クリックス・メイディーン
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クリックス・メイディーンは、帝国軍の悪名高きストーム・コマンドーの指揮官を務めていた帝国地上軍の将校だった。だが、惑星デンタルへの細菌兵器の散布など、その後の任務に嫌悪感を抱いた彼は、婚約者だったカーレイオの死という大きな代償を払いながらも、反乱同盟軍へと亡命したのである。同盟軍内には彼の受け入れに対する反対論もあったが、メイディーンは反乱軍の価値ある一員となり、特殊工作任務への助言や指導を担当したのだった。また、大成功に終わった第2デス・スターのシールド発生装置へのコマンドー部隊による襲撃計画も、彼の立案によるものだった。そしてエンドアの戦い後も、メイディーンは新共和国のもとで任務を続けていた。だが、超兵器ダークセイバーへの破壊工作任務の際に捕えられた後、彼はハットの犯罪王ダーガ・ベサディ・タイによって殺害されたのである。
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経歴
銀河帝国での就役
パルパティーン皇帝による新秩序が発せられたとき、コレリアンのクリックス・メイディーンは帝国軍のエリート陸軍部隊に所属する将校だった。彼は自分の部下を公平かつ平等に扱い、その素性によって将来を変えるようなことはしなかった。そのため、彼の部隊は極めてよく訓練されており、メイディーン自身も周囲から「うぬぼれ屋」、ときには傲慢だと言われるほど、自信に満ちた大胆な男だったのである。事実、彼の人物像を誤解している者は少なくなかった。
しかし、彼はエリート陸軍部隊の指揮を執りながら数多くの賞賛を手にし、輝かしい記録を打ち立てていた。彼の部隊には死傷者が出ることもほとんどなく、大敗を喫したことなど一度としてなかったのである。なかでもメイディーンが心の中で最も誇りに感じていたことは、戦争における残虐行為を決して行わないということだった。彼には道義心が備わっており、敵を殺すよりも、むしろ改心させることを望んでいた。この道義心は、ついに彼の心を動かし、帝国地上軍における有望な将来と過去の輝かしい功績を捨て、反乱軍へ逃亡することを決意させたのである。
反乱同盟軍への亡命
メイディーンが帝国軍からの逃亡を決意した具体的な背景は明らかでなく、彼自身もそれを語ろうとはしない。実際に、それが彼の気質であり、少なくともメイディーンを知る者は彼のプライバシーを尊重していた。しかし、噂によると、彼の帝国軍における最後の任務は皇帝から直接与えられたものであり、余りにも残虐な任務だったために、その途中で逃げ出したのだとも言われている。
しかし、メイディーンの逃亡はスムーズに進まなかった。彼は途中で帝国軍のロム・モーク将軍に捕らえられてしまい、オリナクラにある難攻不落の収容施設に投獄されてしまう。だが、熟練した反乱軍工作員カイル・カターンがこの刑務所に侵入し、メイディーンの解放に成功したのだった。その後、彼はコレリアンの安全な隠れ家に潜んでいたが、帝国軍も逃亡者を再び捕らえるべく、捜索の手を緩めてはいなかった。しかし、ローグ中隊の活躍によってメイディーンはうまく窮地を脱し、安全に身柄を同盟軍に引き渡されたのである。
敵対勢力の高級将校が投降する場合、通常はスパイ容疑を掛けられることが多いため大きな困難を伴うが、メイディーンは同盟軍にも快く迎え入れられた。彼の友人や同僚だった帝国陸軍将校たちの多くも既に同盟軍の一員となっており、彼らはそろってメイディーンの優れた才能と個性を尊重してくれたのである。悲劇のホス基地で任務に就いていたカーリスト・ライカン将軍もメイディーンの友人の1人だった。2人はよく行動を共にしていたが、それはモン・モスマにメイディーンが危険人物ではないことを確信させるためのライカンの手助けだったのである。
同盟軍のリーダー
瞬く間に同盟軍で頭角を現したメイディーンは、ライカンの推薦によって最高司令部諮問評議会の一員となり、モン・モスマの主任軍事顧問に就任した。当時、反乱軍では組織内における作業事項を彼のような新入りの一兵卒より遥かによく知る候補者が数人挙げられており、彼の就任はまさに異例の人事だった。しかし、モン・モスマがこのポストにメイディーンを抜擢した理由は単純明快だった。彼女は反乱軍の新しい展望を抱いており、彼は反乱軍がどうやって戦うべきか、あるいは反乱軍に何ができるかを先入観なしに考えることができたのである。
さらに、過去数回にわたって同盟軍と戦った彼の帝国陸軍司令官としての経験は、その貴重な価値を見事に証明してみせた。彼は帝国軍で培った地上戦における多くの斬新な戦略や革新的な概念を同盟軍にもたらしたのである。
当然のことながら、彼の立案した最も有名な作戦は、第2デス・スターの強力な防御シールド発生装置を破壊するためエンドアに特殊部隊を送り込み、艦隊による攻撃を援助したことである。この作戦は極めて大胆かつ危険なものだったが、メイディーンは細心の注意を払って計画していた。そして、多くの犠牲を払ったものの、彼が立てた他の作戦と同様に、劇的な成功を収めたのである。
新共和国での就役
エンドアの戦い後もメイディーンは一介の軍人として同盟軍に留まり、モン・モスマの要求する暫定評議会入りを頑なに断っていた。彼はあくまでも軍人であり、政治家ではないのだ。やがて新共和国の時代となっても、メイディーンは軍の上層部で精力的な活動を続け、ついには新共和国情報部の最高司令官に就任したのだった。
そしてエンドアの戦いから8年後、情報部のトップの地位にいたメイディーンは、恐るべきダークセイバー計画の存在を察知する。邪悪な野望を持つダーガ・ザ・ハットが超兵器のプロトタイプを建造し、その力で新共和国に大きな禍をもたらそうと画策していたのである。メイディーンはこの危機への対処に多大な時間を費やすようになり、ついに部下と共にダークセイバーへの侵入を決意した。だが、彼は部下の不注意によってダーガの手下たちに発見されてしまい、醜悪な犯罪王の前へと連行される。このとき、ダーガは何の躊躇いも見せずに、メイディーンをブラスターで射殺したのだった。