーベンとジョード・ダサットの人気レーシング・チームによって大幅に改造されたモブクエット社製C/L-82ランドスピーダーである。ダサットがフロム・ギャングによって誘拐された後、<ホワイト・ウィッチ>はジョーベンとR2-D2によって若きメカニックを救出するために使用されたのだった。ヤヴィンの戦いの15年前、最終的にチームは惑星ブーンタへ向かい、<ホワイト・ウィッチ>でブーンタ・スピーダー・レースに出場することになる。しかし、復讐に燃えるティグ・フロムが<ホワイト・ウィッチ>にサーマル・デトネーターを仕掛けていたため、このレースは死の危険に満ちた戦いとなった。だがジョーベンにとって幸運なことに、サーマル・デトネーターはこのレースで<ホワイト・ウィッチ>を追っていたボバ・フェットの<シルヴァー・スピーダー>によって取り除かれ、ジョーベンとR2-D2は優勝を果たしたのである。この勝利によって注目を集めたレーサーたちは、ゼビュロン・ダク・スピーダー社での仕事を得たのだった。
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特徴
クローン大戦の直前のころ、モブクエット社製のC/L-82ランドスピーダーはコア・ワールドで人気の高い機種だった。ヤヴィンの戦いの18年前ごろまでにはC/L-82の人気も陰りを見せていたが、アウター・リムの10代の若者たちの間では、その信頼性の高さとメンテナンスの容易さから依然として人気を集めていたのである。ソール・ジョーベンとジョード・ダサットの若きレーシング・チームにとっても、C/L-82はまさに理想的な機種だった。2人はこのランドスピーダーのシステムを徹底的に精査し、パフォーマンスを改善するためにいくつかの改良を施したのだった。
こうして完成した<ホワイト・ウィッチ>はその名の通り白く塗装され、全長3.5メートルの機体は時速380キロメートルで疾走することができた。さらに、ダサットによってジョイホッパー・システムが搭載された結果、このスピーダーは短時間であれば平均的なスピーダーをはるかに凌駕する高度で走行し、最高高度4メートルにまで達することができたのである。また、このスピーダーは急カーブを曲がるために機体を傾けることも可能だった。
このスピーダーのコクピットには2人分のスペースがあり、さらにパイロットの後方に1人の乗客を乗せることができた。また、ドライバーと乗客の座席にはそれぞれシートベルトが取り付けられていた。コクピット後方のエンジン部には、パイロットがコクピットの操縦桿を使用する際に機体の制御を支援するアストロメク・ドロイド用のソケットもあった。ダッシュボードにはアストロメク・ドロイドからのデータを表示するために使用されるモニターがあり、その周辺にも他の様々な計器類が設置されていた。さらに、パイロットの後ろにももう1つのモニターといくつかの制御装置があり、これらは後方の乗客用シートから使用することができた。その一方で、このスピーダーの貨物スペースは限られており、およそ15キロの荷物しか運ぶことができなかった。
歴史
製造
C/L-82ランドスピーダーを原型とする<ホワイト・ウィッチ>は、ソール・ジョーベンとジョード・ダサットの所有物となった。彼らが営む惑星インゴのスピーダー・ショップで、2人は自分たちにとって初めてのメジャー大会となるブーンタ・スピーダー・レースへの出場を目指し、このスピーダーの改造に着手したのだった。彼らは優れたレース用ランドスピーダーを作り上げようと努力する。そして、3年以上の歳月をかけてダサットがメカニックとして働き、ジョーベンの設計をこのスピーダーに実装していったのだった。
