<キメラ>
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<キメラ>は帝国宇宙軍のインペリアルII級スター・デストロイヤーである。この艦はスローンの艦隊および残存帝国軍宇宙艦隊の旗艦として知られていた。
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歴史
銀河内乱
<キメラ>の就役の初期に、ギラッド・ペレオンという名の将校が指令クルーとして転属されてきた。やがて彼はこの艦の副艦長となる。この間に<キメラ>は新型のインペリアルII級へと改装され、シールドと武器を強化されたのだった。
エンドアの戦い以前のあるとき、<キメラ>はカリダの帝国アカデミーで武器テストを行われていた。その後、この艦は第2デス・スターを守る艦隊の一部としてエンドアに呼び戻されることになる。このとき<キメラ>は<エグゼキューター>に次ぐ第2の司令船だったが、このスター・ドレッドノートが破壊されたことによって、代理司令船となった。そしてその後の数時間の戦いで<キメラ>の艦長が戦死した後、艦長代理となったペレオンは最も近いセクター首都、アナージ星系のカニジ・バーへの撤退を命令したのだった。 ペレオンはエンドアから逃れた艦隊のリーダーとなった。ただし、帝国軍にはハースク提督(彼は大将軍として自分の領域を確保するために素早く逃走した)やプリティック提督(彼はアナージで一時的に指揮を執っていたが、その後指揮権を放棄し、その理由は謎のままである)など、彼よりも階級の高い将校も存在していたため、少なくともこの処置には<キメラ>そのものが持つ権威による恩恵があったと言える。その後の数年の騒乱の間も、<キメラ>はペレオンの指揮下にあり、この艦は帝国で最も効率的に運用されているスター・デストロイヤーの1隻として評価されたのだった。
スローンの旗艦
この効率に関する記録は、スローン大提督が<キメラ>を彼の旗艦として選んだ理由にもなった。スローンは直ちにこの艦に自分の紋章を刻み、これまでペレオンの前任者が使っていた高級娯楽シートを瞑想室兼司令室へと改装した。さらにスローンは艦隊の再編成を行い、<キメラ>を彼個人の大規模艦隊の中心に据えると、その配下にスター・デストロイヤー<デス・ヘッド>、<ジュディケーター>、<イネクソラブル>、<ストームホーク>、<ネメシス>を配置したのだった。
スローンはすぐに彼の流儀に従って乗員の訓練を開始した。そして彼がオルデランのモス画、キリック・トワイライトを手に入れるため<キメラ>をタトゥイーンへ向かわせたとき、ハン・ソロとレイア・オーガナ・ソロによって引き起こされた予期せぬ事件によって、乗員たちはテストに掛けられたのだった。
その直後、スローンはオブロア=スカイからの情報の強奪を皮切りに、新共和国に対する本格的な反抗を開始した。<キメラ>はこの破壊的な反抗作戦の間、常に彼の旗艦として使用されていたが、スローンはビルブリンギにおいてノーグリのボディガード、ルクの手によって殺害されてしまう。
ペレオンは帝国宇宙艦隊の全面撤退を命じ、未知領域付近での再編成を余儀なくされたのだった。
共和国による獲得
その直後、ペレオンはディープ・コアに召還され、パルパティーンのクローンに仕えた。そしてシャドウ・ハンド作戦の間、彼はデュロの攻略の真っ只中に<キメラ>を放棄することを余儀なくされる。この過程でペレオンは上級将校の大半を失い、彼自身も瀕死の重傷を負った。そして、焼け焦げた廃船と化した<キメラ>は新共和国によって回収されたのである。
新共和国の手中に入った<キメラ>は、何度も解体されそうになった。そして数年後、ついに帝国のために働いていたスライサーが偽の解体指示を作成し、この艦をかつてアンクスの故郷だったグラヴレックス・メドの造船所へと送ったのである。到着した直後、基幹乗組員たちが帝国軍の特殊部隊によって倒され、彼らは新共和国の監視員たちをなぎ払って逃走した。このときアクバー提督自ら指揮する部隊が<キメラ>の奪回を試みたが、帝国宇宙艦隊全軍の指揮官となったペレオン提督は自身の旗艦の回収に成功する。その後、ペレオンはアーディフ艦長にこの船の指揮を委ねたのだった。
艦隊の旗艦
その後、帝国の気勢が急速に衰えると、ペレオンは起死回生に向けた最後の策として、<キメラ>に試験的にクローキング装置とコンピューター戦闘照準算定装置を設置した。だが最終的にこの試験は期待外れに終わり、ペレオンは新共和国との和平協定を模索し始めた。
帝国内の和平反対派による陰謀があったが、ペレオンは平和宣言のために新共和国を説得することに成功し、ぺレオンと新共和国のポンク・ギャヴリソムは<キメラ>の艦上で和平協定に調印したのだった。2つの政府の間で争われた数十年にわたる戦争がついに終結したのである。
ユージャン・ヴォング大戦
この長きにわたる平和はユージャン・ヴォング大戦によって打ち破られた。<キメラ>はイソアの戦いに勇敢に参加し、その後、残存帝国軍そのものを防衛するため艦隊の他の艦と共に呼び戻された。
やがて、ブシス・ヴァーリック司令官率いるユージャン・ヴォング軍がバスティオン星系に姿を現した。ヴァーリックは惑星防御システムを容易に破壊し、防衛に当たっているはずの帝国宇宙軍がいないことを知る。帝国軍は彼らがニラーンにあるスローンの手を攻撃すると予想していたのだ。
この効果的な攻撃に反撃できたのは<キメラ>だけだった。その一方で、宇宙軍は戦力を温存することができた、あるいはそのように思えたが、それもユージャン・ヴォングが何千ものグルッチンの大群を放つために引き返してくるまでだった。宇宙軍はグルッチンに反撃を開始するが、次々と溶かされていく自軍の艦船を前にペレオンは恐怖に凍りついた。帝国軍はヴァーリックの軍から深刻な被害を受け、ペレオンはバスティオンからの撤退を命じることになる。だが、<キメラ>ともう1隻のインペリアル級スター・デストロイヤー<スピアリア>は、バスティオン星系の果てにあるガス状巨星へ向かう途中でユージャン・ヴォングの追撃を受けた。そしてコーラルスキッパーが<キメラ>の艦橋に衝突し、艦は甚大なダメージを受けてしまう。このときペレオンも重傷を負ったが、下仕官によって救助され、病院船へ搬送された。その後、<キメラ>はヤガ星系へ牽引され、修理が開始されたのだった。
その後もユージャン・ヴォングとの戦争は続いたが、ペレオンは別のスター・デストロイヤー<ライト・トゥ・ルール>の艦橋で指揮を執っていた。さらにその後、彼は銀河同盟防衛軍の最高司令官に就任し、<メガドア>を旗艦とした。これは、同盟軍の旗艦は帝国で顕著な経歴を持った船であってはならない、特にその司令官が帝国軍の人間であってはならないという決定が下されたからである。
第2次銀河内乱
その後、第2次銀河内乱が勃発すると、<キメラ>はモー・イレギュラー艦隊の旗艦としてナターシ・ダーラに使用された。このときの<キメラ>は、ダーラの指揮のもと帝国軍が新兵器テクノロジーを開発していたモー星団から回収された特殊な武器で修復されていた。この武器による攻撃を防ぐシールドが存在しなかったため、<キメラ>はあらゆる敵対勢力の船にとって深刻な脅威となったのだった。