サラ・ゼンド
提供: スター・ウォーズの鉄人!
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解説
幅広く強めにカールされた黒い巻き毛にオレンジ色の目をしたサラ・ゼンドは、あたかも彫像のような、エキゾチックな美しさを持った人間の女性である。機械に精通した才能溢れる彼女は、あらゆる人生の選択肢に可能性を開いていた。彼女は常にテクノロジーに魅了されていたが、かといってエンジニアとして他人のために働くことには全く関心を抱いていなかった。サラは企業が所有する貨物船の乗り込み技術者として雇われ、常に新しい可能性に耳を傾けながら、宇宙港から宇宙港へと旅を続けていたのである。
やがてサラは自分の船をハットからローンで手に入れるために必要なクレジットを蓄えることができた。その直後から彼女はプロの密輸業界に入門し、シャグ・ニンクス、ランド・カルリジアン、ハン・ソロらと出会うようになる。そして、腕を上げたサラは次第に密輸業のスリルにも愛着を持つようになっていった。彼女はカルリジアンと共に当時彼が保有していた<ミレニアム・ファルコン>に乗り、同業者たちと危険なケッセル・ランでタイムを競うようにもなったのだ。
サラとハンとの最初の出会いは、両者がステネス星系にスパイスを密輸していたときに訪れた。当初の2人の関係は親しいライバル同士であり、どちらがより速くケッセル・ランを飛べるか、あるいはどちらがけちなネッシーからより多くのクレジットを巻き上げられるかを競い合っていた。だが、いつの間にかその関係もロマンチックなものへと変化していくことになる。
3年後、サラの船の航法コンピューターが故障し、船は中性子星に衝突するコースへと導かれる。ハンが彼女の救助に駆けつけたが、彼女は大事な船を失い、仕事を続ける道は完全に閉ざされてしまったのだった。その翌日、サラは自分の人生について再検討を開始し、そろそろ落ち着く頃だという結論に至った。彼女にとってハンとの結婚は明白な結論だったのだ。だが、ハンにとってはそうではなかった。彼はサラに別れを告げ、その後エンドアで帝国が敗れるまで、一度として再会のときは訪れなかったのである。
そしてエンドアの戦いから6年後、分散していた帝国軍がコアの内部およびその周辺宙域に集結し、一新された軍事的主導権を維持するために自由貿易商や輸送業者を活発に雇い始めていた。サラ・ゼンドもこの絶好の金儲けのチャンスを逃す訳にはいかず、銀河系のいたるところから拾い集めた廃品を使って、中古の貨物艇<スターライト・イントルーダー>を修理し始めたのだった。当時、彼女はナー・シャダーのコレリアン地区にあるシャグ・ニンクスの宇宙船整備工場で働いており、暇を見つけては<イントルーダー>の修理を行っていたのである。彼女は完璧主義者であり、自分の船の性能には一切の妥協を許さなかった。やがて愛機が完成すると、サラは男性スペーサーの多くが自分の船を「彼女」と呼ぶように、<イントルーダー>を「彼」と呼んで大事にしたのだった。
そのころ、新共和国は再興された帝国の中心部を突き刺し、ダークサイドに落ちたルーク・スカイウォーカーを救出したいと考えていた。彼らにとってディープ・コアの航行許可を得た<イントルーダー>は、まさに必要としていた船だったのだ。ハン・ソロとレイア・オーガナ・ソロはナー・シャダーを訪れ、100,000クレジットという大金でニンクスとサラの協力を得ようと試みる。ハンは現在の妻とかつての恋人を同時に相手にすることで気まずい時間を味わったが、サラとニンクスは新共和国の依頼を快諾し、取引きは無事成立したのだった。
だが、<スターライト・イントルーダー>も旅立つ準備が整っていたわけではなく、ニンクス、サラ、ハン、レイア、チューバッカらは船上での修理を続けることになる。ちょうどそのとき賞金稼ぎのボバ・フェットが仇敵のハンを襲うが、船もようやく完成し、ハンの救助に間に合ったのだった。<イントルーダー>はハンの要望で<ファルコン>を磁気接続し、ディープ・コアおよび帝国軍の要塞となっている惑星ビィスへ向けて跳躍したのである。
