癒しの間
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癒しの間は、コルサントのジェダイ聖堂内に設けられた広大な医療施設である。第一の知識の区画に位置するこの治療センターでは、負傷したジェダイ・オーダーのメンバーのための治療行為が行われていた。広間内の診療所は医療班によって管理されており、そこには銀河系で最高の品質をもつ100基以上のバクタ・タンクが設置されていた。
目次 |
歴史
コルサントのジェダイ聖堂内に作られた癒しの間は、4,000年の歴史にわたって幾度となく再建され、拡張されてきた無数の施設の中に追加された1つである。ヤヴィンの戦いの3,653年前、復活したシス帝国によるコルサントの略奪の際に一度は破壊されたが、ヤヴィンの戦いの1,000年前に再建されだった。
癒しの間は、訓練中に負った傷や打撲から、ジェダイ最高評議会に与えられた任務で負ったより重度の怪我にいたるまで、治療を必要とするオーダーのすべてのジェダイに解放されていた。この広間では癒しの技を専門に習得したジェダイたちが働いており、ジェダイの治癒者のサークルによって監督されていたのである。彼らは主任治癒者を任命し、広間における日々の業務を任せていた。ウイングのメイン・ホールで働く治癒者たちはフォースの力、クリスタルやアミュレットなどの治療用装置を使い、ジェダイを苦しめる怪我の治療を行っていた。その後医療班が創設されると、癒しの間にも診療室、手術室、バクタ・タンク棟が増設されのだった。
ルーサンの再編後は何世紀にもわたって大規模な戦争が起こらなかったため、癒しの間のベッドがすべて埋まることは稀だった。しかしジオノーシスの戦い後、広間は常にほぼ満員状態となり、病室は多くのジェダイによって埋め尽くされることになった。一部の重症患者は集中治療を要したが、大部分の患者は基本的な治療のみを受け、数日で回復していった。だがこの戦い後の日々の間、主任治癒者ヴォカラ・シェは、パダワン・アナキン・スカイウォーカーの様子を見たいと要求するパドメ・アミダラ議員の怒りを必死になだめなければならなかった。スカイウォーカーはジオノーシスで重傷を負っていたため、マダム・シェは彼女の要求を断り、面会は遠慮してほしいと頼んだのである。だが議員は帰ることを拒み、ついにジェダイ・ナイト・オビ=ワン・ケノービによる説得を受けることになる。その後、この事件に関する報告を受けたグランド・マスター・ヨーダは、アミダラのもとにケノービを派遣し、二度とジェダイの営みに干渉しないよう要求したのだった。そしてクローン大戦の間も、癒しの間のベッドは銀河系を引き裂く凄惨な戦いによって傷ついたジェダイたちを癒すため、常に埋まっていたのだった。
戦争が最高潮を迎えると、シスの暗黒卿ダース・シディアスは、パルパティーン最高議長の名において、ジェダイ・オーダーによるクーデターの容疑でジェダイ聖堂の捜索を命じた。そして共和国グランド・アーミーの第501大隊が聖堂へ向けて進軍し、中にいたすべてのジェダイを殺戮したのである。ダース・ヴェイダーに率いられたクローン・トルーパーたちは癒しの間を破壊し、その場にいた治癒者と患者を皆殺しにした。その後、癒しの間は数十年にわたって残骸のまま放置され、銀河内乱を迎えたのだった。広間はその後も再建されることなく、ユージャン・ヴォング大戦によってほぼ完全に消滅したのである。
