ジロ・ビースト
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ジロ・ビーストは、惑星マラステアに土着する爬虫類の非知覚生物である。太古の昔、この超巨大生物は惑星の原住種であるダグを捕食していた。しかし、ダグは次第に優勢となり、生息地で燃料を採掘するなどの様々な手段を通じてジロ・ビーストを駆逐していったのである。やがてクローン大戦の時代になると、ジロ・ビーストは絶滅したと広く信じられていた。だがその一方で、少なくとも1匹は生き延びているという噂も根強く残っていた。
マラステアの戦いの最中、銀河共和国は分離主義勢力のバトル・ドロイド侵略軍を行動不能にする新型超兵器、電子プロトン爆弾を実戦投入した。だが、このときの振動によって偶然にもジロ・ビーストが目覚めてしまい、破壊的な凶行を開始したのである。この大惨事に恐怖したダグたちは共和国に怪物の抹殺を要求し、共和国も仕方なくそれを受け入れのだった。だが科学的研究のためにこの生物を生け捕りにしたいと考えるパルパティーン最高議長とジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーは、この猛獣をスタン・タンクで動けなくし、殺したように見せかけることにしたのである。
この作戦は成功した。ジロ・ビーストは意識を失い、ダグたちにもこの怪物が死んだと思い込ませることで満足させることができたのである。見返りとして、マラステリアン評議会は銀河共和国との間でマラステア協定を締結し、共和国はこの惑星の備蓄燃料を自由に使えるようになった。そしてジロ・ビーストは科学的研究のため銀河首都コルサントへと運ばれたのだった。だが、怪物は到着後に逃走し、何百万のも人々の命が危険に晒されることになる。ジェダイは人々の命を守るべきか、その種の最後の個体を保護するべきか、厳しい選択を迫られたのだった。
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特徴
ジロ・ビーストは、ランドスピーダーのような(100メートル程度の)他の物体や他の有機生命体を、大きさ、重量の双方ではるかに凌駕する超巨大生物である。彼らは概ねヘビに似た姿をしているが、外側に向かって手足が生えており、後ろには長い尻尾を引きずっている。また、背中からは特徴的な第3の腕が突き出ており、そのプレートのような甲羅は、爆弾やブラスターの光弾や、さらにはライトセイバーによる攻撃に対しても強い耐性を持っている。
こうした強味がある反面、体を保護する甲羅には弱点も1つあった。プレートとプレートの間に小さいが無防備な箇所があり、そこを攻撃されると貫通してダメージを受けてしまうのだ。実際に、共和国はこの怪物を動けなくするためにスタン・タンクでこの隙間をうまく突き、こん睡状態にすることに成功している。また、もう1つの弱点はマラステア産の燃料に含まれる毒素である。これはジロ・ビーストに対して非常に毒性が強く、実際にこの生物を殺傷できた数少ない手段の1つだった。
ジロ・ビーストの目は常に淡い黄緑色に光っており、鼻孔は頭骨の上部に開いている。
この生物はある程度の原始的な知性を有しており、パルパティーンを追う際にその人相を識別することができた。また詳しい内容までは理解できないまでも、言葉の背後に隠された意図を認識することができた。さらにこの生物には復讐の概念があり、コルサントへ運ばれたジロ・ビーストは自分を殺すよう命令したパルパティーンを見つけ出し、殺害しようとしたのだった。また、ジロ・ビーストはある程度のフォース感知力を持っていた可能性があり、ジェダイでさえも感知できなかったパルパティーンの邪悪な素性を見抜くことができた。この能力によって、ジロ・ビーストはパルパティーンの正確な居場所を知らないにも関わらず、彼を追跡することができたのである。
歴史
ジロ・ビーストは惑星マラステアのかつての優性種であり、太古の昔は同じ惑星に原住するダグたちを捕食していた。やがて月日が経過し、ダグたちは燃料を求めて惑星の採掘を開始した。これによってジロ・ビーストはじわじわと棲家を奪われ、ついには絶滅の危機に瀕したのである。古代のダグたちはこの生物の弱点を一覧にまとめており、その1つには可燃性の燃料が記されていたのだった。
