エラン
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解説
イソアでシェダオ・シャイの艦隊が失われた後、最高大君主シムラの寵愛を受けた助言者であるユージャン・ヴォングの司祭ハラーは、侵略計画の監督のため娘のエランを伴って既知銀河を訪れた。かつて女司祭ファーランに養成されたエランはワタリガラスのような漆黒の長い髪を生やした細身の女性であり、他のユージャン・ヴォングとは明らかに異なる美貌の持ち主である。ドメインの伝統的な女性用ドレスを身に纏い、虹色の昆虫がちらちらと光る長いローブを着たエランは、人間から見ても美しい姿をしていた。
エランに与えられた任務は、ジェダイ・ナイトを一掃するための計画の一環として、新共和国への人質となることだった。彼女はこの計画に同意し、自身の体に一塊の生物兵器ボータスを宿す。この兵器は限定された空間に吐き出すことによって、吸い込んだ生物を皆殺しにする力を秘めていた。エランには自分の命が犠牲になり得ることも分かっていたが、この作戦が成功すれば彼女は崇拝する女神ユン=ハーラの祝福を受け、欺瞞のセクトにおける偉大な地位を手にすることが約束されていたのだ。
ユージャン・ヴォングの偽装工作として、エランは仲間から迫害された亡命者を装った。メリディアン・セクターでの戦いの最中、彼女はヴァーゲアを伴って傷を負ったユージャン・ヴォングの船から脱出し、作戦通りジェダイと新共和国に捕らえられる。彼女はジェダイとの会合を要求し、その席で政治亡命を訴えた。そして自らの誠実さの証として、マラ・ジェイド・スカイウォーカーを苦しめていた死の病の解毒剤を提供したのである。
エランはまずウェイランドについて尋問を受けるが、その後も仕込まれた暗殺者によって命を狙われることになる。その後、エランは安全のためショーウォルター少佐によってコルサントへ護送されるが、その途中で彼の護衛船<クイーン・オブ・エンパイア>はピース・ブリゲードによる攻撃を受けるのだった。エランの真意を知らないピース・ブリゲードの傭兵たちは、ユージャン・ヴォングに自らの忠誠と価値を示すため、エランの奪回を目指していたのである。この攻撃でショーウォルターは負傷し、ハン・ソロが彼女の護衛を引き継ぐことになった。しかし、ハンはエランとの脱出に失敗し、レック・デッシュ率いるピース・ブリゲードの部隊に捕らえられてしまう。彼らはエランをユージャン・ヴォングに送り返すため、自分たちの船に護送したのだった。
エランは自らの手でこの問題を解決すべくボータスの息を吐き、邪魔な傭兵たちを皆殺しにする。これを知ったハンはようやくユージャン・ヴォングの狡猾な作戦に気づいたのだった。エランはハンを同様の方法で殺そうとするが、生物兵器を吐いたまま<ミレニアム・ファルコン>の船倉に閉じ込められてしまう。そして、彼女は自らの武器で瞬時に命を落としたのだった。