やがて<ホワイト・ウィッチ>は完成に近づいたが、彼らには重要な部品が1つ不足していた。ドライバーを支援するアストロメク・ドロイドがなかったのだ。だが幸運なことに、ジョーベンとダサットはインゴのヴァジ砂漠でレースを行っていたとき、2体のドロイド、R2-D2とC-3POに遭遇したのである。このドロイドたちは違法な積荷を持って当局から逃れようとした前オーナー、密輸業者のザヴェル・ホーティーンによって捨てられた直後だった。R2-D2は彼らが求める役割に理想的な存在だったため、2人の若きレーサーはこのドロイドたちの新しい主人となったのである。
フロム・ギャング
スピーダー・ショップへ戻る途中、ジョーベンとダサットは偶然にも、フロム・ギャングの幹部にしてサイス・フロムの息子、ティグ・フロムの秘密基地周辺の立ち入り禁止区域に入ってしまった。彼らは歩哨ドロイドに追われるが、アヌー・レジスタンスのメンバーの1人、ケイ・モールの助けを得て逃走することができた。彼女は、フロムが<トライゴン・ワン>と呼ばれる強力な衛星型兵器を建造中であるという報告を受け、調査を行っていたのである。しかしレーサーたちは、この秘密基地の詳細情報がライバル組織の手に渡ることを恐れたフロム・ギャングから、敵と見なさることになったのだった。
スピーダー・ショップに戻ったレーサーたちは、翌朝に<ホワイト・ウィッチ>とR2-D2のテスト走行を計画していた。だが、ジョーベンとドロイドたちが夜間に店を出た直後、ティグ・フロムによって送り込まれたマッスル・ドロイドによってダサットが囚われてしまう。店に戻ったジョーベンは、モールからダサットの身に起こったことを聞かされたのだった。するとそこへさらに多くのマッスル・ドロイドが現れ、すかさず彼らを襲撃した。ドロイドたちはジョーベンの脱出を阻止するためにスピーダーを破壊するが、モールとR2-D2は素早く<ホワイト・ウィッチ>を起動し、彼らは逃走することができたのだった。
<ホワイト・ウィッチ>に乗ったジョーベン、モール、ドロイドたちは、フロムの基地の入口に到達することができた。モールとC-3POの誘導に従い、ジョーベンとR2-D2は<ホワイト・ウィッチ>で基地のサービス・チューブ・ネットワークに侵入すると、シャフトを登ってダサットを救出することができた。そして2人はモールとC-3POを拾い、出口へと向かったのである。ティグ・フロムは彼らの逃走を阻止するために歩哨ドロイドに攻撃を命じるが、それらは停止させられてしまい、次いて彼はドロイド・クルーザーに外での待ち伏せを命じたのだった。だが、C-3POが保安システムを使って歩哨ドロイドを再起動させることに成功し、ドロイドの2つのグループが互いに攻撃し合うことになる。その間に<ホワイト・ウィッチ>はリパルサー・ボールをかわし、逃走することができたのだった。
また、この出来事は思わぬ報酬をもたらした。ジョーベンとダサットは<ホワイト・ウィッチ>をレースのためにブーンタへ運ぶ手段を長い間探していたが、ケイ・モールが彼女の宇宙船<サンド・スロース>でスピーダーを運ぶことについて承諾してくれたのである。
だが、この旅は楽には進まなかった。船のハイパードライブが故障し、彼らは修理のためアヌーに立ち寄ることになる。一方でフロム・ギャングのスパイが、彼らがアヌーにいることをサイス・フロムに報告していた。この犯罪王は自らの手で彼らを始末しようと誓っていたのである。だが、宇宙港で彼らを捕えようという試みは、R2-D2が起こした騒動によって失敗に終わり、彼らは再び<ホワイト・ウィッチ>で逃走することができた。彼らはモールの母、デマ・モールの所有する農場へ向かい、そこに滞在する間、<ホワイト・ウィッチ>を隠したのである。
ブーンタへの到着
若きレーサーたちはブーンタへの旅を一時中断し、フロム・ギャングと戦うケイ・モールとデマを手助けすることに同意した。そしてアヌーで<トライゴン・ワン>とサイス・フロムの要塞を破壊した後、彼らはブーンタへの旅に戻ったのである。