やがてジロ・ビーストはこの世から消えたと信じられるようになった。しかし、1匹だけが生き延びており、将来彼らを滅ぼすために姿を現すだろうという予言もあった。そのため、ダグたちは来るべき日に備えて何世代もの間、この怪物への対処法を受け継いできたのである。そしてヤヴィンの戦いの22年前、クローン大戦が勃発し、マラステアは分離主義勢力による侵略の危機に晒されていた。彼らはこの惑星の豊富な備蓄燃料を求めていたのである。
これに対して銀河共和国は、重要な共和国惑星の備蓄燃料の保全と、ダグとの同盟関係の締結のため、大規模なクローン・トルーパー部隊を派遣した。また、ジェダイ・オーダーはこの任務における戦闘指揮に、ジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥとジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーを割り当てていた。だが、惑星上に展開された圧倒的な数のバトル・ドロイドは、パルパティーン最高議長に新型超兵器、電子プロトン爆弾の使用認可を促すことになる。この兵器は分離主義勢力のドロイド軍を消し去ることに成功したが、その衝撃によってジロ・ビーストの最後の生き残りを目覚めさせてしまい、戦場に壊滅的な破壊の嵐をもたらしたのだった。
パニックに陥ったダグたちはこの怪物の抹殺の準備を開始し、共和国にその支援を要求した。それができない場合、マラステアは協定の締結を断り、共和国がこの戦争に備蓄燃料を使うことを拒否するというのだ。しかし、マスター・ウィンドゥはこれを罪の無い生き物に対する殺戮行為であると見なし、ダグへの支援を拒否する。一方、パルパティーン議長はウィンドゥの主張に反してダグへの支援を公式に決定するが、科学的研究のためにこの生物を密かに生け捕りにしようとしていたのだった。
議長に近い科学顧問は、ジロ・ビーストの強靭な甲羅を研究したいと考えていた。スカイウォーカーの提案により、パルパティーンは粒子キャノンを使ってジロ・ビーストを気絶させるという入念な攻撃計画に許可を与える。彼らは、粒子キャノンの砲火であればこの生物の甲羅の隙間を貫通し、意識を失わせることができるはずだと考えたのだ。そしてジロ・ビーストが気を失えば、ダグたちはこの怪物が死んだと思い込み、協定への調印に同意してくれるだろう。その後、こん睡状態となった怪物は一旦アウター・リムの平和な未開の惑星に運んでしまえばよいのだ。
しかし、ダグたちは既にこの怪物を殺す準備に入っており、殺戮のために用意した穴に燃料を注ぎ始めていた。結果的にこの行動はジロ・ビーストを興奮させるだけに終わり、穴から姿を現した怪物はダグと共和国部隊の双方に甚大な被害をもたらしたのだった。だが、ジェダイはスタン・タンクのパワー・ビームを利用してこの怪物を気絶させることに成功したのである。
こうしてマラステア協定が調印され、意識を失ったジロ・ビーストは輸送を待っていたが、パルパティーン議長は計画の変更を命じていた。科学者たちはこの生体標本をアウター・リムの秘密の惑星に運ぶのではなく、設備の整った環境で研究したいと考えていたのである。そのためこの怪物は銀河首都コルサントへ運ばれることになり、到着に向けた準備が開始されたのだった。
コルサントに輸送された後、シオンヴァー・ボル博士によってジロ・ビーストに関する研究が開始された。その様子を監視していたパルパティーンは博士に、この怪物を殺して死体から研究材料となるウロコを取り外すよう指示する。博士はしぶしぶこの命令を受け入れ、マラステア産の燃料から毒ガスを生成した。ダグたちによると、この燃料はジロ・ビーストの弱点であり、気絶させ、殺すことさえできるというのだ。そしてガスが噴霧されると、毒に晒されたジロ・ビーストは再び怒りだし、拘束を逃れようとしはじめた。その後怪物は捕らえられていた建物から逃走し、コルサントで暴れはじめたのである。ジロ・ビーストは自分を殺せと命じたパルパティーンに復讐するため元老院を目指し、その途中で何百人もの罪のない人々が犠牲となった。やがてこの怪物はジェダイと共和国の活躍によって殺害されることになる。その後、ジロ・ビーストの死体は新たなる指示、すなわちジロ・ビーストのクローンを製造せよとの命令と共にシオンヴァー・ボル博士のもとへ送り返されたのだった。