ドージャ
| ||||||||||||||||||||||||||||
|
解説
ドージャ艦長は帝国軍のインペリアル級スター・デストロイヤー<リレントレス>の司令官である。彼はエンドアの戦い以前からこの艦の指揮を執っていたが、彼の艦はこの不名誉な戦いにおいて1人の犠牲者も出さなかったという名声を得ていた。もちろん、彼の用心深い指揮方針や、戦闘で敵と直接対峙するのを極力避けるというやり方が、結果としてエンドアにおける主要戦線から<リレントレス>を遠ざけていただけだという見方もあった。ドージャはこうした意見を苛々しげに払拭していたが、記録の上でも彼の用心深さは拭いきれなかった。事実、パルパティーン皇帝やダース・ヴェイダーが生きていたとした場合、彼のこうした後方戦略が賞賛として認められるかという点については疑問の声も多いだろう。
ドージャは帝国および旧共和国の伝統的に裕福な軍人家庭に生まれた。彼の父も、祖父も、さらに4世代遡るまで、全員が宇宙軍の将校だった。戦艦の司令官を務めていた先祖も複数おり、少なくともその1人は提督の地位にあったという。ドージャは家系の伝統を受け継ぎ、宇宙への召還、命令することの興奮、そして新秩序の主張を喜んで取り入れたのだった。
ドージャは下級将校であるギラッド・ペレオンが<キメラ>の艦長となって艦隊の指揮を執ると宣言したとき、彼に従うことを拒否しようと考えた。しかし、彼にはペレオンの状況判断力と撤退命令を無視することができなかった。ドージャはペレオンより年上だったが、その後も彼から権力を奪い取ることはますます困難になっていったのである。残存艦隊の司令官たちはペレオンを信頼し、彼に従う価値を見出していた。しかし、この5年の間には何度かドージャが帝国の覇権を掌握する機会もあったのだ。事実、スローン大提督の帰還の際にも、彼は行動を起こしかけていたのである。
ドージャはスローン大提督を嫌っていた。彼の帰還はドージャが権力を手にするという計画を行き詰まらせてしまったのだ。<リレントレス>がスローンの個人的な艦隊から外されたときも、彼はこの落ち度を自分に対する侮辱として受け止めていた。さらに、スローンは明らかに人間ではなかった。新秩序の教義に対する強い信念を持つドージャにとって、エイリアンが帝国の主導権を握ることなど到底考えられなかったのだ。しかし、スローンは皇帝やヴェイダーと同様に恐ろしい存在だったため、彼はスローンに対する嫌気を表面に出さないよう最善を尽くしていた。そして、ニュー・コヴでハン・ソロとルーク・スカイウォーカーを捕らえ損ねたときも、この手痛いミスを見過ごされることはなかった。そのため、彼は態度を低く保ち、自分の意見を隠し通したまま、自らの行動を起こす機会を伺うようになったのである。そのときこそ、新秩序(これは彼にとってあらゆる意味での真の栄光だった)が復活するのだと彼は確信していた。そして、彼はペレオンとスローンを排除し、帝国の頂点に立つつもりなのである。ドージャはこれこそが皇帝の望む真の姿であると信じているのだ。
やがて新共和国との一連の戦いによって帝国は再び敗退し、スローンもこの世を去った。だが、ドージャはその後の10年を生き延び、残存帝国軍でスター・デストロイヤーの指揮を執る13人の司令官の1人となっていた。彼はモフ・ディズラの命令によってモリシムでペレオン提督を妨害する任務を与えられたが、ディズラの計画の詳細までは知らされていなかった。この任務の説明を受けていたとき、彼はスローン大提督の突然の出現に仰天した。このスローンはディズラに雇われたペテン師フリムの変装した姿だったのだが、ドージャはその演技に完全に騙されたのだった。彼は命令どおりモリシムへ向かい、ガーム・ベル・イブリスと接触するべく出発したヴァーメル大佐のコルヴェットを拿捕したのである。