タヒアリー・ヴェイラ
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解説
淡黄色の髪に緑色の瞳をした若きタヒアリー・ヴェイラは、砂漠の惑星タトゥイーンで生まれ育った活発な少女である。彼女は水分農業を営む家族のもとに生まれたが、突如としてタスケン・レイダーによって両親を失い、幼くして孤児となったのだった。そして容赦なく照りつける2重太陽の下で彼女も危うく命を落としかけたが、スリヴンと名乗るタスケンによって氏族の集落に連れ去られ、その後5年間にわたって彼女はタスケンの一員として育てられたのだった。
やがて9歳になったタヒアリーは、そのときタトゥイーンを訪れていたルーク・スカイウォーカーとティオンヌによってジェダイとしての資質を見出された。彼女はジェダイの訓練を受けるべく、ヤヴィン4のジュニア・ジェダイ・アカデミーへの同行を許されたのだった。タヒアリーはそこでアナキン・ソロと出会い、自分が彼と同じ夢を抱いていることを知ると、急速に親交を深めていった。彼らは共通の夢を追ってヤヴィン4のジャングルを探検し、ウーラマンダーの宮殿の奥深くにあるゴールデン・グローブへと導かれた。そして、2人の若きジェダイ候補生はゴールデン・グローブの台座に封じられていた古代のジェダイ・マスター、イクリットと遭遇し、彼の弟子としてフォースの道を学ぶことになった。タヒアリーは自然派の少女であり、自分の周りの世界を肌で感じるため、ヤヴィン4の広大なジャングルを裸足で走り回ることを好んでいた。やがてヤヴィン4で訓練を続けていた彼女はジェダイ・プラキシウムでの修行を終え、続いてカム・ソルサーとティオンヌの下での訓練へと移行したのである。
やがて、ユージャン・ヴォングによる既知銀河系への侵略が開始された。アウター・リムから侵入してきたユージャン・ヴォング軍は次々と新共和国の惑星を陥落させていき、その脅威はついにヤヴィン4にまで到達した。そして不運にもマスターたちが不在の間、タヒアリーはメロディのサーナ、コラン・ホーンの幼い息子ヴァリンらと共に、この衛星に閉じ込められてしまったのだった。この襲撃の間、マスター・イクリットは子供たちを救うために自らの命を犠牲にし、サーナとヴァリンは辛うじてカム・ソルサーのところにたどり着くことができた。2人の幼いジェダイ候補生は衛星からの脱出に成功し、ブースター・テリックの所有するインペリアル級スター・デストロイヤー<エラント・ヴェンチャー>へと逃れたが、一方のタヒアリーは残虐なエイリアンに捕らわれてしまうのだった。
タヒアリーはドメイン・クワードのダミュテクに拘束され、マスター・シェイパー・メジャン・クワードと、その弟子ネン・イェムによってシェイプされた。彼らはフォースをジェダイから切り離そうという試みを開始し、タヒアリーの神経経路を調べるために長時間に渡って彼女を制御下に置いたのだった。シェイパーたちの最終目的は、ユージャン・ヴォングとジェダイ・ナイトとの間に生きた橋を掛けることにあった。タヒアリーは捕らわれの間に意思を打ち砕かれ、現実に対する感覚を歪める記憶を植え付けられた。メジャン・クワードは彼女の心を操作し、自分が新共和国の不敬者に捕らえられた熱心なユージャン・ヴォングの信奉者であると思い込ませようとしたのだった。
タヒアリーはアナキンによって救出されるまで、なんとか自身を完全な状態に維持しようと努めたが、フォースとの絆を繋ぎとめることで精一杯だった。彼女はユージャン・ヴォングに協力的な奴隷であるという錯覚を抱き、長らくメジャン・クワードを欺いていたが、アナキンが自分を愛していることに気づいたとき、心に植え付けられた偽りの記憶を内から引きずり出すことができたのだった。タヒアリーはフォースでアナキンのライトセイバーを掴んでクワードの首を切断すると、アナキンと共にヤヴィン4から逃れることに成功した。彼女はクワードを殺害したことで自分の心が破壊されるのではないかという不安を抱いていた。だが、アナキンは彼女の回復に協力することを誓ったのである。
タヒアリーはユージャン・ヴォングの言葉と振る舞いを残してはいたが、即座に心の制御を回復させていた。これによって、彼女はエイリアンの侵略者たちの間で交わされる会話を理解し、同時に彼らと通信を行うことも可能だったのである。そして、ヤグダル星系でユージャン・ヴォングの偵察船<ストーキング・ムーン>を拿捕した後、タヒアリーとアナキンは自分たちの関係が新たなるステップに移行したことに気づいた。2人は深い恋に目覚めたのだ。
