ダース・ケイダス
(ジェイセンから転送)
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解説
ジェイセン・ソロは複雑な若者である。彼はフォースを使うことの是非について考え、その優柔不断さから人生の岐路に立たされている。しかし、彼の良心は常にこのような形で悩まされているわけではない。確かにジェイセンは新共和国国家元首の息子であり、冒険に満ちた特権階級の幼年期という幸せな人生を過ごしてきた。彼と双子の姉ジェイナは、スローン大提督の脅威が終わりを告げる頃、コルサントでハン・ソロとレイア・オーガナの子として生まれている。幼い頃から双子のソロはフォースが強く、2人は分かつことのできない精神的な絆で結ばれているのだ。
生まれて間もない頃、2人は帝国軍の攻撃を避けるため安全な惑星に匿われていた。だが、最終的に両親は家族で一緒に過ごすことが最も安全だという結論に達する。彼らはチューバッカ、C-3PO、そして乳母のウィンターに保護され、面倒を見られていた。そして双子が1歳半になったとき、兄弟に同じく強いフォースを持つ弟のアナキンが加わったのである。
3歳にも満たなかったときでさえ、双子はよちよちと冒険に出かけていた。C-3POから離れてコルサントをさまよっていた2人は、使われなくなったターボリフトでコルサントの恐ろしい下層区域に迷い込んでしまう。だが、幸運にも危害が及ぶ前に救出されたのだった。
その直後、ジェイセンは叔父であるルーク・スカイウォーカーの防衛に当たることになる。ルークは古代シス卿エグザ・キューンの暗黒の精神に屈し、精神を失った状態にさせられた。若い双子のジェダイを除き、ルークの弟子たちは誰も霊体となった師の姿を見ることができなかったのだ。ルークが肉食獣の攻撃から自分の体を守るべくジェイセンを導くと、わずか2歳の少年は叔父のライトセイバーを見事に使いこなし、彼を救ったのだった。
10代の初期に、ジェイセンとジェイナはヤヴィン4にあるルークのジェダイ・アカデミーに加わった。そこで彼らは訓練生のローバッカやテネル・カーと友人になる。学ぶにつれてジェイセンは自然と生きるフォースへの相関と感覚を強めていった。彼は本能的に動物たちと理解し合うことができ、マサッシ神殿の自室でも小さな動物たちをたくさん飼育していた。
その頃、彼と友人たちは第二帝政のダーク・ジェダイから、多種族同盟の反人間活動家にいたるまで、様々な外敵からの攻撃に晒されていた。ジェイセンはこれらの経験から多くを学んだが、その直後に開始される大虐殺に対する準備はできていなかった。
ユージャン・ヴォングによる侵略は、ジェダイ・オーダーに対する衝撃を招いた。この新たなる脅威は不可解にもフォースから切り離されており、表面上のあらゆる交渉の努力が徒労に終わったのだった。このエイリアンたちは主に銀河系の無生物テクノロジーに憎悪を抱いているが、特にジェダイとその超自然的パワーには特別な嫌悪を向けている。戦争が激化すると、ユージャン・ヴォングは侵略を中止することと引き換えにジェダイを囚人として引き渡すように要求した。打撃を受け困惑していた銀河系にとって、これは願っても無い申し出だったのである。
あらゆる局面で試練に立たされた新ジェダイ・オーダーのなかで、ジェイセンは苦しんでいた。彼はフォースが敵に対する武器以上のものであると信じている。彼は弟のアナキンを含む多くのジェダイが攻撃的な姿勢を持っていることを心配していたのだ。戦争の最中、ジェイセンは自分の力に背を向けた。彼はフォースを攻撃的に使うよりも、むしろフォースとの内面的な繋がりを熟考する道を選んだのである。心を落ち着かせる回答を探し出すために、ジェイセンは自分の才能を放棄したのだった。
