エリーナ・ダルー
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エリーナ・ダルーは、銀河大戦時にシス卿ダース・マルガスの恋人だったルーシアン・トゥイレックの女性である。当初、彼女はジオノーシスの収容所に入れられていた奴隷だったが、ダース・マルガスによって救われたのだった。ヤヴィンの戦いの3,653年前、彼女はコルサントの略奪におけるジェダイ聖堂への攻撃に加わった。密かに侵入していたシェイ・ヴィズラを除けば、多数のシスを運んで聖堂の正門に激突したシャトルより前に、ダース・マルガスを補佐したのはエリーナだけである。だがこの戦いの中で、彼女はジェダイ・マスター・ヴェン・ザロウのフォースによって柱に叩きつけられ、動けなくなったのだった。
彼女が負傷から回復した後、マルガスは彼女に、自分が殺した人物と略奪した装備品のリストを可能な限り多く集め、それを彼の宇宙船<ヴァロア>へ持ち帰るよう命じた。だがコルサントのリストン宇宙港で、彼女はヴェン・ザロウの弟子だった復讐に燃えるジェダイ・ナイト、エイリン・リニアに襲われる。しかしリニアは彼女を助け、マルガスとの激しい戦いの後、エリーナを見逃したことから、リニアもまたマルガスによって命を助けられたのだった。そして情熱的かつ感情的な会話を交わした後、マルガスはエリーナを殺害する。彼にとって彼女の存在こそが最大の弱点であり、このときそれを利用され得ることが分かったのだ。だが、この死によってダース・マルガスは感情的に引き裂かれ、絶えず彼女のことを思い出すたびに怒りを増大させるようになった。エリーナは死ぬことによってマルガスの最も大きなの力となったのである。
目次 |
経歴
コルサントの攻撃
ヤヴィンの戦いの3,681年前、1,000年前に滅びたと信じられていたシス帝国が静寂を破って突如復活し、銀河共和国に対する攻撃を開始した。そして戦争の勃発から28年後、シス軍は共和国と接触し、この戦争を平和的に終結させるための交渉を求めてきた。だが、和平協定を締結させるため双方の代表団が惑星オルデランで会合を開いていたとき、シスは共和国首都コルサントへの奇襲を行い、共和国に屈辱的なコルサント協定への調印を迫ったのである。
ジェダイ聖堂の戦い
シャトルに乗ったシスの戦士たちがコルサントを襲う準備をしていたとき、エリーナとダース・マルガスは、シェイ・ヴィズラが任務を終えるまで、コルサントを見物していた。この間、彼女は2人の将来について恋人と他愛のない会話を交わし、死ぬまでマルガスと共に戦い続けることになっても決して動じないと語ったのだった。彼女は落ち着いた暮らしを求めていたが、マルガスはシス帝国への忠誠がそれを不可能にしていることをはっきりさせ、自分たちは常にマスターとその従者だと告げたのである。エリーナは、マルガスが自分を召使いのように扱ったことは一度もないと言い返した。彼女は自分たちがより深い、そしておそらくは初めて出会ったときよりも親密な関係にあると考えていたのだ。だがマルガスはそれに対して何も感じず、彼女は従者以外の何者でもないと言い捨てたのである。彼女はこれに腹を立て、マルガスから顔をそむけると、誰よりも彼のことをよく知っていること、そしてサティール・シャンとの戦いで重傷を負った彼を手厚く看護したこと、そして彼女が発展、成熟、葛藤のすべてをぶつけても、マルガスは全く意に介さず、これらの言葉場を信じなかったことを挙げて反論した。このとき、マルガスは彼女の美しさに胸を打たれ、情熱的なキスを交わすと、互いに微笑みあったのだった。
やがてシェイ・ヴィズラとアドラス卿が各自の任務を終えると、エリーナとマルガスは衛兵を虐殺してジェダイ聖堂へと乗り込んだ。そしてシャトルがジェダイ聖堂に激突し、その中から多数のシスの戦士たちが姿を現したとき、戦いが始まったのである。最初の攻防の間、エリーナはマルガスと背中合わせになって戦い、続いて単独で戦った。そして、ダース・マルガスがジェダイ・マスター・ヴェン・ザロウと対峙すると、彼女はブラスターで恋人の援護を試みるが、これは致命的なミスとなってしまう。ジェダイ・マスターは彼女の放った2発の光弾をたやすく偏向させ、彼女の胸と肩に撃ち込んだのだった。さらにザロウはエリーナをフォースで押し飛ばし、彼女を柱に激突させる。だが、これに怒り狂ったマルガスはジェダイ・マスターを相手に優位に戦いを進め、ついにザロウを殺害したのだった。
