サヴァージ・オプレス
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サヴァージ・オプレスは、ダソミアで暮らすダソミリ・ザブラクのナイトブラザー氏族の一員である。フェラルの兄であるオプレスは、シス卿ダース・モールの弟としても知られていた。また、誇り高き戦士であり、血族に対する思いやりに溢れたオプレスは、ダソミアの反対側で暮らすナイトシスターの魔女たちに隷従したナイトブラザー氏族の1つのリーダーでもあった。だが、フォースのダークサイドの道具へと変異したオプレスは、無慈悲な野獣と化し、ナイトシスターの魔術によって生み出された震動斧やダブル=ブレード・ライトセイバーなどの武器を使うようになったのだった。
ヤヴィンの戦いの21年前のクローン大戦中、オプレスは、ダース・モールのシスの後継者、ダース・ティラナスに弟子として仕えるナイトシスターの戦士アサージ・ヴェントレスによって選ばれた。彼は戦闘能力を試す3つの試練で自らの価値を示した後、ナイトシスターの魔術によって肉体を強化されたのである。その後、オプレスはナイトシスターの首領、マザー・タルジンからの好意的な貢物を装って、ティラナスに新しい弟子として贈られたのだった。
だが実際には、オプレスはティラナスの殺害を刷り込まれた眠れるスパイであり、ヴェントレスによる復讐のための道具だった。ヴェントレスへの服従を精神に植え込まれたオプレスは、彼女の命令で実弟フェラルを容赦なく惨殺する。そして計画通りティラナスの従者となった彼は、単身でデヴァロンに乗り込み、2人のジェダイとクローン・トルーパーの1個中隊を全滅させたのだった。さらにいくつかの残虐なシスの訓練を受けた後、オプレスはトイダリアのカトゥーンコ王を生け捕りにする任務に送り出されるが、偶発的に彼を殺害してしまい、任務は失敗に終わる。そしてついにヴェントレスがティラナスの殺害計画を実行に移したとき、オプレスは2人のマスターへの激しい憎しみによって洗脳から解き放たれ、自分の意志によって行動するようになったのだった。
ドゥークーとの戦い後、ヴェントレス、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカー、かつてナブーでダース・モールを殺害したオビ=ワン・ケノービは、傷を負ったオプレスをそのままにして分離主義勢力の旗艦から脱出した。辛くもダソミアへ逃れたオプレスはマザー・タルジンのもとへ戻り、彼女に助けを求める。するとタルジンは、ダース・モールがケノービとの戦いを生き延び、アウター・リムをさまよっていると告げたのだった。彼女はオプレスに、彼をモールへ導くという首飾りの護符を渡した。オプレスは兄の生存を確かめ、彼からドゥークーとヴェントレスを滅ぼすための力を手に入れるため、個人的な旅へと出発したのである。
目次 |
経歴
戦士の試練
ヤヴィンの戦いの21年前、サヴァージ・オプレスは、ダース・ティラナスとして知られるセレノーのドゥークー伯爵と、彼の元弟子であるダソミア出身のナイトシスター・アサージ・ヴェントレスとの間の個人的抗争に巻き込まれることになった。サラスト上空での事件の後、ドゥークーに見殺しにされたヴェントレスは彼に復讐を誓ったのである。
その後、ヴェントレスはマザー・タルジンと共謀し、ドゥークー伯爵に自分の代わりとなる新しい弟子を与える計画を立案した。この弟子は彼の守護者として働くが、最終的には伯爵を抹殺することになるのだ。タルジンはドゥークーと接触し、女は「飼い慣らす」ことができないという彼に、ダソミア出身の男の戦士を持つ機会を提案した。伯爵は彼女を信用し、この提案を受け入れたのである。
ドゥークーが新しい弟子についての提案を受け入れると、ヴェントレスは直ちにナイトブラザーの村へ向かい、候補者たちを1人ずつ殺害していく一連の残酷な戦闘訓練によって、村で最強の戦士を選抜していった。そして最後に残ったオプレスが選ばれ、村から連れ去られたのである。
変異