ビィスに到着した<イントルーダー>は帝国軍の巨大な貨物区画に入り、<ファルコン>を帝国軍の秘密の砦にさらに接近させることができた。そして<ファルコン>が砦に入ると、ハン、レイア、チューバッカ、C-3POを拘束するため、帝国軍の兵士たちが現れる。そして最後の瞬間にサラとニンクス(彼らは<ファルコン>に隠れていた)が船を起動させ、レーザーによる砲撃で退路を切り開くと、その間に新共和国の英雄たちは要塞の奥深くへと侵入することができたのだった。
貨物区画に戻ったサラとニンクスは、友人の密輸業者ロー・カーンとルーウィンゴが所有する貨物船<ハイパースペース・マローダー>の洞窟のような格納庫に<ファルコン>を隠す。しかし、これはつかの間の安息でしかなく、<マローダー>内の<ファルコン>は帝国軍の巨大なハンター・キラー・プローブ・ドロイドに発見されてしまう。ドロイドは<マローダー>への攻撃を開始するが、サラたちは間一髪のところで<ファルコン>に乗り移り、脱出に成功した。だが、ドロイドはトラクター・ビームを起動し、<ファルコン>を格納庫へと引き戻したのである。
しかし、サラとニンクスは共に一流の機械工だった。彼らはプローブ・ドロイドの配線を繋ぎ変え、自分たちの命令に従うように改造することでドロイドの制御を奪う。彼女はレーザー・キャノンを使って帝国軍の砦を砲撃し、新共和国の英雄たちを解放した。そして全員を<ファルコン>に乗せてビィスから脱出するが、ルーク・スカイウォーカーだけは例外であり、彼はクローンとして蘇ったパルパティーン皇帝に立ち向かうため、その場に残るのだった。
その後、彼らは再びルークと合流してモン・カラマリへと向かい、この海洋惑星を破壊している帝国軍の巨大なワールド・デヴァステーターと遭遇する。そこで英雄たちはR2-D2を<ファルコン>の送信機と接続し、皇帝のマスター制御信号を偽造することでデヴァステーターを破壊しようと試みた。その間、サラはチューバッカと共に<ファルコン>を操縦しており、可能な限りデヴァステーターの近くを飛行していたのである。こうして計画は成功し、モン・カラマリの破壊は阻止されたのだった。
サラとシャグは新共和国の仲間たちと共にダ・スーチャの第5衛星に設置された一時的な基地へと帰還するが、彼女は自分の<スターライト・イントルーダー>を取り戻すためビィスに戻りたいと熱望していた。だが、ソロ、レイア、チューバッカが老ジェダイのヴィマ=ダ=ボーダを捜索するためにナー・シャダーへ戻ると、彼女とシャグもそれに同行する。このときソロを追う賞金稼ぎの追跡をかわすために<ファルコン>を巧みに操縦し、密輸業者の月に乱立する尖塔や金属の渓谷の間を縫うように飛ばしたのはサラだった。
だが、サラとシャグは自分たちの宇宙船整備工場が帝国軍の特殊部隊によって破壊されていたことを知る。大事な船を多数失った彼女は、この大きな損失と、彼女の船を救えなかったことに対してレイアらを激しく非難した。レイアはより重要な任務に頭を割いており、サラの災難にはそれほど注意を払っていなかったのだ。彼女には既に新共和国との全ての関係を解消する準備ができていた。
残された船の1つ<サルヴェイジャー・スリー>に乗り込んだサラとシャグは必要な許可証を盗み、再びディープ・コアへと侵入する。だが、彼らは帝国軍の貨物区画でロー・カーンとルーウィンゴから衝撃的な知らせを聞かされたのだった。<スターライト・イントルーダー>は帝国軍の公認解体業者によって既に解体されており、溶解処理されたというのだ。
また、貨物区画にいる間に密輸業者たちは、捕らえた戦闘ドロイドでビィスへ潜入するという新共和国の計画が難航しているという情報も得ていた。サラは再び新共和国の特殊部隊を支援するべく他の密輸業者たちを組織する。シャグ・ニンクスの<スターフック・テン>、ロー・カーンの<ハイパースペース・マローダー>、ウズ・ボニアムの<ベスピン・バンディット>が砦に侵入し、帝国軍の戦闘獣を掃射して新共和国軍兵士たちのための貴重な時間を稼いだのだった。さらにその直後にも、サラとシャグは新共和国の保護惑星ニュー・オルデランを帝国軍の攻撃から守るため、彼らに手を貸している。