クラウド・シティ
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クラウド・シティは、惑星ベスピンに設立された辺境居留地およびティバナ・ガス採集植民地である。この都市の名の由来は、常に巨大な雲に囲まれていることだった。事実、この都市は人類の住めないガス状巨星の上空に浮遊しているのだ。また、クラウド・シティの上層部には、ホテルやカジノを完備した有名な豪華巨大リゾート施設が揃っていた。
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特徴
クラウド・シティは3,600基の巨大なB/Iリパルサーリフト・エンジンによって支えられていた。同時に都市をベスピンのライフ・ゾーンに固定するための巨大なトラクター・ビームも用意されており、これらはティバナ・ガスを様々な精錬場やカーボン冷凍室へ引き込むためにも使用されていた。また、こうした施設の廃熱は16対の巨大なノヴァルデックス社製G47トラクター・ビーム発生装置によって熱変換装置へと導かれ、動力として再利用されていた。
クラウド・シティは多数の離着床プラットフォームやそびえ立つ尖塔に覆われた上部コンコースを持つ円盤型の形状をしていた。都市の下部には巨大な尖塔が伸びており、その先端には単一のポッドが取り付けられていた。尖塔の内部には広大な空間が吹き抜けていたが、これはベスピンを吹き荒れる暴風を引き込み、内部で方向を変えることによって都市の安定性を確保するためである。同時にこの尖塔は反応炉の熱廃棄や、都市のゴミ廃棄システムとしても利用されていた。
都市内部の建築様式はオルデランの古典建築様式と酷似していた。回廊やプラザは室内であっても風通しの良い感じを与える白色やクローム色で均一に塗装されており、こうした原始的な遊歩道がクラウド・シティの産業の中心を覆い隠していたのだ。ガス処理工場や精錬場、カーボナイト冷凍室などの施設は優雅な造りでこそないが、近代的かつ効率的なものになっていた。
このメトロポリスは基本方位に基づいて名付けられた4つのブロックに分割されていた。都市の内部は階層構造になっており、最上部となるレベル0のプラザを基点に、トラクター・ビームとリパルサーリフトの発生装置があるレベル392まで下へ伸びていた。各階層に含まれる施設は以下の通りである。
- レベル1-50: アウター・リムのほぼ全域に知られた高級ホテル街、入浴施設、クラブ、美術館、カジノなど。
- レベル51-100: 商人や役人、その他の裕福な市民専用の高級住宅街。
- レベル101-120: 執政官の事務所。
- レベル121-160: ポート・タウンと呼ばれる個人所有の工業地帯。搬出ドック、カジノ、バーなどがあり、地下組織の温床となっていたため犯罪も多発していた。
- レベル161-220: 工場労働者の住居およびサービス・セクター。
- レベル221-280: 工場地帯。
- レベル281-370: 都市経済の中心地となるティバナ・ガスの処理施設と採鉱労働者たちの住居。
- レベル371-392: 都市を支える36,000基の巨大なトラクター・ビームおよびリパルサーリフト発生装置。
さらに、都市の内部を縦横無尽に交差する迷路のようなアグノート・トンネルがすべてのレベルにまたがって存在しており、これらをすべて含んだクラウド・シティの大きさは、直径16.2キロメートル、全長17.3キロメートルにもおよぶ。また、クラウド・シティの政府は執政官、行政府、ギルド議会の3つの部門に分かれており、警備や警察機構はベスピン・ウィング・ガードが担当していた。
歴史
ベスピンのパステル色の雲の中に浮遊するクラウド・シティは、洗練された美と政治的自由を兼ね備えたメトロポリスだった。
クラウド・シティは、ガス状巨星の深部から貴重なティバナ・ガスを抽出する採鉱都市としてのみでなく、銀河系を揺るがす悲劇から逃れようとする人々にとっての聖域としても存在していた。この都市は有益だったが、規模が小さすぎるために採鉱ギルドのような権威ある団体からは無視されていたのだ。前執政官のドミニック・レイナーからサバックでこの都市を手に入れた実業家ランド・カルリジアンは、副官ロボットの力を借り、自身の短い就任期間のすべてを都市の自給自足問題や就労問題の解決に費やしたのだった。
クラウド・シティの背景には、風変わりなコレリアンの実業家エクレシス・フィグ卿とベスピン・モーターズ社とによって共同で設立されたという経緯がある。当初、この浮遊採鉱都市はティバナ・ガスの採集および精錬専門の施設でしかなかったが、商店街やレストラン、カジノなどがオープンすると、ついにはコレリアン交易スパインの人気リゾートへと変化していったのだ。
ホスの戦いの直後、帝国艦隊の追跡を逃れたハン・ソロは、旧友のランド・カルリジアンを頼ってこのクラウド・シティを訪れた。しかし、帝国軍は既に先回りしており、捕虜となったソロはカーボナイト冷凍にかけられ、賞金稼ぎボバ・フェットに引き渡されてしまう。その後、ランドはレイア・オーガナとチューバッカを連れて<ミレニアム・ファルコン>で脱出を図るが、一方で彼らを救出にやってきたルーク・スカイウォーカーはダース・ヴェイダーと対峙することになる。ここでルークはヴェイダーから、彼が実の父親だったという衝撃的な事実を聞かされるのだった。ヴェイダーはルークを味方に引き入れようとするが、ダークサイドの誘惑を拒否したルークは自ら都市の空洞部分へと落ちていき、間一髪のところで引き返してきたランドによって救われる。それ以後、クラウド・シティは帝国軍の管理下に置かれるようになるが、エンドアの戦いによって銀河帝国が崩壊すると、人々は再び自由を手にし、歓喜に沸きあがったのだった。