マーカーへの危険な任務の際には、ジェイセンはフォースのより受動的才能を活用した。弟のアナキン率いるジェダイの奇襲部隊は、ヴォクシンと呼ばれる恐ろしいジェダイ狩りのための生物を生み出しているユージャン・ヴォングのクローン製造施設へと侵入する。ジェイセンはこのとき攻撃のためではなく、仲間を一致団結させるためにフォースを使ったのだった。しかし、この任務は悲劇的な結末を迎える。若きアナキンがユージャン・ヴォングによって殺害され、その怒りでジェイナがダークサイドに触れてしまったのである。そしてジェイセンもまた、ヴァーゲアとノム・アノアに率いられた敵兵によって捕らえられてしまったのだ。
ジェイセンは姿を消すと同時に、フォースの中での存在も消失してしまう。新共和国の多くの人々は彼の死を受け入れていたが、母レイアは彼がどこかで生きているという確信を決して失わなかった。
やがて、ジェイセンは「苦痛の抱擁」と呼ばれるユージャン・ヴォングの拷問台の中で目を覚ます。彼を監視していたのは謎のエイリアン女性ヴァーゲアだった。彼女はジェイセンに苦痛と悲痛を味わわせ、様々な謎掛けをして彼を悩ませる。しかし、ジェイセンは内なる精神力によって最後まで自分を見失わなかった。
そして、銀河系の惑星をユージャン・ヴォングの要塞へと改造するシードシップに乗せられたジェイセンは、惑星の転移に用いる有機的道具を培養するための、ナーセリィと呼ばれる部屋で働かされていた。そこで彼は生物への共感を示す持ち前の能力によって、ワールド・ブレインの幼生の一種であるドゥリアムと強い絆を築き上げる。彼は導管として肉体に埋め込まれたスレーブ・シードを使い、ユージャン・ヴォングのテクノロジーによって造られた生体機器との会話に成功した。彼は大胆にもこの絆を使って捕らわれの状態から脱出し、アンフィスタッフをも自分の鎧として制御することに成功したのである。ジェイセンを守るドゥリアムも彼の脱走に力を貸すが、それ以上の破壊工作を阻止したのはヴァーゲアだった。
ジェイセンとヴァーゲアはコルサントへと逃れた。しかし、この都市惑星の地表は完全に変わり果てていた。輝かしいメトロポリスはユージャン・ヴォングの有機体によって完全に覆われ、彼らの楽園と化していたのである。
ヴァーゲアはジェイセンからスレーブ・シードを除去するが、それでも彼はまだユージャン・ヴォングの存在を感じることができていた。再びユージャン・ヴォングに包囲されたジェイセンは降伏し、彼らの理想に加担することを決める。彼は神の化身カタッツ・アルユンとなった。ノム・アノアはジェイナを神々への生贄とするためにジェイセンを利用し、ユージャン・ヴォングの古代の預言を成就しようとしていたのである。
しかし、ジェイセンの真の忠誠は自分自身に向いていた。一方で、彼の信仰を試そうとするユージャン・ヴォングは、彼に捕らわれたジェダイ、ガナー・リソーディを生贄にするよう命じる。だが、2人のジェダイは反撃に転じ、ガナーが勇敢にも捕虜となると、ジェイセンはコルサントを転移させているワールド・ブレインと対峙した。ワールド・ブレインはかつてジェイセンと結んだ絆のことを覚えており、彼はこの生物に対してユージャン・ヴォングへの反抗を提案したのだった。
ガナーはそのとき死亡したが、ジェイセンはヴァーゲアと共にコルサントからの脱出に成功する。彼は衰退した新共和国の領域に戻ったが、痩せ細り、疲弊していた。そして十分な休暇を得た後、巡航艦<ラルルースト>で前線へと戻る。やがて新共和国と帝国、その他を交えた銀河連邦自由同盟が誕生すると、ジェイセンは叔父のルーク・スカイウォーカーを伴って未知領域へと向かい、ユージャン・ヴォングの脅威に対する解決策を探し始めるのだった。