ヴェントレスはマザー・タルジンにオプレスを差し出し、タルジンは彼の強靭な肉体とヴェントレスに対する憎しみを賞賛した。タルジンはオプレスに眠りの呪文をかけ、彼を部屋へ連れて行くと、そこで石製の段の上に寝かせたのである。そしてタルジンは他のナイトシスターたちと共に、彼らの魔力によってオプレスの既に強力だった肉体をさらに強化したのだった。オプレスは力と感情を強化させ、長く延びた角と異常な巨体を持つ、より一層邪悪な姿へと変わっていった。また、この儀式によってオプレスは精神的にも改造され、ヴェントレスの命令に従うようになったのである。
意識を取り戻したオプレスはヴェントレスの首を握り絞めて殺害しようとした。タルジンはヴェントレスに、静かに軽く触れて命令を与えることで、この新しい手下を操れる方法を伝授する。そして彼女が手を離すよう命じると、オプレスはそれに従ったのだった。続いてヴェントレスは洗脳過程の効果を試すため、オプレスに、戦士の試練の後囚人として連れてきた彼の実弟、フェラルを殺害するよう命じる。フェラルは実兄に必死に慈悲を乞うが、一瞬の躊躇い見せたオプレスはヴェントレスから平手打ちを受け、命令に従って弟の首を粉砕したのだった。こうして誇り高き戦士から非情な怪物への変異は完全に成功したのである。タルジンはナレスとカリスを伴ってシーシピド級輸送用シャトルでセレノーへと旅立ち、ドゥークーにオプレスを紹介したのだった。
ダース・ティラナスの従者
デヴァロンの虐殺
サヴァージ・オプレスの紹介を受けた直後、ダース・ティラナスは彼に最初の任務を与えた。ジャングル惑星デヴァロンにあるイーディット聖堂の制圧である。この聖堂はデヴァロンで共和国に残された最後の砦だった。オプレスは神聖とも思える場所に軍事的攻撃を行うことの是非について疑問を抱くが、ティラナス曰く、イーディット聖堂はこのセクター内での共和国の動きを監視する前線軍事基地だったのだ。
イーディット聖堂に到着したオプレスは、ナイトシスターから与えられた特別な震動斧を使い、ジェダイ・マスター・ホールジーとそのパダワン・ノックスの指揮するクローン・トルーパー部隊をなぎ倒した。そして、謎の敵に最後の抵抗を試みたホールジーがオプレスに襲い掛かるが、逆に圧倒され、武器を奪われてしまう。ルーナンのジェダイ・マスターはサヴァージの刃によって惨殺され、ノックスもそのすぐ後を追ったのだった。共和国基地の壊滅に成功したドゥークーは新しい弟子をセレノーに呼び戻したのである。
2人のジェダイとクローン・トルーパー1個大隊の突然の敗北と喪失は、ジェダイ評議会に重大な警告として受け止められた。評議会は迅速にこの事件の調査を命じたのである。名高きクローン・コマンドー・デルタ分隊がデヴァロンへ派遣され、生存者がいないことを確認すると、2人の遺体を回収した。さらに戦闘の様子を記録した保安映像から、ジェダイ評議会は事件の犯人がダース・モールと同じ、ダソミアの住人として知られる氏族の男であることを確認したのだった。
訓練
セレノーに戻ったオプレスは、マスターから大きな賞賛を受けた。ティラナスは彼を秘密のシス・アプレンティスとして育てることを約束し、ダース・シディアスの打倒と、新シス帝国樹立に向けた銀河共和国と独立星系連合の統合を目指すことになる。オプレスはダース・モールが残した伝統を受け継ぎ、多くのジェダイやシスが使用する単一刃の武器とは対照的な、ダブル=ブレード・ライトセイバーの使い方を学んだ。だが、ティラナスはオプレスの戦士としての潜在的資質を認めてはいたが、彼のライトセイバー・テクニック、あるいはその未熟さを酷評する。ティラナスは彼に、動物的な動きではなく、型と調和を使うよう指示したのだった。
ライトセイバーの剣技の訓練で何度もオプレスを打ち負かした後、ティラナスは憎しみによって力を得る教えに注力しはじめた。ドゥークーの宮殿の外でいくつかの巨大な石柱を浮かび上がらせる訓練をしていたオプレスは、それを不可能なことだと呟く。ティラナスは激しい憎しみを力に変えろと告げ、フォース・ライトニングで彼を無慈悲に拷問したのだった。するとオプレスは憎悪をティラナスへ向けることで、石柱を浮かばせることに成功したのである。
