ソン
提供: スター・ウォーズの鉄人!
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解説
4本足の獣の姿をしたジェダイ・マスター、ソンは、未知領域の奥深くに位置する未知の星系出身であり、彼の起源もまたその出身惑星と同様に謎に包まれている。また、ソンの種族に関する情報もほとんど存在しておらず、共和国の人類生物学者たちは彼に種族に関する質問を行うが、そのすべてが否定され、その後仕方なくファールという適当な名前を付けたのだった。実際には、ソンはチュークサイと呼ばれる種族の1人であり、同じ名前で呼ばれる独自の言語を使用していた。だが種族名が分かったところで、チュークサイもファールも同様に謎の多い種族であることには何の変わりもないのだ。
ある日、ソンはジェダイの道にふさわしい大きな力を持ってジェダイの惑星オッサスを訪れた。そのときから彼の謎に満ちたジェダイ・ナイトとしての初期の人生が始まったのだ。実際、彼は以前から持っていた謎の力をオッサスのジェダイ・マスターたちに教えることができた。ソンはさらに数年間オッサスに留まるが、やがて今より隔離された惑星で平和に弟子を指導したいと思うようになる。こうしてソンは自分にあった惑星を探すため、ライトセイバー1本だけを携えて旅に出るのだった。
銀河系を進むに連れ、ソンは漆黒の点に興味を惹かれるようになった。彼は船をその黒点に向けながら、その存在について瞑想した。ソンと彼の船はステネス星系の惑星アンブリアに進路を定めた。この惑星は全体がダークサイドに覆われていたのだ。1,000年前のシス帝国の崩壊の直後、撤退した数人のシス戦士がアンブリアに逃れたと言われている。彼らはソンが到着する数世紀前にフォースと同化したが、その魂は未だこの辺境の惑星に留まっており、あらゆる生命を荒廃させ、アンブリアを荒れ果てた不毛の惑星にしていたのだ。ソンはこの惑星こそが自分の必要とされている場所だと確信し、地表の岩肌に着陸した。船を出た途端、彼はシスの亡霊による攻撃を受けるが、難なくそれを交わしていった。だが、攻撃は絶えず続けられ、次第にソンも疲れを募らせていく。やがて彼は必死の努力でナス湖に潜り、ダークサイドに身を委ねる振りをした。シスの亡霊がソンに群がると、彼はライトサイドのエネルギーの網をもってそれを絡めとリ、罠に捕らえた亡霊たちを永久にナス湖に封印したのだった。
シスの亡霊を打破した後、ソンは湖の近くにジェダイの訓練施設を準備し、さらにはアンブリアの生態系を復活させるために近隣の惑星から小動物たちを連れてきた。彼はその後10年間この惑星で1人で過ごすが、弟子を取るべきときはすぐに訪れた。古くからの友人、年老いたジェダイ・マスター、ガーノーが高齢によって間もなくフォースと1つになろうとしていることを知ったソンは、ガーノーの最後の弟子、ヴァルタンのオス・ウィラムを引き取る約束を交わし、彼をアンブリアの訓練施設に連れてきた。2人はそこで教えやすく、学びやすい、平和で静かな暮らしを送っていた。そして数年間、ソンはオスを鍛え続け、ジェダイの秘密を伝授すると、オスは力強いジェダイ・ナイトへと成長したのだった。しかし、2人の静かな暮らしはソンの友人であるジェダイ・マスター、カーマからの知らせによって破られる。カーマは自分の弟子アンデュア・サンライダーに教えられるすべての修行を与えたが、彼にはさらなる師匠が必要だと話す。こうして、アンデュアがソンの下で修行を続けるべく、妻ノーミと幼い娘ヴィマを連れてアンブリアを訪れることになったのだ。
