マラ・ジェイド・スカイウォーカー
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ルーク・スカイウォーカーの人生は素晴らしい友人たちとの出会いによって永遠に変わることになった。しかし、彼の人生に対して最も大きな影響を与えた人物が1人いるとすれば、それは強い独立心と毅然とした決断力を持つ、彼の愛する妻マラ・ジェイド・スカイウォーカーである。
解説
マラはかつて皇帝の手と呼ばれていた、極めて熟練した暗殺者であり、スパイだった。彼女は銀河系を超えてパルパティーン皇帝の命令を聞くことができたのだ。幼い頃から訓練を受け、武器を握っていたマラは、ダーク・マスターに仕えつつ、自給自足の術、宇宙船の操縦、射撃術、そしてフォースの使い方を学んだのだった。
彼女の最後の任務の1つはルーク・スカイウォーカーの暗殺だった。パルパティーン皇帝は、ダース・ヴェイダーがベスピンにおける息子とのライトセイバー対決で心境に変化をきたしたことに失望していた。スカイウォーカーはヴェイダーの心の中にある何かを撹乱し、皇帝は最も近い位置にいる側近に疑いを抱くようになったのだ。万が一の場合に備え、皇帝はスカイウォーカーの追跡と殺害のためにマラ・ジェイドを派遣したのである。
マラはスカイウォーカーが捕らわれの身である友人ハン・ソロの救出に向かうことを知っていた。アリカと名乗るダンサーに扮した彼女は、タトゥイーンにあるジャバ・ザ・ハットの宮殿に潜入する。しかし、彼女はスカイウォーカーに十分接近することができず、ジャバも砂漠で行われる処刑パーティに彼女を同行させることを拒否した。彼女は機を逸したのだった。
完璧主義者であるマラは失敗に耐えることができなかった。彼女はダーク・マスターへの償いを願ったが、二度とチャンスを得ることはなかった。コルサントへ戻る途中、マラはフォースを通じて皇帝の死を感じたのだ。
高官たちと接触し、高い地位に甘んじていた彼女の全人生が、エンドアの戦いにおける帝国の敗北によって崩れ去ってしまった。フォースを通じて、マラは最期の瞬間に無残に崩壊した皇帝の姿を受け取った。そこにはルーク・スカイウォーカーとヴェイダーの姿も映っており、2人が彼女の師を殺害したのだった。
その後何年もの間、彼女はパルパティーンの死と自身の目的の消失の元凶であるスカイウォーカーに憎しみを抱き続けていた。マラはエンドアの戦い後の数年間、銀河系社会の周辺をさまよっていたのだ。そしていつの日か、彼女はタロン・カードの密輸組織でパイロットおよび工作員としての職を得たのだった。
スローン大提督による新共和国への反抗の最中、マラはついにルークとの対面を果たした。しかし、皮肉なことに2人は惑星マーカーの荒野から脱出するために協力しなければならなかった。彼らは不安定な平和のなかに置かれ、ルークは彼女に、皇帝を殺害したのは彼ではなくヴェイダーだと説明したのである。
ルーク・スカイウォーカーのジェダイとしての能力を見たマラは、しぶしぶながら大戦の英雄に対する尊敬心をくすぶらせていった。彼女は公然と、そして無愛想に彼の哲学に対する多くの疑問を投げ掛けたが、スローンによる危機の間は2人で協力し、互いの才能には何度も敬意を表し合っていた。そしてスローンが敗北したとき、ルークはかつて自分が初めて手にしたライトセイバーをマラに贈る。この武器は長い間失われたと思われていたが、ジョルース・スボースによって奪回されたものだった。
マラはスカイウォーカーの新しいジェダイ・オーダーに対する責任を負いたくなかったため、彼からの訓練の誘いを拒否する。結局、彼女は自分の力だけでこの時代を生き抜き、厳しい実地経験を積むことによって帝国から受けた素晴らしい訓練を補ったのだ。彼女は長く独立していたため、ルークのジェダイ・プラキシウムの初歩の段階にもはや居場所は無かったのである。
それでもなお自分の才能を極めるための努力を続けていた彼女は、ルークの誘いを断ったもう1人の自己訓練のジェダイ、カイル・カターンと遭遇した。2人はしばらくの間共に修行したが、その道のりにはダークサイドが横切っていた。フォースの危険を悟ったカターンは、スカイウォーカーのアカデミーでの集団学習の経験が利益になることを認め、最初の生徒になることを決める。だが、マラはときおりアカデミーを訪れたが、常にそこで学ぶ生徒にはならなかった。
