ベク・ラワイズ
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ベク・ラワイズ元老院議員は、クローン大戦中に分離主義元老院で議長を務めていたシニティーンの政治家である。ドゥークー伯爵と独立星系連合の熱心な支持者であるラワイズは、議会を主導する役割を担い、連合国家元首と共にラクサスで議会を取り仕切っていた。ミーナ・ボンテリ議員が銀河共和国との和平協議を開始する法案を可決させたときにも、ラワイズは議会に出席していた。だが、結果的にこの動きは目的を達成する前に頓挫し、ボンテリは殺害されてしまう。これらは両方ともドゥークーの策謀によるものだったのだ。その後、ラワイズは分離主義議会の3人の代表団の1人としてマンダロアでの和平協議に臨み、外交的手段によって戦争を終結させようとする共和国の代表団と会談した。しかし、議論はミーナ・ボンテリの息子ラックスによって妨害されてしまう。そして、彼がドゥークーによる母親の殺害を公然と告発すると、ラワイズは代表団のセキュリティ・ドロイドを招集し、この若者の逮捕を命じたのだった。
その後、ラワイズは共和国のパドメ・アミダラ議員と共に、インターギャラクティック銀行グループの新しいリーダーとなったラッシュ・クローヴィスの承認を行うためスキピオを訪問した。だがその直後、この権限移譲にドゥークー伯爵が介入することになる。彼はクローヴィスに連合の負債を赦免させ、分離主義勢力によるスキピオの侵略を開始したのである。ラワイズはこうしたドゥークーによる一連の行為に異議を唱え、特に国家元首によるアミダラ議員の逮捕に強く抗議した。その結果、ドゥークーはフォースを使ってアミダラが構えたブラスターを動かし、ラワイズを射殺させたのである。
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経歴
ベク・ラワイズは銀河共和国の晩年を生きたシニティーンである。政治の世界に足を踏み入れたラワイズは共和国による銀河系全体の支配に異議を唱え、ヤヴィンの戦いの24年前にドゥークー伯爵によって創設された分離主義の独立星系連合に加わった。ラワイズは分離主義元老院の代表となり、ついには分離主義元老院議長の地位にまで登りつめると、連合国家元首のドゥークーと共に議会でのリーダーシップを発揮したのである。そしてヤヴィンの戦いの22年前、連合はクローン大戦として知られる共和国との全面戦争を開始した。連合軍は戦いの最前線で銀河の覇権を巡って共和国グランド・アーミーと戦い、一方でラワイズは連合首都惑星ラクサスの大都市に設置された分離主義元老院ビルで議会を取り仕切っていた。そしてヤヴィンの戦いのおよそ21年前、すなわち戦争開始から2年が経過したとき、オンダロンのミーナ・ボンテリ議員が共和国のパドメ・アミダラ議員と戦争終結に向けて共闘し、共和国元老院との和平交渉を開始するための法案を提出したのである。
ラワイズがホログラムで出席したドゥークーと共にこの法案に関する議論を見守るなか、カーチ・クシやヴォウ・エイテルら数名の議員たちがボンテリの提案に対する賛否を表明した。やがて、ドゥークーが独立星系条項に基づいて採決を呼び掛けると、法案は賛成多数で可決され、議会の和平提案が共和国に届けられることになる。だが、最終的にこの試みはドゥークーの策謀によって頓挫させられてしまった。シス卿オーダーの一員として密かに暗躍していたドゥークーは、シスの目的のために戦争を継続させたいと考えていたのである。ドゥークーは議会の承認なしに共和国首都コルサントへのテロ攻撃を指示し、共和国元老院が和平提案を拒否するように仕向けたのだった。さらに彼はボンテリを殺害し、彼女の死を共和国の攻撃によるものだと訴えると、それを分離主義議会が交渉の打診を撤回するための口実として利用したのである。だが、ボンテリ亡き後も外交努力は続けられた。その後、議会は中立惑星マンダロアで行われる共和国の代表との和平協議に分離派の代表団を派遣することに合意した。ラワイズはヴォウ・エイテル、アミータ・フォンティと共にこの代表団に加わることを承諾し、C-9979上陸艇でマンダロアの首都サンダリへと向かったのだった。
サンダリ王宮では、新マンダロリアンのサティーン・クライズ公爵が分離主義勢力と共和国の各代表団招かれていた。マンダロリアンの法に基づき非武装が要求されたにも関わらず、ラワイズたちはセキュリティ・ドロイドとしてBXシリーズ・ドロイド・コマンドーを同伴し、一方で共和国側も、モン・モスマ、ベイル・プレスター・オーガナ、パドメ・アミダラからなる共和国代表団のボディガードとしてセネイト・ガードを伴っていた。そしてアミダラが協議を開始させると、他の議員たちを代表してエイテルが、共和国に連合の政治的合法性を認めるよう要求する。これは連合が分離主義国家として誕生して以来、幾度となく繰り返されてきた話題だった。アミダラと共和国の代表者たちはエイテルの要求に触れることを躊躇うが、このときミーナ・ボンテリの息子であるラックスの突然の訪問によって会談が遮られた。彼は母の後継者としてオンダロンの議員となっていたが、この和平協議の直前に分離主義元老院の議席を返上していたのである。若きボンテリはクライズに発言の許可を求め、ラワイズとエイテルを苛立たせた。そしてボンテリは演壇で発言を開始し、ドゥークーが彼の母親を殺害したことを冷静に告発したのである。だが、この訴えはラワイズによって即座に否定された。分離主義元老院議長はボンテリの主張を虚偽として非難し、セキュリティ・ドロイドにこの若者の逮捕を命じる。そしてボンテリが部屋から排除されると、ラワイズは分離主義者の代表として協議が妨害されたことを謝罪し、議論を再開した。しかし、交渉はその直後に決裂してしまう。さらに、ボンテリはジェダイ・パダワン・アソーカ・タノの助けを借りて投獄を逃れ、マンダロアから逃走したのだった。
