ショートしたワイヤに絡まる3POは、冒頭で<デヴァステーター>に攻撃された<タンティヴィIV>内のシーンで使用されるはずのものだった。だが、このシーンはカットされ、その後、<ミレニアム・ファルコン>内のシーンで流用されることになる。
家の仕事で水分凝結機を見にきていたルークは、偶然にもタトゥイーンの上空で2隻の宇宙船(ヴェイダーのスター・デストロイヤーとレイアの<タンティヴィIV>)が戦っている光景を目撃する。銀河系の外れにある辺境の惑星タトゥイーンで暮らす彼にとって、こんな経験は初めてだった。本物の宇宙戦に興奮したルークは、この出来事を報告するため、さっそく仲間の待つトシ・ステーションへと向かうのだった。
このシーンはCD-ROM『ビハインド・ザ・マジック』に収録されている。
トシ・ステーションの仲間と会うためアンカーヘッドに到着したルークに、謎の老婆が声を掛ける。
老婆「坊や、スピードを落としなさいって言っただろ!」
アンカーヘッドに到着したルークは、ランドスピーダーを降り、トシ・ステーションへと入っていく。
トシ・ステーションの中ではルークの友人たち、機械工のフィクサー、そのガールフレンドのケイミー、そしてディークたちがたむろっていた。彼らはルークを「ワーミー(のろま)」と呼んで馬鹿にしている。
そこでルークは思いもよらない人物と再会した。ルークのよき理解者であり、最高の友人だったビッグズ・ダークライターである。数年前に帝国アカデミーへ進学するためタトゥイーンを出て行った彼が、どういうわけか故郷に戻ってきていたのだ。アカデミーを卒業したビッグズは戦闘要員となることを避け、一等航法士として帝国の商業船<ランド・エクリプティック>に搭乗しているという。しかし、彼が戻ってきた理由は、ある重大な決意から旧友たちに本当の別れを告げるためだったのだ。
ルークは上空で行われていた戦闘のことを話すが、フィクサーたちは信じようとしない。そこで彼らは外へ出て、実際に確認しようということになる。
ルークと友人たちがエレクトロバイノキュラーで空を見上げると、軌道上で停止している宇宙船らしきものはあったが、ルークのいうような戦闘の形跡はまったく見えなかった。戦いはもう終わっていたのだ。フィクサーやケイミーはいつものようにルークをからかい、ステーション内に引き上げてしまう。ビッグズさえも、あれは燃料補給をしているだけだと言うのだった。
その後、ビッグズはある重要な話をするため、ルークを連れて人気のない場所へと移動することになる。
ルークとビッグズは2人きりで、しばし昔の思い出話に花を咲かせる。ルークは兄のように慕っていたビッグズが去ってからというもの、タトゥイーンの砂漠で寂しい毎日を過ごしてきたのだった。ビッグズは彼にもアカデミーへの進学を勧めていたが、ルークの叔父オーウェンが頑固に反対を貫いていたのである。
そして、ビッグズはついに重大な決意を打ち明ける。彼はルークらに別れを告げた後、アカデミー時代の友人たちとベスティンで合流し、反乱同盟軍に加わるつもりだというのだ。アカデミーを卒業し、帝国の邪悪な実態を知ったビッグズは、銀河系に自由を取り戻すための戦いに身を投じる覚悟を決めたのである。
しかし、辺境の惑星で暮らしていた世間知らずのルークにとって、彼の話は夢物語でしかなかった。ビッグズもそれが無謀であることを認めるが、いつかルークもアカデミーで戦い方を学び、反乱軍に加わって欲しいと訴える。彼はルークとスカイホッパーで何度も競い合ったことがあり、ルークがパイロットとしての天性の素質を持っていることを知っていたのだ。
ビッグズは翌朝タトゥイーンを発つと言い残し、ステーションへと戻った。ルークはいつまでも変わらない友情を誓うと、一人で家に向かうのだった。
このシーンはCD-ROM『ビハインド・ザ・マジック』に収録されている。
R2-D2は夜間にラーズ家を抜け出し、単独でオビ=ワン・ケノービを探しに行ってしまう。翌朝、ルークとC-3POは、ランドスピーダーで彼を捜索に向かうのだった。
映画本編では非常に短いシーンに編集されているが、実際にはルークがベン老人の家が近いことを話し、レーダーでR2の位置を掴んでいた。
ジャンドランド荒地の外れにあるオビ=ワン・ケノービの家は、特別篇でその外観が大きく修正された。
