ロボット
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ロボットは、惑星ベスピンのクラウド・シティでランド・カルリジアン執政官を手助けしていた主任補佐である。彼の脳は都市の中央コンピューターに接続されており、都市のコンピューター・ネットワークと直接交信を行うことができた。この能力を駆使して、彼はクラウド・シティで唯一かつ第一のコンピューター連絡員として働いていたのである。
目次 |
経歴
初期の人生
クラウド・シティ執政官の地位は都市の歴史を通じて幾度となく移り変わったが、執政官補佐の地位はそうではなかった。この雲の中に浮かぶ都市は、都市全体の動きを監視可能な単一のコンピューター・コアを中心にして建造されている。そのため、執政官はそれぞれのシステムを作動させるために必要となる何十人もの専門家に頼ることなく、個人で様々なシステムを監視することができるのだ。
しかし官僚には先端技術に疎い者が多く、都市の洗練されたコンピューター・システムの操作に悪戦苦闘する時代が何年も続いた。そして、彼らは中央コンピューターと執政官との連絡役となるコンピューター技師の必要性を唱え始めたのである。その人物はコンピューターと完全にリンクし、なおかつこの都市の執政官補佐も務めなければならない。該当者探しは困難を極めたが、意外なところで見つかることになる。そのときちょうどクラウド・シティで盗みを働き、有罪判決を受けたばかりの若い浮浪者だった。
彼の名はロボットといい、奴隷商人の息子として生まれたが、15歳のときに海賊団に両親を殺され、自分が奴隷となってしまった青年だった。彼はなんとか自力で脱出しクラウド・シティに逃れたが、生き延びるためには盗みをするしかなく、逮捕されたときには金も未来も希望も、一切持ち合わせていなかった。しかし、当時の執政官エレサ・シャレンスは、適切なチャンスさえ与えられれば、この若者は人生を大きく変える可能性を秘めていると考えていた。彼女は、ロボットは長い獄中生活を過ごすのではなく、新しいコンピューターとの連絡役となるサイボーグとしてクラウド・シティで働くべきだと主張した。もちろん、そのためにはロボットにも一連のサイボーグ手術が必要とされ、都市の中央コンピューターと直接通信できる高度なボーグ・コンストラクトAj^6が後頭部に取り付けられたのである。
ランドの補佐
ロボットの潜在能力が全開に発揮されるようになったのは、ランド・カルリジアンが執政官の地位に就いたときのことだった。ランドはロボットの特異な能力を、未だかつて誰もなしえなかった方法で利用したが、その大半は違法行為に関するものだった。
ランド・カルリジアンと共に働くようになったロボットは、ランドの素晴らしい機転と資質を見せ付けられていた。だが、ランドにとってロボットはむしろ冷静な存在として感じられていたのである。やがて2人は反乱同盟軍と帝国軍との戦いに巻き込まれるが、反乱軍への助力を薦めたのはロボットの方だった。
その後の人生
<ミレニアム・ファルコン>がクラウド・シティを脱出した後の報告によると、彼は都市のコンピューター担当者としてそのまま残留し、新執政官である帝国軍のトリース大尉の補佐を務めていたという。
ヤヴィンの戦いの5年後にゾーバ・サ・ハットが執政官となり、その4年後にスローン大提督によって都市が再び銀河帝国の支配下に置かれ、さらにその5年後に再生帝国の攻撃を受けたときも、ロボットは常にクラウド・シティで働き続けていた。そして少なくともヤヴィンの戦いの17年後には、彼は何年かの間、ついに執政官の座に就任している。このとき彼はランド・カルリジアンと共に、ジマー・アスキロンに出現したテルジコンの放浪船を調査する新共和国の任務に派遣されたのだった。この任務の中でロボットは重要な役割を果たし、この放浪船が太古の昔に絶滅したケラのものであること、そして彼らが氷河期を迎えた故郷の氷を溶かすために作り出した道具であることを突き止めた。彼がこの不可能と思える任務を遂行できたのは、サイボーグ・ヘッドギアを取り外し、それを放浪船の中央神経システムへ接続することで、船と交信することができたからである。
ヤヴィンの戦いの19年後、ロボットは再びランドとの冒険に出発する。彼はハン・ソロ、ランド、モウギッドと共にスパイとして帝国首都バスティオンに侵入し、不安定さを増す新共和国の動乱を抑えるべく、カーマス・ドキュメントのオリジナル・コピーを入手しようとしていた。このとき彼は神経移殖肢を通じてコンピューター・エキスパートであるモウギッドに操作され、帝国ライブラリへの侵入と調査を行っている。
そしてヤヴィンの戦いの23年後、ランド・カルリジアンはガス状巨星ヤヴィンから天然資源を採取するジェムダイバー・ステーションを設立した。忠実なロボットはこのステーションでもランドために働いたが、後に再びクラウド・シティに戻り、やがてユージャン・ヴォング大戦を迎えることになる。