ロース・ニーダ
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ロース・ニーダは、クローン大戦時に共和国グランド・アーミー、銀河内乱時には帝国宇宙軍の艦隊将校を務めていた有能な軍人である。
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経歴
クローン大戦
クローン大戦末期、ロース・ニーダはコルサント・ホーム艦隊のストライク・グループ・ファイヴにおけるベテラン将校だった。独立星系連合が銀河共和国首都コルサントを奇襲した戦いの中で、ニーダ大尉は共和国を防衛するためキャラック級ライト・クルーザー<インテグリティ>の指揮を執っていた。彼は逃走を図るプロヴィデンス級キャリア/デストロイヤー<インヴィジブル・ハンド>の前に立ちふさがり、分離主義勢力の最高司令官、グリーヴァス将軍に降伏を要求したのだった。このときニーダは、<インヴィジブル・ハンド>内にパルパティーン最高議長が捕らえられているというサイボーグ将軍の主張を信じていなかった。彼はホログラムを通じてグリーヴァスに10分間の猶予を与え、その間に議長の存在を証明できなければストライク・グループ・ファイヴの総攻撃によって<インヴィジブル・ハンド>を破壊すると通告した。グリーヴァスは降伏を拒否するが、パルパティーンはジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービによって救助されたのである。
<インヴィジブル・ハンド>は共和国の砲火によって深刻なダメージを受け、グリーヴァスは逃走した。一方、<ハンド>の残骸はスカイウォーカーの奇跡的な操縦テクニックによってコルサントの地表に不時着したのである。このときニーダはスカイウォーカーの操縦技術に感銘を覚え、マスター・ヨーダに2人が無事帰還したことを報告している。
その後、パルパティーンが皇帝を自称し、銀河共和国は銀河帝国へと再編された。ジェダイ・オーダーは国家に対する敵と宣告され、共和国宇宙軍も帝国宇宙軍へと再編されたのである。そしてパルパティーンによる新秩序宣言から2週間後、皇帝とそのシス・アプレンティス、ダース・ヴェイダーは、宇宙軍将校たちの前で彼らにクローン大戦後の不安定な時代への献身を要求した。これに逆らう者は軍による粛清の対象とされたのである。
<アヴェンジャー>の艦長
その後もニーダは帝国宇宙軍で働き続け、やがて大佐の地位に昇進していた。彼はケンダル・オゼル提督の指揮する死の小艦隊に配属され、インペリアルII級スター・デストロイヤー<アヴェンジャー>の艦長となる。ニーダは過去数度にわたってアウター・リムの暴動の鎮圧に成功しており、その働きには目を見張るものがあった。彼は冷静かつ有能な司令官であり、どのような艦隊であってもその創造的能力を遺憾なく発揮していたのである。
しかし、彼を任命したのはダース・ヴェイダーではなくオゼル提督だった。結果として彼はオゼルの側近の1人となり、提督から直に<アヴェンジャー>に当てられた指令を受けるようになったのである。しかし、オゼル提督の命令も長くは続かなかった。ヴェイダーはオゼルが信頼する部下すべてに不信感を抱いており、彼ら1人1人に勝手な行動をほとんど許していなかった。ヴェイダーはたった1つの失敗や過失によって彼らを任務から永遠に解き放っていたのである。
ヤヴィンの戦いの3年後、ホスの戦いで反乱同盟軍に勝利した死の小艦隊は、小惑星帯を脱出した<ミレニアム・ファルコン>を追跡していた。ダース・ヴェイダーはヤヴィンの英雄として知られるルーク・スカイウォーカーの捕獲に激しい執念を燃やしており、この小型密輸船の捕獲が彼にとってどれだけ大きな意味を持つことなのかは明らかだった。
ニーダが犯したたった一度の致命的な過ちは彼の自信過剰によってもたらされた。ヴェイダーの命令を受けた直後、彼は<ファルコン>を捕らえるため艦首を小惑星帯の中に突入させたのだ。小惑星帯の中を通過することによって<アヴェンジャー>の艦体が受けた損傷は甚大であり、砲撃手たちも飛び交う岩や瓦礫を粉砕するのに精一杯だった。そして、<ミレニアム・ファルコン>が死の領域から脱出してきたとき、当然のことながら<アヴェンジャー>には捕獲準備が不十分だったのである。
艦橋の航法士が告げた獲物を見失ったという報告は、ニーダ艦長をその生涯で最も震撼させた言葉だったに違いない。事実、ニーダは完全に勝利を確信していた。しかし、ハン・ソロが船体を急旋回させ<アヴェンジャー>への攻撃に転じる素振りをみせたとき、彼は意表を突かれ判断に迷ってしまった。彼の最初の衝動は<ファルコン>を粉々に粉砕させることだったが、彼はヴェイダーがこの密輸船の完全な状態での捕獲を厳命していたことを思い出したのである。
極限にまで追いつめた獲物を取り逃がすという極めて厳しい状況を切り抜けるためにニーダが選んだ方法は、ヴェイダーに直接謝罪することだった。そして謝罪は受け入れられ、ニーダの栄誉はフォースのダークサイドに委ねられたのである。