多くのジェダイが言うように、フォースは神秘的な方法で働く。ふとした運命の湾曲によって、アンデュアは決してアンブリアでソンの教えを受けることができなくなったのだ。旅の途中、アンデュアとその家族はあるジャンプ・ステーションで休息を取っていた。このとき彼らはステーションを取り仕切る犯罪組織の刺客から襲撃を受け、家族を守ろうとしたアンデュアは殺害されてしまった。しかし、彼はフォースと一体となる前に、妻にフォースが意図した展望を伝えるのだった。アンデュアの妻ノーミにはフォースに関する独自の才能があった。彼女はジェダイ・ナイトとしての役割を果たさなければならず、そのためにはアンブリアでマスター・ソンの教えを受ける必要があった。アンデュアはそのことを伝え、妻の腕の中で姿を消すのだった。
ソンとオスはフォースと瞑想を通じて遥か遠くで起きたアンデュアの最期を感じた。ソンはノーミ・サンライダーをジェダイ・ナイトとして訓練することもフォースの意思であると理解し、彼女が後に銀河系を震撼させるであろう邪悪に対して重要な役割を演じることになると予見した。やがてノーミがヴィマと共にアンブリアに到着した。ノーミは最初にオスに紹介されるが、彼女はオスをソンと間違えてしまう。そのころ、ジャンプ・ビーコンでアンデュアの家族を襲った犯罪王ボガ・ザ・ハットの一味もノーミを追跡し、アンブリアに到着していた。そして皆の紹介が終わる前に、ボガは傭兵を引き連れてノーミとオスの前に姿を現し、2人を取り囲んだ。ボガの傭兵たちはオスを打ち負かしたが、深刻な状況になる前にソンが戦いに加勢し、襲撃者たちを追い払うのだった。敗北に気づいたボガは速やかに退却し、ノーミ、オス、そしてソンは互いに正しく紹介しあった。ノーミはこの役畜とも思える奇妙な生物を見て、それがジェダイ・マスターであること、そして自分の師匠となることに驚いた。さらに驚いたことに、ソンはノーミが到着してから何ヶ月もの間、彼女を無視し続け、何も教えようとしなかったのである。しかし、ソンは彼女が多大な喪失を経験したばかりであることを知っていた。彼女はまだ人生の急変に混乱している状態にあったのだ。マスター・ソンはノーミに夫の死を悲しませ、ジェダイ・ナイトになるという新しい役割を受け入れさせるための時間を与えていたのである。
ノーミが夫の死を悲しんでいる間、ソンは瞑想に多くの時間を割き、同時にオスへの訓練を続けていた。やがてソンはオスのフォースの強さを認め、彼がジェダイ・ナイトとして銀河系に仕える準備ができていると判断した。その後、オスはアンブリアを訪れたジェダイ・ナイト、トット・ドニータから、惑星オンダロンの城塞都市イジズの人々を助ける任務へと召還されていった。オスがアンブリアを去ったことで、ノーミとソンは、かつてソンとオスが2人だけで過ごしていたときと同じ自由な時間を手に入れた。ソンは瞑想の中でこの銀河系全体に邪悪が広がりつつある光景を見た。彼は同時にその邪悪が未来を覆う可能性を予見するが、未来はすべてのジェダイ・ナイト、、特にノーミ・サンライダーを求めており、彼女の名はその後何世代にもわたってジェダイの間に語り継がれることになるのだ。こうした展望を得たソンは、直ちに彼女の訓練を開始したのだった。
