ギラッド・ペレオン
(ペレオンから転送)
| ||||||||||||||||||||||||||||||
|
解説
ギラッド・ペレオンは旧共和国時代から50年以上にわたって忠実に職務を果たしてきた帝国軍の老将校である。
エンドアの戦い後のコルサント陥落時に新共和国の手に渡った機密書類の中から、帝国軍将校に関する数多くの調査書類や個人記録が発見された。これらの資料によると、ペレオンは年齢を偽ってレイサル・アカデミーに入学したコレリアンであり、そこで信頼できる能力を発揮させたのだという。特に注目すべきことではなかったが、彼はクラスの上位から3分の1に入る立派な成績でアカデミーを卒業したのだった。
彼は惑星ギャヴリンへ向かう輸送船団の護衛という最初の任務でその名を馳せた。ギャヴリンの軌道に突入したときの海賊たちとの戦闘の最中、当時少尉に過ぎなかったペレオンは惑星の磁極に向けて艦を動かすことによって捕獲されることを防ぎ、敵艦のセンサーを妨害した。海賊船が他の護衛船に乗り込もうと移動したとき、彼はそれらを攻撃し、一掃したのである。彼は直ちにスター・デストロイヤー<キメラ>の司令部要員として抜擢された。その後も副司令官にまで昇進し、キャッシークにおけるウーキーの奴隷化任務などを経て、エンドアの戦いまでその地位に就いていた。そして、エンドア上空での帝国艦隊と反乱軍との戦いで<キメラ>の艦長が戦死したとき、ペレオンが後任として指揮を執ることになったのである。
ペレオンはエンドアの戦いに参加した帝国軍将校の中でも、破滅より慎重な撤退を選んだ数少ない人間の1人だった。スター・デストロイヤー<キメラ>の艦橋から、彼はこなごなに砕け散ったかつての強大な帝国軍を一まとめにしようと5年間にも渡って奮闘していたのだ。彼はそうすることがあらゆる訓練と自負に反していると知りながらも、反乱軍と遭遇するたびに撤退に次ぐ撤退を命令し、野心的なモフや貪欲な士官たちを同調させていたのである。当初の4分の1にも及ばない規模だが、少なくとも帝国は生き残った。エンドアの戦い後、ペレオンは残党を1つにまとめるべく最善を尽くした。しかし、彼のこうした努力にも関わらず、帝国軍は一度として反乱軍に対する主導権を取り戻すことができなかった。帝国はかつて支配していた領域の4分の1程度にまで押しやられ、彼はたじろぐような撤退命令を余儀なくされるだけだった。しかも、かつては帝国の片田舎と言われていた場所を必死に守ることを強いられたのである。強大な帝国がこのような弱小国家にまで衰退する様を目の当たりにすることは苦痛であり、ペレオンにとっても不愉快なことだった。アカデミーからの乗員供給も途絶え、彼は徴兵のために艦に惑星の襲撃を命じた。こうした命令は乗員たちを服従させ、彼らを補充するために新たに募られた志願兵たちは訓練を積まなければならなかった。ペレオンはこのような状況に嫌気が差していたが、現状では必要なことだったのである。
スローン大提督が未知領域から帰還すると、ペレオン艦長は大喜びで帝国の指揮権を偉大な司令官に引き渡した。もちろん非人間が大提督の制服を着用している姿に慣れるには時間がかかったが、ペレオンはスローンの側近として働くようになり、大提督の戦術に対する考え方、精密な計算の上で展開される複雑な作戦に敬意を払うことを学んでいった。大提督がどのようにして結論に達したのか、彼にはいつも理解できたわけではないが、スローンの導きに疑問を抱かないことも学んだのである。
スローン大提督の死後、新共和国情報部はペレオン艦長の行方を見失い、彼の行動や<キメラ>に関する報告は長い間途絶えたままだった。ペレオンはスローンの所有していた残りの船を使ってコア・ワールドへと逃亡し、テラドク高位提督と接触していたのである。
ペレオンはテラドクの所有するヴィクトリー級スター・デストロイヤーの大規模な艦隊を指揮し、テラドクとそのライバルであるハースク上位大将軍との抗争に加担させられていた。しかし、ダーラ提督が反目しあう帝国軍司令官たちの合流を呼びかけるために現れたとき、ペレオンの心が大きく傾いた。彼はダーラの理想に共感してテラドクを裏切り、全司令官たちによる会合を開く計画を支持したのである。だが会合は決裂し、ダーラとペレオンは出席した6人の司令官全員を毒殺するという最悪の決断を強いられた。こうしてダーラは帝国軍の残存勢力を率いて反乱軍を壊滅させるための作戦を実行に移せるようになり、ペレオンも彼女の部下として17隻のインペリアル・スター・デストロイヤーを与えられたのだった。
ペレオンの最初の任務は新共和国の象徴とも言うべきジェダイ・アカデミーの破壊だった。ジェダイ訓練生たちの不意をつくヤヴィン4への襲撃は完璧なものだったが、ペレオンにはフォース・パワーに対抗する準備ができていなかった。訓練生の1人ドースク81が自らの命と引き換えにアカデミーに残された訓練生たちのフォースを集中させ、ペレオンの艦隊をヤヴィン星系の遥か彼方にまで吹き飛ばしたのである。ダーラの旗艦であるスーパー・スター・デストロイヤー<ナイト・ハンマー>が到着したときには、ペレオンの艦隊の機影は既になく、新生帝国軍は応戦に駆けつけた新共和国軍の前に再び敗退を余儀なくされた。なんとか脱出したダーラは相次ぐ失敗に戦意を喪失し、帝国軍最高司令官の地位をペレオンに譲ったのだった。
彼にとってこの状況はまさにエンドアの戦い後と同じものだった。ペレオンは残存戦力を再びコア・ワールドに集結させ、あらゆる可能性を考慮し始めた。彼は数年にわたってクローキング装置の改良やコンピューター式戦術照準装置の実用化を試みたが、すべては失敗に終わり、もはや自分たちに新共和国と戦う力が残されていないことを実感した。ペレオンはついに意を決してモフたちを招集し、新共和国との和平締結、すなわち降伏を提案したのである。多くのモフたちはこの提案に不快感を示したが、最終的には現実が受け入れられ、ペレオンはガーム・ベル・イブリスとの交渉を行うことになった。しかし、野心家として知られるモフ・ディズラには、彼だけの秘密の計画があったのだ。
ディズラは亡きスローン大提督の影武者を用意し、銀河系各地でスローンが生きていたというデマを流布し始めた。同時にペレオンの和平交渉を妨害し、新共和国に内乱を仕向けることによって帝国の再興を画策したのである。しかし、ペレオンは密輸業者であり情報ブローカーでもあったタロン・カードと接触し、ディズラの計画の全貌を掴むことに成功した。ディズラの計画は失敗に終わり、ついに帝国と新共和国との和平協定が結ばれた。パルパティーン皇帝の誕生以来、長年にわたって続けられた銀河内乱が終結したのである。
やがて外銀河からの侵略者ユージャン・ヴォングが新共和国を脅かすようになると、新共和国はペレオン率いる帝国軍の残党に協力を要請した。そしてペレオンもこのかつてない脅威から銀河系を守るため、戦争協力に同意したのである。