C-3POとR2-D2がハイパースペースにジャンプする準備をしていたとき、フロムが復讐のため、残された最後の船でモールの宇宙船を攻撃してきた。フロムは<サンド・スロース>のエンジンを損傷させることに成功したが、同時に彼らの着陸用シャトル<ヴア・ヴァイパー>の武器も故障してしまい、スピーダー・レーサーたちは犯罪組織によって壊滅させられる前に逃走することができた。しかし、ブーンタに到着したとき、彼らの船はフロムの船に追いつかれ、惑星への不時着を余儀なくされる。<ホワイト・ウィッチ>も墜落時に船体から外れてしまったが、最小限の損傷で済んだ。しかし、レースでドライバーを務めることになっていたジョード・ダサットが腕を負傷してしまったため、ソール・ジョーベンが彼の代役を務めることになったのだった。
レーサーたちはレースの前にどこかで<ホワイト・ウィッチ>の修理を行う必要があった。このとき、C-3POがBL-17という名のドロイドと友人になり、彼の主人のガレージの利用を提案される。だがレーサーたちは、BL-17が復讐に燃えるサイス・フロムに雇われた賞金稼ぎ、ボバ・フェットのドロイドだということを知らなかった。モールが<ホワイト・ウィッチ>の修理を行っていたとき、BL-17は彼女を事故に見せかけてガスで窒息死させようとしたのである。しかし、彼女はR2-D2の助けによってこの窮地を脱することができたのだった。
BL-17は、<ホワイト・ウィッチ>をレース開始まで安全に保管するため、加工処理プラントへ運ぼうと提案する。だがこれは罠であり、待ち伏せしていたフェットがジョーベンとケイを襲ったのだった。さらにこの混乱のなか、ティグ・フロムと彼のボディガードのヴリックス・オンカードがジョーベンのスピーダーにサーマル・デトネーターを設置し、レース終盤の10周目で爆発するように設定していたのである。そしてついにレースが開始された。ジョーベンは<ホワイト・ウィッチ>を使ってフェットを他の参加者から引き離し、<シルヴァー・スピーダー>で彼を追うフェットと共に直進した。このとき、彼らがブーンタで出会ったドロイド・レーサー、プロト・ワンが、加工処理場でフロムを目撃していたことをモールに報告したである。
ブーンタ・スピーダー・レース
ティグ・フロムがブーンタ・スピーダー・レースへ直行すると、そこでは彼の家族が不運な持ち主からプライベート・ボックスを奪い取っていた。続いてモールが競技場へ到着したが、<ホワイト・ウィッチ>は既にレースに参加していた。もはやジョーベンに警告を伝える方法はなく、フロムの計画はうまく実現すると思われた。だが、ジョーベンを追い、レースの中で執拗に彼を攻撃していたボバ・フェットも、サーマル・デトネーターに気付いていなかったのである。
フェットは<ホワイト・ウィッチ>を減速させるため、ケーブルを発射してジョーベンのスピーダーと自分の<シルヴァー・スピーダー>を接続させた。だが、R2-D2がケーブルを切断し、<ホワイト・ウィッチ>を解放される。次にフェットはブラスターで<ホワイト・ウィッチ>を撃ち、ダメージを受けたスピーダーは煙を噴いたが、R2-D2が応急処置を行い、彼らはレースを続行することができた。そして、ジョーベンが前のポジションを維持し続けたため、フェットも彼をマークし続け、磁気ビームで再び攻撃を行った。すると、フェットの攻撃によって<ホワイト・ウィッチ>からサーマル・デトネーターが外れ、フェットのスピーダーに落下して取り付いたのだった。フェットは間一髪で脱出したが、スピーダーは完全に破壊されてしまった。こうしてレースはジョーベンの優勝によって幕を閉じたのである。
レース後、ジョーベンが友人たちから祝福を受けていると、彼らの前にゼビュロン・ダク・スピーダー社のオーナー、ゼビュロン・ダクが姿を現した。<ホワイト・ウィッチ>のレースに感銘を受けたダクは、ジョーベンとダサットに正規社員としてスピーダーの設計および開発の仕事を与えたいと申し出たのである。2人の若きレーサーは躊躇うことなくこの申し出を受けたのだった。