ソンが最初に直面した難題は、ノーミがジェダイになることを不本意に思っていたことである。彼女は未だに夫の死に関連した出来事に悩まされ続けており、自分を襲う暗殺者と戦うことを強いられていた。ソンは討論やジェダイ・ホロクロンの使用を通じてノーミの不安を少しずつ取り除いていったが、彼女はまだジェダイになるために必要とされる洞察力と責任を受け入れていないようだった。そしてある訓練の最中、またしてもボガ・ザ・ハットがより多くの武器と傭兵を引き連れてアンブリアに戻ってきた。訓練所が攻撃されるなか、ノーミはヴィマを守るため安全な場所に避難した。しかし、ソンは襲撃者に身を委ね、フォースに手を伸ばしつつ、ノーミに選択を促すのだった。これはノーミにとって重大な分岐点となり、彼女は最終的に自分の役割がジェダイであることを認めたのである。彼女は無意識にジェダイの戦闘瞑想と呼ばれる技を使い、敵を味方同士で戦わせることに成功した。2人のジェダイは続く戦いで再びボガの手勢を撃退することができたのだった。すべての危険を退けるため、ノーミはジェダイの道を学ぶことを切望した。ソンは今一度教師としての役割を手にし、ノーミをジェダイとすべく訓練を開始したのだった。
アンブリアでのソンの暮らしは質素なものだった。そのため、彼はノーミをジェダイの惑星オッサスへ連れて行き、そこで自分のライトセイバーを作らせ、大ジェダイ公文書館で学ばせていた。やがてノーミはジェダイの機動部隊の一員として、フリードン・ナッドの暴動が起きているオンダロンへと派遣されることになった。その後の数ヶ月の間、オンダロンがダークサイドの支配者アマノーア女王とオミン王から解放されたため、ソンはオッサスに残っていた。だがそのとき、クラースと名乗るダークサイドの集団がエンプレス・テタ星系で政治的クーデターを起こし、ジェダイに対して宣戦を布告したのである。この非常事態に対処すべく惑星デネバでジェダイの大規模な会議が召集されることとなり、ソンも議論を行うため代表団の1人として旅立っていった。しかし、この会議はクラースがジェダイに対して放ったバトル・ドロイド軍による奇襲によって開始後間もなく中断されてしまった。この攻撃の後、ソンと他のジェダイたちはクラースへの対抗策を討議すべくオッサスへと戻るのだった。
オッサスでソンは臨時の評議会を開催し、クラースとジェダイとの戦争の状況について議論した。この評議会で、ノーミとケイ・ケル=ドローマはクラースに潜入しているウリック・ケル=ドローマを救出したいと申し出た。彼らはウリックがダークサイドの誘惑に駆られる危険な状態にあり、まさに最後の一線に差し掛かっていることを懸念していたのだ。ソンと評議会は2人の若いジェダイにその計画を実行する許可を与えた。だが、ソンはあくまでもウリックが自分の意思で戻ってこなければならないと警告した。もし彼が留まる決意をしたならば、ジェダイはその意思を尊重しなければならなかった。しかし、この目論みは崩れ去り、銀河系はさらなる深い抗争へと進んでいった。ウリックはクラースとの同盟を宣言し、エグザ・キューンと共に新たなるシスの暗黒卿を名乗った。一方で、ソンはオッサスに留まっていたが、やがてこの問題の解決策を瞑想すべくアンブリアへと戻るのだった。
後にノーミとその娘ヴィマ、そしてキャサーのジェダイ・ナイト、サイルヴァーがアンブリアのソンと合流した。さらにソンのかつての弟子オス・ウィラムとサイルヴァーの恋人のクレイドーが後に続いた。だが、オスとクレイドーはエグザ・キューンに騙されてヤヴィン4のジャングルに導かれ、シスの魔術によって洗脳されてしまった。キューンは2人にかつての師を探し出し、殺すよう指示するのだった。彼らはマスター・ソンを殺害すべくアンブリアへと向かった。オスとクレイドーはナス湖の湖底から巨大な爬虫類の怪物を召還し、ソン、ノーミ、サイルヴァーを襲わせると、自分たちも襲撃現場へと向かった。だが、怪物はソンの敵ではなく、ノーミとサイルヴァーにとっても同様だった。ソンはオスを捕まえてシス魔術の悪夢から目覚めさせたが、もう片方の手で取り押さえていたクレイドーはなんとか脱出し、クラースの元へと逃げ帰っていった。ソンはこの攻撃の背後にある動機を感じ取った。これはできるだけ多くのジェダイ・マスターを始末しようとするエグザ・キューンの陰謀だったのだ。ソンは他のマスターたちの身を案じ、オスが回復すると同時に弟子たちを引き連れてオッサスへと向かった。しかし、彼は他のマスターたちが自分ほど幸運でなかったことを知って愕然とした。彼らは既にことごとく殺され、フォースと一体となっていたのだ。シスの目論みは成功していたのである。