しかし、悲劇はその直後に訪れた。ユージャン・ヴォングのシェイパーたちによってジェダイ狩りのために作られた生物兵器ヴォクシンによる犠牲者が増え始めると、ジェダイたちはマーカーの軌道上に浮かぶワールドシップに奇襲部隊を送り込み、ヴォクシン・クイーンを抹殺する作戦を実行に移したのである。この任務ではアナキンが指揮官に抜擢され、タヒアリーも彼に同行していた。だが、任務の遂行は困難を極め、数多くの若い命が失われていった。そしてついにアナキンも、仲間を救うためにその命を犠牲にしたのだった。彼の最期を目撃し、深い絶望に陥ったタヒアリーは、その後もジェダイ・ナイトとして戦い続けたが、もはや精神を抑えることができなかったのである。
その後、タヒアリーは仲間のジェダイ・ナイト、サーバ・セバタインの提案に従い、キャッシークの軌道上に配置されたトレイスト・クレフェイ提督の旗艦<ラルルースト>に乗艦した。彼女はここで他のジェダイたちと共にフォース=メルドを形成する技術を訓練していた。この訓練が明確な軍事的成果をもたらす一方で、サーバは他のジェダイの心との密接な繋がりがタヒアリーを自分の殻から引き出すための助力になると考えていたのである。タヒアリーは名目上、クレフェイ提督の指揮下にある中隊長に任命され、キャッシークに集結したユージャン・ヴォングの占領宙域へと進撃する艦隊の顧問として働くことになった。彼女の指揮するベアフット中隊は忠実かつ献身的であることを示し、これは彼女自身のパイロットおよびリーダーとしての信頼を築き上げる助けにもなったのだった。
しかし、アナキンの死と彼女自身のユージャン・ヴォングによる捕らわれの記憶は、彼女の心を蝕み続けていた。彼女のフォースとの繋がりは、ユージャン・ヴォングそのものや、彼らの脅威と接触するたびにしぶとく燃え上がっていたのである。やがて首都を失った新共和国がカラマリで銀河同盟として再編成された後、タヒアリーはそのカラマリで一度、続いてガラントスでもユン=ヤムカを形取ったペンダントを見つけたときに一度、深い昏睡状態に陥っていた。この呪いのような現象は親友のジェイナ・ソロにも大きな不安を与えていた。なぜなら、彼女もまた最愛の弟であるアナキンとの心の接続を保持し続けていたのである。
後に、この呪縛はタヒアリーの心に植え付けられたまま生き残っていたリイナ・クワードの人格によって引き起こされたものであったことが判明した。リイナは既にタヒアリーのフォースとの繋がりを利用する方法を見出しており、彼女はリンのガウアからも、生き残るためにはリイナと共存する方法を見つけなければならないという提案を受けていた。彼女にとってリイナを殺すことは自分を殺すことを意味しており、この事実を悟るまで、彼女は共存生活において苦悩の月日を過ごしていたのである。やがて2つの人格は互いに融合する方法を発見し、この結合の結果生まれた新しい生命はジェダイ・ナイトとユージャン・ヴォングとの完璧な結合体だったのだ。
ダゴバでの短い任務を終えた後、タヒアリーは自分がハル・クァットと交わした「イザイの約束」に縛られていることを知った。そのため、彼女はコルサントに潜んでいたとされるユージャン・ヴォングの預言者ユシャア(これは恥ずべき者の階層へ逃亡したノム・アノアの別名である)を捜索する許可を求めた。コラン・ホーンもこの捜索の旅に加わることになり、タヒアリーは長く失われていた惑星ユージャンターへと改造されたコルサントに侵入した。そして預言者を見つけた彼らはコルサントから逃れる前にユージャン・ヴォングの司祭ハラーとマスター・シェイパー・ネン・イェムを捕らえ、放浪惑星ゾナマ・セコートへと向かうのだった。だが、ゾナマ・セコートに到着すると、元執行官のノム・アノアはネン・イェムを殺害し、その直後にはタヒアリーがアノアとこの生きる惑星との戦いの最中に置かれてしまった。そして数ヵ月後、ユージャン・ヴォングがコルサントで降伏を宣言すると、彼女は自分自身とリイナとの関係についてより多くのことを学ぶため、テクリやユージャン・ヴォングと共にゾナマ・セコートに残ることを決意するのだった。