ヘット・ニック
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ジャワのヘット・ニックは、種族の精神に逆らう異端児だった。
経歴
若い頃、ヘット・ニックと同族の友人ジェック・ニックは偶然にも墜落した戦闘機を見つけた。それは破損がひどくほとんど使い物にならなかったが、2人は残骸の中からそれほど痛んでいないE5-22暗殺ドロイドを発見し、修理した。彼らはそのことを必死に隠そうとしたが、氏族長のウィマティーカに見破られてしまう。ドロイドの修復はほぼ完璧だったが、武装は取り付けられておらず、平和的に利用するための再プログラミングもされていなかった。ヘットとジェックがそのドロイドを披露したとき、ウィマティーカは外見上は激怒していたが、内心は彼らの無謀さにあきれていたのである。後にそのドロイドはウィフィッドのレディ・ヴァラリアンに売却された。
ヤヴィンの戦いと同じ年の夏、ヘットは大人として3度目になる年に一度の氏族集会に参加した。しかし、彼はまだサンドクローラーの数百人の仲間に畏怖の念を抱いており、楽しみといえば2年前に他の氏族に引き取られたジェックと再会することだけだった。ジェックを探していると、氏族長のウィマティーカが深刻な面持ちで他の氏族長と話し合っているのが見えた。あるジャワの砦がサンド・ピープルの襲撃を受け、ジェックたちのサンドクローラーも同じ危険にさらされているらしいのである。ヘットは長老たちに逃げてばかりいないでサンド・ピープルたちと戦うべきだと訴えたが、ウィマティーカにはただ謝ることしかできなかった。
怒りをあらわにしていたヘットはカック氏族のジャワに呼び止められた。彼の勇気に感心したカック族はブラステックDL-44ブラスター・ピストルを差し出した。これはジャワたちの間で使用が禁止されていた武器だったが、もはやそんなことは関係なかった。ヘットは格安で強力な武器を手に入れたのだ。
結局、ジェックたちのサンドクローラーは現れず、メッセージすら届かなかった。集会が終わると同時にヘットはサンドクローラーでジェックたちが通ったと思われる道を追跡し、ついに煙を上げる巨大なクローラーの残骸を発見した。彼は急いで近づいたが、そこには1人の老人と2体のドロイドが立っており、ジャワたちの死体を弔っているところだった。
オビ=ワン・ケノービはジャワの言葉ですべてを語り、ヘットは仲間を失った悲しみに明け暮れた。襲撃者はバンサの足跡とガッフィの杖を残していったが、プラスチールと潤滑油の匂いから、ヘットはこれが帝国軍のストームトルーパーの仕業であることを見抜いた。ケノービがさらに多くのジャワとサンド・ピープルが犠牲になるだろうと語ると、ヘットはジェックの敵を取るため帝国軍を求めてモス・アイズリーへと向かっていった。
ヘットはモス・アイズリーの酒場でリージェスクと名乗るラナットの商人と出会った。リージェスクは彼にバンサの角でできたタスケンの護符を提供してくれたが、その見返りは、ヘットのブラスター・ライフルを見せろと要求してきただけだった。ブラスターと護符を握り締めたヘットは夢を実現させるため、酒場を後にした。
難破宇宙船<ダワジャー・クイーン>に登ったヘットは、8人の小規模なストームトルーパー部隊を見つけた。もちろん攻撃すれば途端に殺されることは彼にも分かっていた。それでもヘットは、自分の名がタトゥイーンで最も偉大かつ勇敢なジャワとして歴史に残ればそれで本望だったのだ。敵が十分に近づいたとき、彼は宇宙船の残骸から飛び出して何度も引き金を引いた。しかし、ブラスターからは何も発射されず、そのときヘットはパワー・パックがラナットに盗まれていたことに気付いたのである。ストームトルーパーの1人は彼に狙いを付け、ヘットを一撃で残骸の後方へと吹き飛ばしたのだった。
結局、ヘット・ニックの思い描いていた伝説が実現することはなく、ジャワの臆病者のイメージがそのまま残ってしまったのである。