ヤヴィンの戦いのおよそ20年前、戦争最後の年、連合政府はラッシュ・クローヴィスをインターギャラクティック銀行グループの新しいリーダーとして承認することを議決した。彼は密かにドゥークー伯爵の支援を受け、腐敗した前指導部のコア・ファイヴを追放したのである。そして、分離主義勢力と共和国の各代表団が惑星スキピオにある銀行グループの本拠地を訪れ、権限の内部移行を見届けることになった。BXシリーズ・ドロイド・コマンドーの1個分隊を伴ったラワイズがスキピオの中央銀行に到着し、この要塞の前でクローヴィスを出迎えることになる。クローヴィスは共和国元老院からの正式な承認を得た後、共和国側の代表であるパドメ・アミダラ議員と共に故郷に帰還したのだった。クローヴィスとアミダラがカンサラー級クルーザーを降りると、ラワイズとムーンの警備兵たちがクローヴィスに挨拶した。すると、クローヴィスはアミダラとラワイズに、権限移行を見届けるため中央銀行の中立ゾーンに入ることができるのは、共和国と分離主義勢力、双方1名ずつのみだと説明する。ラワイズがそれに従い、ドロイド・コマンダーたちに外で待機しているよう命じると、アミダラも同様にコルサント・ガードのショック・トルーパー部隊に待機を命じた。そして、ラワイズとアミダラがクローヴィスと共に中央銀行に到着すると、ちょうどムーンの判事がクローヴィスの発見した横領および詐欺の証拠に基づき、コア・ファイヴに有罪判決を言い渡しているところだった。こうしてコア・ファイヴは投獄された後、ムーンの政府は銀行グループの支配権をクローヴィスに移譲し、ラワイズとアミダラの双方が拍手でそれを祝福したのである。
しかしその後、ドゥークーが後続の手続きに介入してきた。伯爵は銀行グループの支配権を奪い取り、グループに対する分離主義勢力の負債を免責にしようと目論んでいたのである。彼は分離主義勢力による借金の返済を拒絶し、その穴埋めとして、クローヴィスに共和国への利率を引き上げるよう強要した。そしてメイン・ロタンダでの次の面会の場で、ラワイズとアミダラはクローヴィスから、金融の安定化を口実に銀行グループは共和国への利率を引き上げるだろうという宣言を聞くことになる。アミダラはクローヴィスが約束したはずの中立に背いたことに衝撃を受けた。一方、ラワイズはアミダラの抗議を聞き流し、無言でその場に立ちつくしていたのだった。
さらにドゥークーは計画の次の段階を実行に移した。連合宇宙軍の大部隊がスキピオに到着すると、彼は中央銀行の外で待機する共和国のクローン・トルーパー部隊への攻撃を開始し、クローヴィスと連合との同盟を公に印象付けたのである。そしてドゥークーによるスキピオの侵略の後、ラワイズと伯爵は中央銀行の最上階に位置するオフィスでクローヴィスと面会し、そこに2体のバトル・ドロイドによって囚人として連行されたアミダラも加わった。ドゥークーはアミダラの逮捕を命じるが、ラワイズはこのような無作法な振る舞いを分離主義議会は決して認めないとし、伯爵に抗議する。そしてアミダラがドロイドの1体からE-5ブラスター・ライフルを奪い取ってドゥークーに狙いを付けると、シス卿はフォースを使ってアミダラのブラスターを動かし、銃口をロワイズへと向けた。さらにドゥークーはアミダラにトリガーを引かせ、分離主義議会のリーダーはわずかに恐怖の言葉を発した後、殺害されたのである。その後、共和国艦隊がスキピオの侵略を阻止するために到着すると、連合国家元首は速やかに宇宙軍部隊を撤収させたのだった。
人物と特徴
肥満体のベク・ラワイズは黄色い目とピンク色の皮膚をしたシニティーンである。分離主義元老院のメンバーである彼は、議会の公式行事の際にいつも儀礼的なローブとヘッドピースを着用していた。政治家として共和国に反対するラワイズは、分離主義元老院を主導する議員となり、分離主義元老院議長としてリーダーシップ能力を発揮していたのである。多くの同僚たちと同様に、彼は共和国に連合を合法的国家として認めさせようと努力しており、マンダロアで開かれた和平協議の間も、連合の承認を要求するヴォウ・エイテルに同調した。また、ラワイズはドゥークー伯爵の熱烈な支持者でもあり、ラックス・ボンテリによる国家元首の告発に即座に腹を立てると、ドゥークーを何の躊躇いもなく殺人犯と見なしたボンテリを黙らせたのだった。ラワイズは力づくでボンテリの言葉に対処し、彼がドゥークーによって反逆罪で処刑される可能性があったにも関わらず、この若者を逮捕させ、部屋から追い出したのである。
スキピオでの出来事の間、ラワイズは互いに反目しあっているという事実に反し、パドメ・アミダラに剥き出しの敵意を一切示さなかった。彼はラッシュ・クローヴィスに関するアミダラの好ましい意見を尊重しており、クローヴィスにも独立星系連合が彼に大きな期待を寄せていることを告げたのである。また、ラワイズは民主主義的なプロセスを重視しており、ドゥークーの計画の実行には議会の承認が必要だという立場を崩さなかった。そのため、彼はインターギャラクティック銀行グループの支配権を掌握しようというドゥークーの策謀に反対を明言し、また伯爵がアミダラを逮捕しようとした際にもそれに抗議したのだった。しかしこれらの行為は、最終的にラワイズ自身の命を代償とすることになったのである。