やがて銀河同盟が首都惑星を奪回すると、国家元首カル・オマスは再建局によって建てられた新ジェダイ聖堂をオーダーに授与した。新ジェダイ聖堂は失われたジェダイ公文書館から発掘された設計図を用いて再建され、復活した癒しの間も怪我人の治療を再開したのである。主任治癒者シルガルの指導のもと、広間は数千年にわたって果たしてきた役割を取り戻したのだ。そしてヤヴィンの戦いの43年後、癒しの間は若いジェダイ・ナイトたちに感染する謎の疫病の患者たちであふれることになった。まず最初に、ヴァリン・ホーンが精神障害の原因を突き止める研究ために広間の神経病棟へ運ばれた。しかし、原因が解明する前にホーンは看護婦ロマーに襲い掛かり、聖堂から逃亡する。患者を失った治癒者たちは研究を続けることができなくなった。だが数週間後、治癒者たちの多くが知らぬ間に、ダークメルドと呼ばれるジェダイの秘密グループが同じ症状に悩むジェダイ・ナイト・セフ・ヘリンを捕えたのだった。治癒者テクリの助けを得て、ダークメルドはヘリンを地下貯蔵室へ運び込み、そこでシルガルは研究を続けることができた。そしてさらに多くのジェダイが感染すると、主任治癒者は聖堂内で4人の感染者を診ていることを認めざるを得なくなった。そして国家元首ナターシ・ダーラが精神障害をおこしたジェダイの逮捕命令を出すと、シルガルは暫定グランド・マスター・ケンス・ハムナーに彼女の行動について警告する必要を感じ、法を破ったのである。激怒したハムナーは直ちに命令を撤回するよう銀河同盟に要求した。だがそれが実施される前に、ジェダイ・ナイト・レイア・オーガナ・ソロによって4人の患者全員が誘拐され、シェドゥ・マッドのジェダイの施設へと運ばれたのだった。
レイアウト
癒しの間はジェダイ聖堂の第一の知識の塔の直下、南西地区の一翼にあった。その階下には拘留センター、同レベルには農耕班の居住区画があり、癒しの間へは聖堂のどこからでもターボリフトで行き来することができた。
この一翼のメイン・ホールは高い窓から入る日差しを浴びており、これらが青緑色の床や壁と合わさることで心地よい雰囲気を作り出していた。広間には病人や怪我人が楽な姿勢で横になれるベッドが並べられ、治療者たちが周回することができた。また、天上へはピンク色の石柱が伸びており、一方で壁にあいた小さな隙間は1人用のセラピー・ルームへと繋がっていた。この暖かく薄暗い室内では、傷ついたジェダイが石製のベッドで体を休めており、そこにフォースの効力を強めるために石やクリスタルを使用する治癒者たちが訪問していた。こうした部屋の1つには、オーダーが所有するもっとも高価な財宝の1つ、炎のヒーリング・クリスタルが置かれていた。
メイン・ホールの外には医療班の治癒者たちが入る部屋があった。彼らはここで、任務後に深刻な外傷を負ったジェダイが治療を受ける、メイン手術室の管理を行っていたのである。この大きな2階建ての部屋は2階にある視察室から監視さており、そこでは階下で行われている作業への指示が行われていた。またこのホールの外には、聖堂の内外で比較的軽度の外傷を受けたジェダイを治療する際に使用される、いくつかのバクタ・タンクが設置されている部屋もあった。さらに数体の高性能2-1B外科医ドロイドが機械を操作し、負傷した患者を診断する。この診療所は基本的にはジェダイの治療を専用に行っていたが、共和国中央医療センターから繋がっている専用ターボリフトもあり、瀕死の重傷を負った一般患者がジェダイ治癒者による治療を受けることもできた。
癒しの間にある神経科学療棟も非常に広大であり、治癒者たちは精神病を患ったジェダイの脳の損傷度合いや他の病気についてスキャンによる特定を行うことができた。さらに、このホールには他の惑星の環境を再現した密閉室も備わっていた。
主任治癒者はこの棟のオフィスに常駐しており、そこで記録の保管や、治療に関する説明のためにオーダーの他のメンバーと面会することができた。また、このオフィスの隣には研修室があり、主任治癒者が仲間のジェダイの習熟度を確認することができた。
この棟の下層レベルのホールは、窓のないドアが並ぶ閑静な広場になっていた。メイン・ホール直下のこのエリアには、主任治癒者と助手のみが触れることのできる放射線貯蔵室が2つあり、小さいほうの部屋は医療品保管庫の裏手にあった。ヤヴィンの戦いの43年後、治癒者テクリは中にあった放射線物質をすべて運び出し、この部屋を精神病患者セフ・ヘリンの隠れ家として使用していた。そして、ヘリンがシェドゥ・マッドの施設へと移動させられるまで、主任治癒者シルガルがここで彼の病気について研究していたのである。