シスはすべてのジェダイを抹殺し、コルサントの略奪が始まった。そしてジェダイ聖堂での戦いの後、部下たちとアドラス卿が監視するなか、マルガスはエリーナの様子を調べにいった。彼女は肌に黒い2つの焦げ跡が付けていたが、骨折もなく、まだ生きていたのである。マルガスが彼女を起こすと、エリーナは彼がまだシスになる前の名、ヴァラダンを呼んだ。だが、これは彼女に禁じられた数少ない行為の1つだったのだ。マルガスが怒りで拳を握りしめると、彼女は青ざめ、その拳を凝視する。だが、彼女が自分の過ちに気付いたため、マルガスは怒りを鎮めたのだった。その後、アドラス卿を前にして、マルガスは彼女を乱暴に運んできた。エリーナは足に重傷を負っており、マルガスに体を預けなければ、その激痛によって立っていることさえできなかったのだ。彼は敢えてそれを許し、それこそが彼女への思いやりの一例だったのである。しかし、彼女は敢えて無欲を示し、マルガスに1人で惑星の破壊を楽しませに行かせたのだった。当初、エリーナは傷の手当てを受けることを拒んだが、マルガスは有無を言わせず治療を受けさせた。その後、彼女は帝国の医療トランスポートから帝国の医療船<ステッドファスト>へと移される。彼女はそこで治療を受け、マルガスが様子を見るために戻ってくるのを待っていたのだった。
最期
コルサントの民間病院で回復したエリーナは、マルガスにまだ善の心が残っていると信じていた。2人は議論を交わし、彼女はマルガスに愛を告白する。だがこのとき、マルガスはライトセイバーで彼女の心臓を斬り裂き、その命を奪ったのだった。彼女の遺体を見下ろしたマルガスは、彼女こそが自分の弱点だったことに気付いたのである。
人物と特徴
エリーナ・ダルーはシス卿ダース・マルガスの恋人だった。そして、彼女はマルガスを本当に愛した唯一の人物だったのだ。エリーナはまったく見ず知らずのジェダイ・ナイト・エイリン・リニアにもこの事実を認め、自分の愛を一切恥じていないと告げたのである。だが、彼女はマルガスが他者を傷つけ、その中には彼が愛した者たちも含まれていることを知っていた。そのため彼女もまた、肉体的にではなく感情的にではあったが、傷ついていたのだった。
エリーナは心が強く、少なくとも自分の死に関しては恐れを抱いていなかったが、それでも二度にわたって肉体的な暴力と死への恐怖を見せたことがあった。一度目は、彼女が他のシスの前でマルガスを生まれたときの本当の名前、ヴァラダンで呼び、彼を怒らせたときのことである。二度目は、帝国軍シャトルの中で武装を解かれたジェダイ・ナイト・エイリン・リニアがマスター・ヴェン・ザロウのライトセイバーを起動したときであり、このとき彼女は死を覚悟した。また彼女は、特にマルガスに対しては極めて忠実であり、コルサントの略奪の際には数の上で圧倒的に不利な戦いにも同行したのである。さらに彼女はコルサントの略奪後も、マルガスから特別な任務を与えられ、それを実行した。マルガスが彼女をコルサントの民間病院から連れ去った後、彼の怒りに対峙したエリーナは感情的な勇気を示した。彼女はマルガスをヴェラダンと呼び、さらに彼には自分を看護してくれた優しさがあると告げたのだった。
エリーナは、マルガスが自分を愛していることを知っていると訴えたが、その直後にマルガス自身の手によって殺害されてしまう。このときマルガスは、実際に彼女を愛している告げたのだった。この言葉はエリーナを喜ばせたが、彼女の表情は直ちに不安へと変わった。このとき彼女は人生で初めて、そしてマルガスにとってもおそらく初めて、彼の顔に涙が流れるところを見たのである。それ以外に彼女がマルガスからこのような感情を引き出したのは、彼を怒らせたときだけだった。彼女は手を伸ばし、彼の頬に触れた。彼女が何が問題なのかと尋ねると、マルガスは感情のこもった痛烈な声で、エリーナを愛していることが元凶だと返した。そして彼女が優しくやわらかな声で彼の名を呼んだとき、マルガスはライトセイバーで彼女の心臓を引き裂き、その命を奪ったのである。
エリーナはダース・マルガスを見て微笑むことのできる唯一の人物だった。だがその一方で、彼女は自分とマルガスとの関係にある種の不満を抱いていた。彼女は自分たちの関係をさらに前進させたいと願っていたが、マルガスは彼女が自分の道徳的な良心であり、弱さであり、そして自分に欠けている部分でもあることに気付いていたのだ。最終的にマルガスは自分の弱点を消し去るため、愛するエリーナを殺害した。さらに彼は彼女を、特に彼女の人生を憐れんでいたのである。エリーナは最初の主人に与えられたときから既に死を覚悟しており、初めからこの時が来ることを感じていたのだった。
装備
エリーナ・ダルーは密輸業者や帝国軍エージェントとよく似た軽装甲服を身に着けていた。さらに彼女は、コルサントの略奪でジェダイ聖堂を襲撃した際に、恋人ダース・マルガスと共に2丁のブラスター・ピストルで戦ったのだった。