オッサスに到着したジェダイたちは、クラースがオーリル・セクターのケンプレックス9を攻撃していることを知った。オーリル・セクターの近郊にはクロン星団があり、そこには不安定な10個の恒星が存在していた。ソンはジェダイの攻撃部隊をクロン星団に派遣し、クラースと戦うことに同意したが、オッサスにはキューンにとって重要なものが存在するため、慎重に守る必要があることも理解していた。そして、すぐにこの推測が正しかったことが証明された。オッサスはマンダロアの軍団を伴ったキューンとウリックによる攻撃を受けたのだ。事態はさらに恐ろしく、クラースはクロン星団全体を爆破し、10個の恒星の爆発による衝撃波がオッサスへと向かっていった。ジェダイにできることは、これまでに彼らが記した無数の書物と教義を有する古代ジェダイの惑星を放棄し、脱出することだけだった。ジェダイといえども、すべての情報を運び出すことは不可能である。だが、それは何もせずに諦めるという意味ではなかった。ジェダイたちは可能な限り多くの古代書物や工芸品を宇宙船に詰め込み、惑星からの脱出を開始したのだった。
ソンの友人だったジェダイ・マスター、ウード・ブナーも、ジェダイの工芸品を守ろうとしていたときにエグザ・キューンと遭遇した。だが、彼はこの戦いでキューンを撃退するために自らを犠牲とし、体をオッサスに植え付けて着生状態へと転移した。同時にウリックを支配していたダークサイドの力も終焉を迎えつつあり、残すはキューンを倒すだけとなった。やがて最後の脱出船が呼ばれようとしたとき、ソンは別れを告げるためブナーのもとを訪れた。彼はブナーがこの戦争のもう1人の犠牲者となることへの後悔と悲しみ、そして最後の別れの言葉を伝え、他のジェダイと共に安全な船に乗り込むのだった。一方、キューンは本拠地であるヤヴィン4に撤退し、シスの魔術とダークサイドのフォースを使って精神を肉体から解放した。彼はこの衛星に生きるすべての生命力を吸収し、銀河系全体に大破壊を巻き起こそうと考えていたのだ。オッサスの軌道上でそれを察知した数千のジェダイたちも、キューンの野望を阻止するため、最後の戦場となるヤヴィン4へと向かった。そこでソンと他のジェダイたちはフォースの瞑想を行い、キューンの魂を封じ込める光の壁を築き上げた。彼の魂は力を集中させるために使っていた神殿から離れられなくなり、その場に封印されてしまった。こうしてついに、多くの犠牲者を出したシス大戦は幕を閉じたのである。
そして10年後、ソンは多少歳をとり、ノーミ・サンライダーはジェダイの偉大な指導者の1人となっていた。彼らは共和国の将来について議論するため、他のジェダイたちを招集した。ソンは旅をし、各地で多くの友人やシス大戦を共に戦った仲間のジェダイたちに声を掛けていった。そのなかにはサイルヴァー、トット・ドニータ、そして美しい女性へと成長したノーミの娘ヴィマも含まれていた。この会議の後、ソンは他の年配のジェダイ・マスターたちが歩んできたのと同じ哀愁と余生を受け入れ、引退を決意した。彼は最も偉大なジェダイ・マスターの1人として、銀河系の歴史の1ページにその名を刻んだのである。