タロン・カードが新しく設立した密輸業者同盟での責任が増すにつれ、彼女は辺境でのキャリアを積み重ねていった。彼女はときおりランド・カルリジアンともペアを組み、多くの情報収集任務を引き受けていた。だが、カルリジアンの必死の努力も虚しく、彼は決してマラに求愛することができず、2人の関係が厳格なビジネス関係以上の何かに発展することは無かった。
カードはマラを自分の後継者とするべく仕込んでおり、彼女がさらに幅広い技術を身に付けることを望んでいた。だが、その後数年の間にマラはますます独立心を強め、密輸業者同盟との繋がりは徐々に失われていったのだった。
カーマス・ドキュメントに関する事件の最中、マラは辺境の惑星ニラーンにおけるチスの活動を調査していた。彼女は再びルーク・スカイウォーカーとチームを組み、スローンの手として知られる秘密基地に潜入する。彼らの技能と個性は互いを完璧に補強し合っていた。もしペアを組んだのがこの2人でなければ、彼らは確実に死んでいただろう。彼らが互いを完璧に補完しあう存在であることに気が付いたのもそのときだった。2人の間には10年に及ぶ緊張があり、両者の関係は厳しい辛辣さをもって始まったが、ついに2人は恋に落ちたのだ。
新共和国と帝国残党との間で銀河内乱の正式な終結をもたらす平和協定が結ばれた後、マラ・ジェイドとルーク・スカイウォーカーはコルサントで結婚した。激動の政変を迎えた銀河系に対し、2人は人々を鼓舞させる理想と強力なシンボルを掲げた。かつての帝国軍の密使と銀河系で最強のジェダイ・マスターは、過去の差異を克服し、自分たちの愛を見つけたのである。
戦争や反乱に長く悩まされていた新共和国は、平和な時代を謳歌することを熱望していた。ルークはジェダイ・アカデミーで新たな候補者たちを鍛えており、一方でマラは仲間たちとの接触を続けていた。やがて彼女はルークの姪と甥にあたるジェイナ・ソロとジェイセン・ソロを弟子にとる。しかし、不幸にもこの平穏は長く続かなかった。
新たなる危機は狡猾な企みのなかで静かに始まった。モノアIIへの外交任務の最中、マラは密かに謎の胞子に感染させられる。これはユージャン・ヴォングの生物工学によって作られた恐ろしい病原菌だったのだ。ユージャン・ヴォング軍による全面的な侵略が開始されたとき、マラは既に衰弱しており、生命を維持するため必死にフォースの力を使っている状態だった。マラは体内をこの病原体から浄化するためフォースを集中させたが、この試みも彼女を一層疲労させるだけだったのだ。
マラが自分の妊娠に気付いたのもこの病に苦しんでいるときだった。そして、この事実は回復に向かう彼女の気力を一層励ますことになる。彼女は無事に子供を出産し、母と父の愛、そして生まれたばかりの息子の愛によって支えられたフォースの癒しの輝きは、ついにマラをユージャン・ヴォングの病から救い出したのである。大量の破壊と殺戮が銀河系を襲うなか、マラ・ジェイド・スカイウォーカーとルーク・スカイウォーカーは命と希望を確約する静かな瞬間を得た。2人は幼い息子ベンをこの世に迎えたのである。
しかし、この平和も長くは続かなかった。ユージャン・ヴォングは新共和国を弱体化し続け、ジェダイを次々と抹殺していったのである。マラは息子をコードネーム・エクリプスと名付けられたジェダイの秘密の惑星に残し、侵略者と戦うため<ジェイド・シャドウ>で飛び続けた。
やがて、マラはフォースに生じた奇妙な動乱を調査するため、夫と共に征服された惑星コルサントへと向かう。かつての輝かしい巨大都市惑星はユージャン・ヴォングの有機テクノロジーに包み込まれ、悪臭を放つジャングルと化していた。フォースの乱れの原因を突き止めるため、彼女は惑星の地下深くで、かつて「皇帝の手」と呼ばれていた時代に使っていたアクセス・コードを使用する。その正体はかつて皇帝の手と呼ばれていたもう1人の女性、ロガンダ・イズマレンの息子イリクだった。彼は腐敗し、狂乱に満ちた恐ろしいダーク・ジェダイ、ナイアックス卿へと変貌していたのである。
ナイアックスがルークによって倒された後も、マラはユージャン・ヴォングに対するいくつかの重要な任務に参加している。その後もルークはこの戦いを終わらせる努力を続けており、マラは夫の側に寄り添っていた。そして彼女は<ジェイド・シャドウ>に乗り、仲間のジェダイと共に未知領域へと旅立っていく。謎の惑星ゾナマ・セコートに、この血塗られた長い戦いを終わらせる重大な秘密が隠されているかもしれないのだ。