デス・スターの司令室の別テイク。スクリーンの映像にCG風のアニメーションが使われている。
酒場のシーンは当初イギリスで撮影されたが、予算の関係でエイリアンの数が少なく、マスクやメイクにも質の悪いものが多かった。ルーカスはこの不満を解消するために追加予算を申請し、後日、アメリカで追加撮影を行った。その結果、イギリスでの撮影シーンは大半がカットされている。謎の女性と同席するハン・ソロのシーンもその1つである。
このシーンはCD-ROM『ビハインド・ザ・マジック』に収録されている。
モス・アイズリーの街頭シーンは多数のカットが撮影されており、なかには『フラッシュ・ゴードン』のパロディなども含まれている。しかし、大半はストーリーにまったく関係ないシーンであり、映画のテンポを優先してほとんどがカットされてしまった。これらの一部は『ホリデー・スペシャル』の挿入シーンとして陽の目を見ることになる。
また、特別篇ではCGによる挿入シーンが数多く追加され、みすぼらしい田舎街だったモス・アイズリーは、賑やかな繁華街へと大きく様変わりした。
<ミレニアム・ファルコン>を整備するため一足先にドッキング・ベイ94へやって来たハン・ソロとチューバッカは、彼らを待ち構えていたジャバ・ザ・ハットの一味と遭遇する。
当初、このシーンは人間姿の男優デクラン・マルホランド(Declan Mulholland)が演じており、後にクリーチャー姿のジャバを合成させる予定だった。しかし、予算の関係で合成は実現せず、最終的にこのシーンはカットされてしまう。
だが、後にソロは賞金稼ぎボバ・フェットによって捕らえられ、『ジェダイの帰還』の冒頭では、ジャバの宮殿で救出劇が繰り広げられる。ルーカスはこのシーンとの整合性をあわせるため、『新たなる希望』でどうしてもクリーチャー姿のジャバを復活させたいと考え、特別篇でついにCG版ジャバの合成を実現させた。しかし、このCGは『ジェダイの帰還』のジャバとあまりにもかけ離れた姿をしており、結局、DVD版でより精巧なCGへと差し替えられることになる。
バスト参謀長がヴェイダーに、モス・アイズリーを捜索中であると報告している。ヴェイダーは彼に可能な限りの増員を行い、ドロイドを探し出せと命じるのだった。
2人は尋問に耐えているレイアの心の支えが、ドロイドたちの持つデス・スターのデータであることを認識しており、まずそれを奪回することが彼女の意思を砕くために重要であると考えていたのだ。
バスト「それまでは姫を落とそうとするターキン総督の馬鹿げたやり方で時間を浪費するしかありませんな」
完成版ではストームトルーパーに扮したルークが普通に監房のドアを開けるが、別テイクではブラスターで施錠を破壊し、ドアを開けていた。
ゴミ処理場から脱出したルークたちは<ファルコン>の待機するドッキング・ベイを目指すが、途中、通路で帝国軍将校と何度もすれ違うことになる。ブラスターを隠し、口笛を吹きながら、そ知らぬ顔で通り過ぎる一行に、将校たちはまったく関心を示さなかった。
このシーンは当然、脚本にも記載されていない。現場のアドリブで生まれたギャグ・シーンなのだが、あまりにも不自然なためカットされたのだろう。
追手のTIEファイターを全滅させたハンとルークが、<ファルコン>内の通路で互いを称えあって喜んでいる。
ヤヴィン基地で思いがけず旧友ビッグズと再会したルークは、レッド・リーダーに呼び止められた。レッド・リーダーは「スカイウォーカー」という名前に聞き覚えがあったのだ。
レッド・リーダー「まだ子供だったころに君の父さんに会ったことがある。すごいパイロットだった。君もしっかりやれよ。親父さんの半分の才能もあれば万事申し分ないんだがな」
このシーンは劇場版では最終的にカットされたが、特別篇で復活を果たした。しかし、新三部作との整合性のため、レッド・リーダーとアナキンが出会っているという設定は都合が悪く、ルークの父親に関するセリフの部分のみ削られたままである。
ヤヴィンの戦いでは短いシーンが矢継ぎ早に編集されている。当然、最終的にカットされたシーンも多く存在し、反乱軍パイロット、ジョン・D・ブラノンの戦死のシーンもその1つだ。
このキャラクターは後日設定でネイタン中尉とされたが、撮影当時はジョン・Dだった。旧三部作の後付設定は90年代に集中して行われており、このような混乱も数多く見受けられる。