企業セクター共同体
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企業セクター共同体(CSA)は、ティングル・アームの端に位置する極めて残虐かつ専制的な自由企業宙域、企業セクターを統括する政府組織である。
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歴史
商業機関が多くの局面において銀河系全域に拡大していくにつれ、積極的なスカウトたちは超巨大企業の名において新たな領域を必要としていった。こうした企業は新規開拓された惑星上でさらに成長し、より豊かに、より肥大化していったのである。彼らは旧共和国の規則に苛立ちを募らせることも多く、利益を制限する法を回避するために底なしの汚職の井戸を利用することもできたのだった。
共和国の政治家と企業の資本家の双方をお互いの主張の差異から解放するという大胆な実験的試みの中、アパロ・セクターとワイル・セクターの境界上に、宇宙空間における自由商業地帯が開拓された。これは後に企業セクターと呼ばれるようになり、銀河共和国やそれに続く銀河帝国によってではなく、大企業自らによって統治された宇宙自治政府へと発展していったのである。
やがて企業セクターの政府は企業セクター共同体(CSA)と呼ばれるようになったが、その実体は勤勉家として知られるオーマン・タッグ男爵が個人の権利において設立した私的企業だった。一方で、CSAは帝国から銀河系における自らの領域を自治する特権を与えられていた。パルパティーン皇帝による過酷な支配の間、CSAはその莫大な利益の一部を新秩序への献金に充てることによって自治権を得ていたのである。境界線上ではCSAは帝国以上に厳しい支配者として知られていたが、それでも銀河内乱の間は多くの難民が避難所を求めて殺到していた。
政府と政治
企業セクター共同体は無数の協力企業によって構成されており、その上層部には重役会が置かれていた。重役会は各セクターでの日々のビジネスを管理する55人の企業幹部たちによって構成され、さらに重役会のトップには最高行政官がいた。CSAの指揮系統に配置された他の幹部たちは、総裁、副総裁、監査役、そして帝国当局の代表および連絡員となる帝国顧問官である。
経済
CSAはセクター内の資源を自由に利用できる占有権を持っていた。彼らは奴隷労働者こそ使っていなかったが、利益を最大限に確保するために知的種族の権利の侵害は自由裁量の枠内で当然のように行われていた。ある惑星の生態系が完全に破壊されたとしても、CSAは淡々と次の惑星に移動していくだけなのだ。また、内部競争の欠如によって、CSAは日常品の価格を実際の価値の何倍にまでも値上げすることができた。セクター内では標準クレジットや他の貨幣の使用が禁じられており、企業セクターを訪れた人々はみな各自の現金を共同体専用キャッシュ・バウチャー、またはクリスタライン・ヴァーテックスへと換金することが義務付けられていた。
文化
無限の利益という魅力は多くの企業家を企業セクターへと引き寄せた。しかし、このセクターの住人の大多数は実体の見えない企業内での出世を目指して汗を流す、賃金奴隷に等しい労働者であり、一握りの者たちが彼らの稼ぎを摂取し、査定しているに過ぎなかった。企業セクターでは市民権もが売買の対象であり、住人すべてが株主となってわずかな権利を与えられていた。労使関係も極めて乏しく、過酷な労働条件も企業側による調査が及ばなければ埋もれたまま見落とされてしまう。企業セクターにおける最も大きな犯罪の1つは、巨大組織を形成する陰謀だったのだ。
軍隊
企業セクターにおける法と秩序は保安局によって維持されていた。しかし、エスポと呼ばれるCSAの保安官は常習的な弱い者いじめという評判が根強かった。彼らは茶色の制服に戦闘服と黒い戦闘用ヘルメットを着用しており、ブラスター・ライフルやリオット・ガンで武装していることが多かった。
さらに、保安局は企業セクター周辺をパトロールするため、旧式宇宙船からなる警備艦隊を保持していた。CSAの宇宙パトロール部隊には改修されたヴィクトリー級スター・デストロイヤーも主力艦船として配備されていたが、なかにはインヴィンシブル級ドレッドノート、ルクレハルク級バトルシップ、レキュザント級ライト・デストロイヤー、マローダー級コルヴェットなどの旧型艦が含まれていることもあった。
また、銀河内乱の渦中ではCSAの多数の企業が帝国軍のための技術開発を行っていた。やがて新秩序が崩壊すると、企業セクターは中立を保とうと試み、新共和国は彼らと新たな永続的契約を交わすための新政府樹立に多大な苦労を強いられたのだった。また、コア奪回を目指すクローン皇帝の反抗の最中には、重役会が抜け目なくこの危機を脱し、帝国と新共和国の双方に武器を販売していた。しかし、ユージャン・ヴォングによる銀河系への侵略が始まると、企業セクターは外界との通信をすべて遮断されてしまったのである。
地理
企業セクターには現住する知的種族がほとんどいなかったこともあり、当初は共和国によって慎重に選ばれた数百の星系が属していただけだった。しかし、利益の増加と共に領域も拡大されていき、帝国の時代にはおよそ30,000もの星系を従えるまでに成長していった。公式文書によればこれらの惑星に知的生命体を抱える星は存在しないことになっていたが、実際には開拓の最中に11の種族が発見されており、そのすべてが記録から抹消されたのだ。企業セクターに名を連ねている主な惑星には、アムードゥ、ボナダン、ルーナダン、エティIV、カーラ、ケイル、カー、オーロンIII、ダルーン、マイタスVII、ガウリック、ランパ、マローディアン、レルトゥイーン、ノルスティ、マイロ、そしてトライアナイの植民星であるフィブリ、エキボ、ピピン、ブロッキブなどがある。だが、CSAは利益の追求の中で、これらの惑星の生態系をほぼ完全に破壊してしまったのだった。