センチュリー・タンク
センチュリー・タンク、別名TIEクローラー、TIEタンクは、帝国軍の重戦車である。これらは2つの大きく異なるタイプの兵器の奇妙な融合体だった。
特徴
センチュリー・タンクはTIEシリーズの宇宙戦闘機のコクピットを巨大な1対のタンク・トレッドで挟んだ形状をしている。したがってその内部には1名分のスペースしかなく、搭乗者はパイロット兼砲手として働くことになる。
TIEタンクには駆動システムとしてSSctパワー・ジェネレーターが2基搭載されていたが、これらは非常に一般的かつ安価なものであり、最高速度は時速90キロメートル程度でしかない。しかし、これらはウォーカーと同様にあらゆる地形を自由に移動することができ、さらに構造が単純であることから、ダメージを受けても多くのパイロットは自力で修理を行うことができ、廃棄処分になることはほとんどなかった。
TIEタンクはTIE/LNスターファイターのコクピット・ポッドを流用することによってコストを削減したが、1人の兵員に中隊並みの戦力を与えることができた。さらに、ミディアム・ブラスターに搭載された照準コンピューターやN-s6火力制御装置、これらを操作する手動操縦幹、さらには制動および速度調整用のフット・コントローラーなどの操縦系統までもがTIEファイターと全く同一である。そのため、TIEファイターに慣れた多くのパイロットであれば再訓練の必要がほとんどなかった。だがそれも、エンドアの戦い後の帝国軍に宇宙パイロットとして功を挙げた多くの兵士を地上部隊にまわすだけの余裕があればのことだった。
コクピット・ポッドの後方には武器系統にエネルギーを供給するためのパワー・ジェネレーターが搭載されており、コクピット前面には前方射撃用のミディアム・ブラスター・キャノンが2基、底部には格納可能な回転式ライト・ターボレーザーも1基装備されていた。防御面では機体全体が軽装甲板によって覆われているが、パワー・ジェネレーターとトレッド・ホイールに攻撃を受けると大きな損傷を被ってしまう。
歴史
センチュリー・タンクが有名になったのはエンドアの戦い後のことだが、初期型バージョンのTIE ap-1は銀河内乱の初期のころから使用されており、反乱同盟軍との戦いで活躍を見せていた。
センチュリー・タンクは、エンドアの戦い後に新しく解放されたサンテ/シーナー・テクノロジーズ社による最初の新機種である。シーナー・フリート・システムズ社のオーナーである独立心の強いサンテ家は、長年におよんだ銀河帝国との専属契約に嫌気が差しており、帝国の敗北を独立の絶好の機会だと捉えたのだった。
サンテ社は衰退する残存帝国軍と拡大を続ける新共和国との戦いに巻き込まれることを避け、中立の立場を維持していた。彼らは帝国軍の大将軍たちに向けてTIEファイターの生産を継続してはいたが、それも条件次第だったのだ。センチュリー・タンクを使っていた著名な部隊の1つは第41エリート・メカナイズドである。
新規市場への突破口とするため、センチュリー・タンクは比較的安価な小型強襲用車両として製造され、販売されていた。さらにその内部にはリサイクル可能な部品が多く使用されており、修理や搭乗訓練に掛かるコストを抑えることもできたのである。
これらの戦車は安価に大量生産されたため、パルパティーン皇帝の死後、彼が復活する前に帝国首都の主導権を掌握しようと目論んでいた大将軍たちもTIEタンクを大量に保有しており、コルサントにおける帝国内乱の際にはこれらが多数使用されることになった。