ダーシャ・アサント
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解説
ダーシャ・アサントはナブーの戦い直前の旧共和国時代に活躍した人間の女性ジェダイ・ナイトである。オルデラン出身の孤児だった彼女は4歳のとき、トゥイレックのジェダイ・マスター、アヌーン・ボンダーラによって見出され、コルサントのジェダイ聖堂に連れてこられた。そこでダーシャはジェダイの道を学び始め、やがてボンダーラ自身に師事するようになった。彼女は優れた門弟となり、ジェダイ・オーダーの中でも随一とされるライトセイバーの名手だったマスターの期待にも応え、厳しい修行を成し遂げたのだった。
やがてパダワンとしての修行が終わりを迎えるころ、ダーシャはジェダイ評議会から訓練の最終試験を与えられた。彼女の任務は、ギャング団などの犯罪組織が暗躍しているコルサントの危険な下層区域クリムゾン・コリダーに侵入し、フォンドリアンのウールスを連れてくることだった。彼は犯罪組織ブラック・サンの一員であり、救出することと引き換えにオーダーの尋問を受けることになっていたのである。
マスターから最後の助言を得たダーシャは、小さなスピーダーに乗ってコルサントの危険な地下街へと向かった。彼女は無事ウールスを発見したが、その直後にラプターと呼ばれるギャング団と遭遇してしまった。ダーシャは彼らの攻撃をかわし、ギャング団の追跡を逃れるが、この騒動によってスピーダーを壊してしまった。それでも彼女はウールスを連れてコルサントの安全な階層にまで上ろうと努力するのだった。だが、その直後に悪意あるホーク=バットからの攻撃を受け、不運にもウールスは数レベル落下してしまった。ウールスを見失い、卒業の任務の失敗を確信したダーシャは評議会へ報告に戻ることを躊躇した。しかし、彼女はマスター・ボンダーラと相談の上、再び現場を調査することを決めた。パダワンに最善を望むボンダーラは、ウールスが生きている可能性に望みを託し、再びクリムゾン・コリダーへと向かった。同時に、彼はウールスの命運がはっきりするまで、評議会に結果を報告しないことを決めたのである。しかし、2人はそこでウールスの遺体を発見し、最後の望みを失ったのだった。
仕方なく、師弟はジェダイ聖堂へ向かった。その途中、彼らは遠くでスピーダーが攻撃を受けているところを目撃した。そのスピーダーには中年の男とドロイドが乗っており、追跡者はダーシャもボンダーラも見たことのない、ライトセイバーを持った黒いローブ姿の人物だった。逃げる2人は密輸業者のローン・パヴァーンとその相棒I-5YQ、追っ手は謎のシス卿ダース・モールである。ジェダイの師弟がローンとI-5を助けに向かうと、ローンはスカイカーの上で今起こっていることすべてを説明した。彼は通商連合のハス・モンチャー副総督から受け取った情報をもって逃げていたのだ。その情報はホロクロンに封印されており、通商連合によるナブー封鎖計画と、それに続くシス卿の銀河系征服計画の全貌が記されていた。シスはまだこの計画を明らかにする時期ではないと考えており、モールはこの情報を知った者をすべて抹殺するために送り込まれてきたのだった。ローンとI-5はまさにその標的とされていたのである。
モールの凄まじい追跡劇を見たボンダーラは、彼らを逃がすため自分がシスを食い止めなければならないことに気づいた。彼はダーシャに操縦を譲り、全速力でジェダイ聖堂に戻るよう指示した。そしてボンダーラはスカイカーからモールのスピーダーに飛び移り、格闘を開始するのだった。両者はコルサントの摩天楼の中のひっそりとしたプラットフォームに降り立ち、激しいライトセイバー戦を繰り広げた。ジェダイ・マスターとシス卿の戦いは、この銀河系でも1,000年来の出来事だったのだ。
そのころ、師の敗北を予感したダーシャは彼の命令に背き、加勢するため戦闘場所に引き返した。ボンダーラはおそらく当代のオーダーで最高の剣士だった。だが、子供の頃からジェダイとの対戦だけを夢見て壮絶な修行を積んできたモールにとっては、彼も所詮敵ではなかったのだ。勝ち目がないことを悟ったボンダーラはモールを道連れに自らを犠牲にすることを決心した。彼はモールをスピーダーの後方に誘導し、燃料庫に近づいた。そこでボンダーラは燃料庫を一刀両断し、大爆発を起こしたのである。しかし、モールはこの爆発を生き延びた。逆にダーシャとローンが爆風の煽りによって負傷し、再びモールの追跡を受けることになるのだった。
ダーシャとローン、そしてI-5の3人はコルサントの超高層ビル街を抜け、広大な地下迷宮へと逃げ込んだ。彼らは何度もダース・モールに捕まりかけては逃げ切り、コルサントの地下に生息する蛮族クソーンや、フォースを無力化するタウジンなどの恐ろしい怪物たちとも遭遇しながら必死に逃走を続けていた。やがて彼らは再びストリート・ギャング団ラプターの出没する廃墟へと逃げ込んだのだった。
逃走のなかで、ダーシャはローンがジェダイに対する激しい憎悪を抱いていることを知り、落胆した。かつて彼にはフォースに敏感な幼い息子がいたが、ジェダイ・オーダーに見出され、修行のためジェダイ聖堂へ連れて行かれたのだった。そしてジェダイ評議会は父と子の感情的衝突を避けるため、ローンを決して聖堂に近づけなかったのである。それ以来、彼はジェダイをずっと憎んでいた。しかし、ダーシャは次第にローンと打ち解けあい、彼の心の傷を調和させ、ジェダイへの憎悪を解放させることに成功したのである。
やがて3人はコルサントの上層部付近に到達し、金属製の燃料容器や小型カーボナイト冷凍装置のある部屋に入った。彼らは逃げ切ることができたと思い、無事を祝い始めようとしたそのとき、獲物に追いついたモールが現れた。ダーシャは自分の力では勝てないことを知っていたが、ローンとI-5を冷凍室に閉じ込め、ライトセイバーでシス卿に戦いを挑むのだった。彼女はライトセイバーを得意としていなかったが、紛れもなくジェダイ・ナイトであり、強力なフォースを持っていた。モールはせわしなく動き回り、獲物と戦いのスリルを弄びながらも彼女の予想外の強さに混乱をきたしていた。そしてダーシャは、この暗黒卿に打ち勝つ可能性のある最後の作戦を実行に移したのである。
それはマスター・ボンダーラと同じ作戦だった。ダーシャは足元に転がる金属製の燃料容器を大型パイルの中に集め、そこにモールを誘導していった。そしてパイルをライトセイバーで切りつけ、2人を部屋ごと吹き飛ばす大爆発を巻き起こしたのである。こうしてダーシャはフォースと1つになった。しかし、直前に彼女の作戦を見切っていたモールは、最後の数秒の間にフォースで跳躍し、部屋から脱出することによって辛くも生き延びていたのである。その後、彼は同じく生き延びていたローンを殺害し、シスの計画の秘密を守り通したのだった。ジェダイ評議会は、ダーシャがウールスを死なせてしまったことさえ知らなかった。そして行方不明となったダーシャとマスター・ボンダーラの運命も、決して知られることはなかった。迫り来るシスの脅威への準備も何も整っていないのだ。