ブラキス
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解説
ルーク・スカイウォーカーは新世代のジェダイ・ナイトの育成を引き受けたが、オビ=ワン・ケノービの悲劇的な言葉は長期にわたって彼の頭から離れずにいた。オビ=ワンのように強力で天分のあるジェダイ・ナイトでさえ失敗し、ダース・ヴェイダーのような憎悪の象徴を生み出してしまったのである。これは恐ろしい事実だった。しかし、スカイウォーカーは何年にもわたって弟子たちを訓練し、いつからかこのような心配を払拭していたのである。彼の成功は疑いようのない事実だが、オーダー再建の道のりのなかにはライトサイドからこぼれ落ちていった者たちの悲劇的な例も存在しているのだ。
ブラキスもその1人である。ブラキスは輝く金髪、澄んだ青い瞳、滑らかな肌をした大変美しい青年だった。かつて帝国軍がムストを占領したとき、皇帝はフォースに敏感な子供だったブラキスを発見すると、彼を母親から奪い去り、帝国の宗教裁判官の保護下においたのだ。彼は皇帝の精鋭の1人として仕える資格を得ることはできなかったが、宗教裁判官たちによって個人的な武器へと作り変えられたのだった。
彼が隔離された教育を受けている間に、銀河系の体制は大きく変化していた。帝国はパルパティーン皇帝の死とエンドアにおける艦隊の敗走によって崩壊の第一段階を迎え、その後もコルサントを失い、新共和国の樹立が宣言されたのだ。クローンとして蘇った皇帝による新共和国殲滅のための反抗計画もあったが、それも結局は失敗に終わってしまう。しかし、ルーク・スカイウォーカーによってヤヴィン4にジェダイ・アカデミーが設立された頃にも、ごく僅かな宗教裁判官たちが生き残っていたのである。
ブラキスのマスターは彼にもっともらしい経歴を与え、ジェダイ・アカデミーに送り込んだ。その目的はダークサイドの門弟を潜入させることによって、アカデミーを不穏な状態に陥れることだった。だが、ルークはブラキスを受け入れ、彼の偽りの経歴を見抜く。ルークはブラキスの使命を完全に把握していたが、彼は大きな可能性を秘めており、胸の内にはまだ善の心が残っていたのである。ルークはブラキスをダークサイドから連れ戻そうと努力したのだった。
ブラキスはルークの教えに基づく集中的なジェダイ訓練を受けた。だが、彼は内に秘めた暗黒と直面し、遭遇した邪悪な力によって精神を打ち砕かれた。そして彼はそれを恥じらい、アカデミーを去っていった。その後、逃亡したブラキスはやはりかつてルークの弟子だったもう1人の堕落したジェダイ候補生、怒りに満ちた若者ドルフ(このときはクウェラーと名乗っていた)と出会う。ブラキスはドルフの新共和国に対する恐怖の計画に加担したのだった。彼は衛星テルティのドロイド製造工場で、銀河系各地のドロイドに組み込まれる無数の爆弾の製造を監督していた。そしてこれらのドロイドが新共和国元老院で爆破テロを起こしたのである。
やがてドルフの計画は失敗し、彼自身もレイアによって射殺されたが、ブラキスは自分の起こした惨劇に対する罪悪感に悩まされ、テルティから逃走した。彼はコアの中心部へと逃れ、帝国軍の大将軍たちと再び同盟を結ぼうと試みた。しかし、銀河系は再び大きな政変を迎えようとしていた。新共和国と残存帝国軍が歴史的平和協定に調印したのである。
長期にわたる戦争は終わったが、コアには暴力の灯を消すまいとする勢力が存在していた。悪あがきを続ける大将軍たちが第二帝政の名のもとに再集結し、コルサントの軌道上にその要となるシャドウ・アカデミーを設立したのだ。これはブラキスの指導のもと、新世代のダーク・ジェダイを育成するための宇宙ステーションだった。幻滅を抱くフォース感知者やダソミアの闇の魔女たちを集めたシャドウ・アカデミーは、新共和国とルークのジェダイ・オーダーに対して攻撃を開始した。若きジェダイ・ナイト、ジェイセン・ソロとジェイナ・ソロも、幾度となくシャドウ・アカデミーとの戦いに参加することになる。
そしてパルパティーン皇帝が第二帝政を指揮するために再び蘇ると、ブラキスは喜んで真のマスターの支配を受け入れた。彼はシャドウ・アカデミーが新共和国を征服し、ジェダイ・オーダーを打ち負かせると信じていたのだ。しかし、弟子たちは次々とジェダイに敗れ、そしてブラキスを裏切っていった。窮地に立たされたブラキスはパルパティーンに指示を求めたが、彼はマスターが実在していないことに気づくのだった。蘇った皇帝は、ブラキスを操るために4人の元ロイヤル・ガードによって造られた虚像だったのである。
怒りに満ちたブラキスはフォースのダークサイドの力で3人の元ロイヤル・ガードを瞬時に殺害した。最後の1人はシャドウ・アカデミーの自爆装置を起動させ、宇宙ステーションからの逃走に成功したのだった。結局、ブラキスは脱出に間に合わず、シャドウ・アカデミーと共に爆死したのである。