ボスク
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ボスク(ドーシュ語で「獲物を食い荒らせ」の意)は、ヤヴィンの戦いの3年後にダース・ヴェイダーの召喚に応じて雇われたトランドーシャンの賞金稼ぎである。また、彼はクオティル星系の君主の称号を得ていた。ボスクはハン・ソロに対して恨みを抱いていたが、ソロの相棒であるチューバッカは彼にとってそれ以上の敵意と憎しみの対象だった。
トランドーシャンは樹上で生活する3本指の爬虫類型種族である。彼らは手足を失ってもすぐに再生させることができ、赤外線にも反応する眼のおかげで暗闇でも活動することが可能である。彼らの故郷トランドーシャはウーキーたちの住むキャッシークと同じ星系に属しており、トランドーシャンは絶えずウーキーと争っている戦闘種族だった。事実、旧共和国が定めた奴隷禁止法が銀河帝国によって廃止されたとき、帝国に対してウーキーの奴隷化を最初に提案したのも高位のトランドーシャンだった。このため、ソロの第一の友人がウーキーだったことは、ボスクを殺しへの情熱に駆り立てる十分な理由となったのだ。
経歴
ボスクは賞金稼ぎギルドの前代表であり尊敬すべきハンターだったクラドスクの息子である。銀河帝国によるキャッシークの制圧とそれに続く支配体制の下、多くのトランドーシャンが逃走しようとしたウーキーを捕らえ、喜んで領主のところへ連れていった。ボスクもこのとき活躍したハンターの1人であり、すぐにその残虐性を知らしめることになる。彼は数百にもおよぶウーキーの生皮を集め、さらにはクォーティル星系の君主やコルセックのハル・ホーンなどの賞金首を次々と殺害していった。やがて、彼は領主の薦めでウーキー専門の賞金稼ぎとなり、さらに多くの成功を収めることになる。しかし、彼の幸運も永遠に続いたわけではなかった。最大のライバルであるボバ・フェットには毎回のように苦渋を味わわされており、大柄でつかみ所のないチューバッカの捕獲でも失敗続きだったのだ。
ボスクがチャンスを掴んだのはギャンドロIVでのことだった。アウター・リムの外れにウーキーの難民が隠れている小さな植民地があるという噂を耳にした彼は、そのセクターの総督から十分な武装と前金を受け取り、ギャンドロIVへと向かった。しかし、この岩石衛星に移住していたウーキーたちは、チューバッカの助けを借りてやってきた貧弱な武装集団に過ぎなかった。数で勝っていたボスクとその仲間たちは比較的簡単にキャンプを取り囲み、ウーキーたちの捕獲に成功する。少なくともボスクはこの日を最も素晴らしい一日だと思っていた。しかしその後、考えもしなかったことが起きたのである。
かつての恋人を尋ねるため近くの星系を訪れたハン・ソロは、この不毛な衛星にチューバッカを降ろすところだった。しかし、離陸したソロは軌道付近にあった賞金稼ぎたちの宇宙船に気付き、さらに上方にも何かが潜んでいることを感じとっていた。彼は素早く低空でウーキーのキャンプに戻ると、<ミレニアム・ファルコン>の惑星保護装置を作動させ、混乱している賞金稼ぎたちを一斉掃射する。結局、ボスクとその子分らは自分たちの船へと退却していった。しかし、ウーキーを救うためには敵の船を操縦不能にしなければならず、中に捕虜のウーキーがいる状態で銃撃戦を行うことはできなかった。そこで、ソロは敢えてボスクの<ハウンド・トゥース>の上に直接<ファルコン>をつけ、他の船の前方に下りようとしたのである。ソロが<ファルコン>を起こすと、敵の船はボスクの船の方へと旋回し、混乱状態に陥った。捕虜のウーキーたちはこれに乗じて2人の賞金稼ぎを船外に放り出し、残りの乗員を始末して操縦系統と武器系統を破壊したのだった。
やがてボスクは父であるクラドスクを裏切って殺害し、その肉を食べることによって賞金稼ぎギルド内での権力を増大させることができた。しかし、彼の支配下に置かれたギルドはボスク支持の改革派と、クラドスク支持の保守派に分裂し、互いに争うようになる。そしてギルドを追われたボスクはフリーランスの賞金稼ぎとなったのだ。
その後、ジャバ・ザ・ハットの下で働いていた彼は、ボバ・フェット、デンガー、そして新参の賞金稼ぎスコアと共に、海賊ラスカーの船上でソロ、チューバッカ、ルーク・スカイウォーカーの3人を捕らえることに成功する。オード・マンテルに彼らを連行する途中、ボスクたちはソロをジャバに売り渡そうと考えていた。しかし、ボバ・フェットが他の組織と交渉していたため遅れをとってしまい、そのわずかの間にソロたちに逃げられてしまったのである。
また、ホスの戦いの直後に<ファルコン>を捜索していたボスクは、ティニアン・イアットとウーキーのチェンランベックという2人の賞金稼ぎとチームを組んだこともあった。ソロを探すためロマブIIIにある帝国軍のウーキー収容所を訪れたボスクは、後にチェンを裏切るつもりだったのだ。しかし、騙されていたのは彼の方だった。イアットとチェンは捕らわれていたウーキーたちを解放し、ボスクは帝国軍のイオ・デズナンド総督に引き渡されてしまう。総督はボスクを処刑し、彼の皮で作ったバッグを妻にプレゼントするつもりだったのだ。だが、彼は何とかこの窮地を脱し、生き延びることに成功したのだった。
結局、カーボナイト凍結されたソロはボバ・フェットの手に渡り、ボスクはザッカスと4-LOMと組んでソロ奪回を企てた。しかし、フェットは彼らより遥かに腕の立つハンターであり、ボスクはまたしても失敗してしまう。その後長い年月が経ち、ユージャン・ヴォングの侵略によってチューバッカが死んだことを聞いたボスクは、久々に周囲に笑いを見せたのだった。