Vウィング・エアスピーダー
この項目ではエアスピーダーについて記述しています。宇宙戦闘機についてはVウィング・スターファイターをご覧ください。
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Vウィング・エアスピーダーは、新共和国が時代遅れのクラウド・カーに代わって開発した戦闘用エアスピーダーである。このエアスピーダーの登場によって、新共和国はより高価な宇宙戦闘機を宇宙での戦いに集中させることができるようになったのだった。
特徴
Vウィング・エアスピーダーは、新共和国の兵器としては初めて、大気圏上層部での戦闘に特化して開発された戦闘機である。それまでの新共和国軍における惑星大気圏内での空中戦は、T-47エアスピーダーやその他の類似機種に依存するところが大きかった。残存帝国軍との戦いが続くなか、新共和国の技術者たちはTIE/saボマーや他の宇宙戦闘機に対抗し得る航行能力を持った長距離型エアスピーダーの必要性を認識したのである。Vウィングが完成したのは、第1次モン・カラマリの戦いの真っ只中でのことだった。
Bウィング・スターファイターの開発を手がけたヴァーパインたちによって、スレイン&コーピル社の植民地で開発、製造されたVウィングは、これまでのエアスピーダーの設計思想に劇的な改善を施された機体である。Vウィングは標準的なリパルサーリフトにイオン・アフターバーナーを組み合わせることによって、想像を絶する速度を出すことができるのだ。このスピーダーの戦闘時における最高速度は時速1,000キロメートル程度であり、これはT-47と比べても明らかに見劣りする数字である。しかし、最高到達高度は実に100キロメートルを誇り、これはT-47の250メートルを遥かに凌いでいる。Vウィングの飛行高度は、ベスピンで使用されていたクラウド・カーに匹敵するものなのだ。さらに、Vウィングは頑強なチャブ=イルウォウム社製スクラムジェット・ブースターを装備しており、それを起動することで、最高速度を時速1,400キロメートルにまで上昇させることができる。ただし、この速度での航行中は急旋回等によって機体が崩壊する危険性をはらんでいるため、戦闘を行うことはできない。したがって、通常スクラムジェットは敵機から素早く逃走するための最終手段として使用されることになる。
戦闘が開始されると、Vウィングは主に2キロメートルの卓越した射程距離を持つ2基の連動式ブラスター・キャノンを使用する。しかし、Vウィングは偏向シールドや他の防御手段を持っていないため、緊急用脱出シートは用意されていたが、パイロットの生存率は高くなかった。戦場で帝国軍の戦闘機と戦う際には、パイロットは生き残るために機体の速度と大きさを最大限に活用しなければならなかったのだ。
通常、Vウィングは惑星上の基地や大型宇宙船のドッキング・ベイなどに収容されることが多かった。しかし、Vウィングには宇宙空間を航行する能力がないため、宇宙から展開される場合は、スレイン&コーピル社製のスピーダー輸送船で惑星の大気圏内まで運搬されなければならない。非武装の巨大なスピーダー輸送船は4機から6機のVウィングを運ぶことができ、収容されたスピーダーは輸送船が大気圏上層部に到達した瞬間に素早く発進させられる。
歴史
Vウィングは用途の広い素晴らしいパトロール艇であるため、敵の宇宙戦闘機による攻撃から、地上にある施設の防衛まで、様々な任務を与えられることが多かった。なかでも、Vウィングはより低速で機動性の劣るTIE/saボマーにとって、非常に効果的な武器であることを示している。また、Vウィングはその速度と大気圏上層部に隠れていられる能力によって、奇襲攻撃や待ち伏せ作戦にも大いに役立った。初の実戦投入となったモン・カラマリの戦いでも、Vウィングは無数のTIE/Dファイターや水陸両用艇を破壊し、帝国軍の戦力を分断させることに成功したのである。