ピース・ブリゲード
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ピース・ブリゲードは、ユージャン・ヴォング大戦の間にユージャン・ヴォングと協力関係にあったグループである。皮肉にも、ユージャン・ヴォングの言葉における「ピース(平和)」とは、「服従」と同じ意味だと考えられていた。彼らの紋章は人間とユージャン・ヴォングが握手している姿をイメージしたものである。
歴史
銀河系の歴史は裏切りと陰謀の繰り返しである。旧共和国の崩壊を導いたクローン大戦も、その約20年後に訪れた銀河帝国の崩壊も、そのきっかけは裏切りと陰謀にあるといえるだろう。そしてエンドアの戦いの21年後、ユージャン・ヴォングによる銀河系侵略によって危機的状況に追い込まれた新共和国もまた、一部の不穏な反逆者たちによって無用な苦しみを味わうことになるのだった。
当初、ピース・ブリゲイドはノム・アノアや他の数人のユージャン・ヴォングの策略家による頭脳の産物でしかなかった。この裏切り者集団は、ジェダイ・オーダーや新共和国がユージャン・ヴォングとの戦いに勝利できるはずはないと考えており、戦いを続けてもこれまで以上に傷つくだけだと主張していたのである。そのため、彼らは戦争を早期に終わらせるべく、ユージャン・ヴォングとの和平協定を結ぶべきだと提唱したのだった。同様にピース・ブリゲイドは、イソアやオブロア=スカイが破壊されたのはジェダイ・オーダーにこれらの惑星への思いやりが欠如していたからだと訴え、オーダーを公然と非難した。また、彼らがユージャン・ヴォングに対して新共和国の惑星防衛に関する情報を提供していたという事実も発覚している。これらの情報は新共和国でも最もセキュリティ・レベルの高いソースから得られたものであり、新共和国上層部はピース・ブリゲイドが自分たちの政府の中枢にまでメンバーを送り込んでいるという事実に驚愕したのだった。
ピース・ブリゲイドに加わった元密輸業者のレック・デッシュは、ユージャン・ヴォングの女司祭エランが新共和国に亡命したことを知ると、ピース・ブリゲイドのユージャン・ヴォングに対する忠誠を示す絶好のチャンスであると考えた。また、ユージャン・ヴォングもピース・ブリゲイドの有用性を認識しており、イリーシアのハットたちを皆殺しにすると、この惑星とグリッタースティム・スパイスの事業権を彼らに与えたのだった。彼らはイリーシアの新しい本拠地でスパイス加工を行うようになり、グリッタースティムの販売益として得た莫大なクレジットで事業への再投資や、軍備の増強を行ったのである。
ピース・ブリゲイドは新共和国上層部との接点を利用し、エランがコルサントへ移送されるという情報を入手した。そこで彼らは、エランを救助してユージャン・ヴォングに送り戻そうと考え、護送船<クイーン・オブ・エンパイア>を待ち伏せする計画を準備する。彼らはエランの亡命がノム・アノアの発案によって仕組まれたユージャン・ヴォングの偽装工作だということを知らなかったのだ。ピース・ブリゲイドによる護送船への襲撃も、ジェダイ・ナイトの抹殺を目論むエランにとっては作戦への妨害でしかなく、彼女はデッシュを含む襲撃者たち全員を殺害したのだった。
しかし、ピース・ブリゲイドの指導者たちは、力を得ようとする努力において恐れを抱いていなかった。彼らは荒廃したデュロの自然環境を回復させようという計画に潜り込み、様々な輸送会社を巧みに操ることで、デュロス最高議会を買収していたのである。そしてデュロが失われると、ピース・ブリゲイドはジェダイをユージャン・ヴォングに差し出すことを約束し、ユージャン・ヴォングとの停戦を仲介しようと試みた。彼らはジェダイを犠牲にすることが銀河系を救う唯一の方法だと信じていたのである。
戦いが進み、多くの惑星が犠牲となって滅びていくと、故郷を追われた難民や新共和国の対応に不満を持つ人々が次々とピース・ブリゲイドの歪んだ理想に身を投じていくようになった。特にフォンドアの戦いで多大な犠牲を強いられたヘイピーズには、彼らの支持者が一際多かった。それに応じて、銀河系の各地でもジェダイに対する悪感情が増大していき、多くのジェダイが市民によって殺害される事態となる。だが、ジェダイが姿を隠したことで、ピース・ブリゲイドによるジェダイの捜索が思うように進まなくなった。そのため、彼らはユージャン・ヴォングの怒りを静めようと、フォース感知能力を持つ者を無差別に捕らえるようになったのである。
やがて、ピース・ブリゲイドの一隊はヤヴィン4のジェダイ・プラキシウムへの攻撃を企てた。彼らはジェダイ訓練生の子供たちを捕らえようとするが、オーダーの抵抗にあって失敗し、ユージャン・ヴォングによって神々への生贄として処刑されてしまう。また、戦争の長期化に伴い、ピース・ブリゲイドはイリーシアに独自の政府組織、イリーシア共和国を樹立させた。その組織構造は極めて単純であり、単一の司令本部部隊が銀河全域で個別に動く小規模な部隊に命令を下すというものだった。事実上、ブリゲードはボサン・スパイネットとブラック・サンの混成組織であり、ゲリラ戦術や政治的駆け引きを利用していたのである。
ピース・ブリゲードはユージャン・ヴォングの監督者らの艦隊を増強させるため、イリーシア共和国における宇宙軍の創設に着手した。しかし、エイリアンの侵略者を満足させたいとするブリゲイド内の各派閥の欲求が対立し、軍備の拡充は遅々として進まなかった。そのため、最高大君主シムラはスラッカン・サル=ソロをイリーシアの大統領に任命し、ピース・ブリゲイドの最高司令官を兼任させたのである。
イリーシアが新共和国とボサンの艦隊からなる機動部隊によって攻撃されると、ブリゲードの統率能力は再び失われ、サル=ソロも捕らえられてしまう。しかしブラック・サンなどの他の組織と同様にブリゲードはすぐに蘇り、新しい指導者の下で戦いを続けたのだった。
しかし、この時点までの度重なる欺瞞や裏切りによって、ユージャン・ヴォングとの取り決めはどんなものであっても信用できないという結論が銀河系に広く受け入れられるようになっていた。事実、戦争の終盤には、ピース・ブリゲードはもはやユージャン・ヴォングに利用される奴隷戦力でしかなかったのだ。だが、それでもピース・ブリゲードのメンバーの多くはユージャン・ヴォングに忠実なままだった。やがて戦争が終わり、コルサントの解放を迎えると、ピース・ブリゲードのメンバーは反逆と戦争犯罪によって裁判にかけられたのである。