ドゥークーによる数多くの厳しい過酷な試練を受けたオプレスは、新しい任務を与えられた。トイダリアのカトゥーンコ王を捕え、生かしたままドゥークーのもとへ連れて来いというのだ。かつてカトゥーンコは、トイダリアに分離主義勢力の基地を設置するというドゥークーの申し出を拒否し、共和国基地の設置を支持したことがあった。その後、彼は皮肉にも当時のドゥークーの弟子だったアサージ・ヴェントレスによる暗殺の試みから逃れたのである。オプレスはソーラー・セーラーでトイダリアへ向かい、彼の着陸を出迎えたトイダリアンの衛兵たちを抹殺すると、カトゥーンコの防衛網を次々と引き裂いていった。彼はさらに立ちふさがる衛兵をことごとく惨殺し、ついに王を屈服させる。そしてオプレスは気絶したカトゥーンコを抱え、ソーラー・セーラーへ戻ろうとしたのだった。
だがそのとき、オプレスは2人のジェダイ・ナイト、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービとの予期せぬ遭遇を迎えることになる。彼らはデヴァロンの虐殺に関する調査の中で、マザー・タルジンによってトイダリアへと導かれたのだ。2人のジェダイはオプレスを倒そうとする。この混乱のなか、カトゥーンコが意識を取り戻して逃走を試みるが、再び彼を捕えようとしたオプレスによってフォースで首を掴まれた。だが、オプレスは愚かにも力を入れすぎてしまい、カトゥーンコの首を粉砕して殺害してしまう。その後、オプレスはジェダイを浮遊プラットフォームの下敷きとし、王の死体を抱えて船へと急いだ。彼はジェダイの宇宙船を破壊し、待機中の分離主義勢力ドレッドノートへと帰還したのである。
ドレッドノートに着艦したサヴァージはマスターのもとへカトゥーンコの死体を運び込んだ。だが、王を生きたまま連れてくるよう命じていたドゥークーは激怒し、弟子の愚かな失敗を非難しながら彼に激しいフォース・ライトニングを浴びせたのだった。このとき突如アサージ・ヴェントレスが姿を現し、ドゥークーを奇襲する。彼女はティラナスとの短い口論の後、オプレスの額を軽く叩き、誰に忠誠を誓っているのかを思い出させた。一方、ドゥークーもオプレスにヴェントレスと戦うよう命じる。最終的にオプレスはヴェントレスの側に立ち、ティラナスとの戦闘を開始した。だが、彼にはドゥークーの守りを崩すことができず、取り乱したヴェントレスはオプレスを叱責すると、自ら伯爵と戦ったのである。
2人のマスターから能力を否定され、怒り狂ったサヴァージは、ティラナスとヴェントレスの両方を裏切り、フォースで彼らの首を締め上げる。そしてそれが解けると、2人は床の脱出ハッチを通って脱出し、いたるところで戦いを続けたのだった。その後、サヴァージは突然現れたアナキンとオビ=ワンと再び交戦し、2人のジェダイはドレッドノート内で彼を追跡する。だがヴェントレスを破り、彼女を退却させたドゥークーは、サヴァージを裏切り者と称し、バトル・ドロイドに彼の抹殺を指示したのだった。しかし、オプレスは辛うじて2人のジェダイとドゥークーのバトル・ドロイドから逃れ、奪った伯爵のソーラー・セーラーでダソミアへと向かったのである。
アウター・リムへの探求の旅
ティラナスの抹殺に失敗し、負傷したオプレスは、マザー・タルジンのもとへ戻った。彼が、ヴェントレスが自分を裏切ったと訴えると、タルジンは彼に、兄ダース・モールが生きていると告げる。モールは明らかにナブーで死亡したが、それでもサヴァージを鍛えることができるはずだというのだ。マザー・タルジンは出発前の彼に首飾りを与え、オプレスを兄探しの旅へと送り出す。彼女曰く、その人物はアウター・リムのどこかにいるというのだ。
人物と特徴
元来、サヴァージ・オプレスは名誉を重んじ、弟のフェラルを強く思いやっていた。彼はフェラルを守るため、その際に死の危険を冒してまでアサージ・ヴェントレスへの攻撃の手を引いたのである。サヴァージは弟が自分より弱いことを熟知しており、選抜試練の際、フェラルに目立たないようにと念を押していた。サヴァージが転生を遂げる前の最後となる会話の中で、彼は例え自分が殺されようとも弟には生きながらえてほしいと願い、ヴェントレスに弟を救うよう頼んだ。だがナイトシスターたちによる転生の儀式の後、かつてのサヴァージの人格は消滅し、その代わりに凶暴な狂気の怪物が誕生したのである。
ナイトシスターたちの儀式によって変異した後、かつてのサヴァージ・オプレスは消失し、凶暴な狂気の怪物が誕生した。実際に意識を取り戻したサヴァージは、まず最初にヴェントレスの首を締め上げたのである。彼のフェラルに対する思いやりも消えうせており、弟の弱さに対する侮蔑へと代わっていた。彼は一瞬の躊躇いの後、フェラルを容赦なく虐殺する。そしてドゥークー伯爵の協力者となったオプレスは、立ちはだかるクローン・トルーパーを皆殺しにすることでその完全なる冷酷さを示したのだった。また、彼はジェダイへの敵意と憎しみを剥き出しにし、一切躊躇することなく、この戦いでホールジーとノックスを惨殺したのである。
ドゥークーのもとでの訓練を続けるうちに、オプレスはマスターへの憎しみを増し、憎しみはこのザブラクのフォースのダークサイドをますます強くしていった。一方で彼は衝動を抑える力が弱く、欲求不満に陥る傾向が強かった。彼は訓練の際にもただ闇雲にドゥークーを攻撃するだけであり、その後、トイダリアンのカトゥーンコ王を生け捕りにする任務の際にも失敗し、彼を殺してしまったのだった。ドゥークーの弟子だった短い期間の間に、オプレスは何度か心の弱さを露呈している。彼は修行を終わらせることができないと考え、後にドゥークーと戦った際にも、シス卿に勝つことなど不可能だと考えたのだった。
自分がヴェントレスのドゥークーへの復讐における道具に過ぎないと気づいたとき、オプレスは激怒した。彼は純粋な悪意によって彼女の首を乱暴に締め上げ、自分の攻撃を続けるために彼女に従おうとしたのである。その後の連合ドレッドノートからの脱出の中で、オプレスはさらなる残虐性をあらわにし、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーに激しく襲いかかると、立ちふさがるドロイドもすべて破壊したのだった。そしてダソミアへ戻ったオプレスは、自分にはまだ敵を倒せるほどの力がないことに気づき、やがて復讐を果たすための修行を与えてくれる新しい師匠を探したのだった。
力と能力
ナイトシスターの手先となった後のサヴァージ・オプレスは残虐な力と破壊的な技を発達させた。彼は戦闘力が高く、課せられた試練で生き残る能力を示し、ダーク・アコライト・アサージ・ヴェントレスに抵抗さえも試みたのだった。
変異後のオプレスの能力はその恐ろしさを維持しつつ、さらに増していた。彼は立ちふさがる多数のARFトルーパーを引き裂き、2人のジェダイを難なく打ち破ったのである。また、彼は震動斧の使用にも長けており、行方を遮るすべてのクローンをこの武器で容易に斬り倒すと、2人のジェダイをも抹殺したのだった。
ダース・ティラナスのもとでの訓練で、オプレスは物体を動かし、相手の首を絞めるフォースの使い方を学んだ。カトゥーンコ王を誘拐する任務の中で、彼はテレキネシスの想像を絶する能力と力を見せつけた。オプレスは王の衛兵の1人をフォースで絞殺し、浮遊プラットフォームを触れずに起動させたのである。
オプレスは凄まじいテレキネシス・パワーを発揮し、わずか数秒の締め付けでカトゥーンコの首を粉砕した。さらに彼はティラナスとヴェントレスの首を同時に締め上げ、恐ろしい力でケノービとスカイウォーカーを吹き飛ばし、フォースの波で周囲のバトル・ドロイドをほぼ全滅させ、ケノービとスカイウォーカーを気絶させている。また、兄ダース・モールと同様に、オプレスはダブル=ブレード・ライトセイバーを使用する技術を身に付けていた。彼のテクニックは単純で乱暴なものだったが、ドレッドノート上での対決の際にドゥークー伯爵の攻撃から身を守り、当時最も高い能力を誇った2人のジェダイ、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーとも渡り合ったのだった。