ダニ・クイー
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解説
若き女性科学者ダニ・クイーは、惑星ベルケイドンの軌道上に作られた銀河系外観測ステーション、エクスギャル4に常駐する創設メンバーの1人だった。官僚を父に持つダニがこの辺境の観測ステーションに派遣されたのは18歳のときのことだが、コメナーで生まれ育った彼女は、人口過密なコアの惑星特有の重苦しい雰囲気に嫌気が差していたのである。また、彼女の母親は天文学者であり、可能な限り政治の世界とは関わらないようにと努力していた。その一方で、官僚の夫との溝は深く、結局、ダニの両親は彼女が子供のころに離婚してしまったのだった。彼女曰く、15歳でエクスギャル学会に加わったのは、母親の影響によるところが大きく、多くの人々からの圧力や、政府の要求から逃れることを切望した結果なのだという。
そして赴任してから3年後、エクスギャル4ステーションがヘルスカ近郊の銀河系の縁の果てから接近する小惑星を発見したとき、ダニは栄光の瞬間を手にするだろうと確信した。だが、それは銀河系侵略を目論むユージャン・ヴォングのワールドシップや、彼らの他の大型艦船だったのである。彼女は事態を見極めるためステーションのスターキャスター・シャトルに乗り、ヘルスカへと向かうが、そこでユージャン・ヴォングに捕らえられ、捕虜となってしまう。彼女にはユージャン・ヴォングから与えられた名誉を理解することができなかったが、自分がまだ生きていること、そしてなんとしても脱出しなければならないことは認識していた。ダニはヘルスカに拘留されており、その後、キップ・デュロンの弟子であるジェダイ・ナイト、ミコ・レグリアもそこに加わったのだった。
ユージャン・ヴォングはミコに自身の失敗のイメージを徹底的に植え付け、彼の意思を打ち砕こうとする。だが、ダニは必死に彼を介抱し、なんとか脱出できるだけの正気を保たせていた。そして、彼らはウーグリス・クローカーを2つ盗み出し、惑星からの逃走を試みる。このとき2人を助けにきたのは、ジェイセン・ソロとジェイナ・ソロだった。最終的にミコは自らを犠牲にし、ダニとジェイセンを脱出させることに成功する。やがて2人はヘルスカのユージャン・ヴォング軍が敗北する間に、ジェイナによって救出されたのだった。そして、ユージャン・ヴォング打倒に向けて新共和国が再編成を行うと、ダニは休養を取るべく、コメナーへと帰還したのである。
その後、ダニはわずかながらにジェダイとしての素質を認められ、科学者としての研究の傍ら、フォースの道を学ぶようになる。そして、彼女の最初の任務は、レイア・オーガナ・ソロの一行に同伴し、バスティオンへと向かうことだった。彼らはそこで残存帝国軍のギラッド・ペレオン大提督と会談し、ユージャン・ヴォングとの戦いにおける帝国軍の協力を求めたのである。やがて、彼女は年齢の差を超えてジェイセン・ソロに引き寄せられるようになり、両者はゆっくりと互いの関係を育てていった。その途中には、ジェイセンがマーカーの任務で弟のアナキン・ソロと共に死亡したと思われていた時期もあったが、その間もダニは力強く生き延び、ユージャン・ヴォングの生物兵器を無効にする数々の発明で新共和国に貢献していたのである。そして、ジェイセンが無事に帰還し、エバックの戦いで新共和国が劇的な勝利を得ると、2人の若者はジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカーと共に新たなる任務に向かうことになる。それは、この長い戦争に終結をもたらす鍵とされる放浪の惑星、ゾナマ・セコートを捜索する旅だったのだ。
やがて未知領域の奥深くでゾナマ・セコートを発見したジェダイの一行は、ついにこの惑星に降り立つことができた。このときダニは、惑星を吹き荒れる生命力の強さに驚愕する。だが、原住民のフェローアンたちはジェダイがこの惑星を訪れた理由に懐疑的であり、惑星の知性体であるセコートも同様だった。そして、フェローアンの一団がジェダイのキャンプを襲撃し、ダニを人質に取る。彼女はこの攻撃によって意識を失うが、これはすべてセコートがジェダイたちを試すために仕組んだものであり、ルークとジェイセンは自分たちの平和な意図を惑星に説得させることができたのだった。ダニもすぐに解放され、セコートは惑星をジェダイにしたがって銀河系の既知領域へと移動させることに同意したのである。
しかし、ダニは既知領域へ戻ることにも安堵を見出せなかった。なぜなら、彼女は自分が真のジェダイではないという認識に至っていたのである。ルークの言葉や自身の潜在能力を示す数々の例にも関わらず、ダニはフォースと常に偽りなく接することに強く絶望していたのだ。やがてゾナマ・セコートがコルサント近郊でリアルスペースに出現し、セコートが明確に彼女の存在を求めたときも、ダニの気持ちは一向に回復しなかった。ダニが自分の人生に何を求めるべきかを悟ったのは、セコートが自身の過去について知ったことを明かしてからのことだったのだ。非常に長く続いたユージャン・ヴォングの戦争が終わり、ゾナマ・セコートがこの銀河系外のエイリアンを乗せて未知領域へと戻ろうとしたとき、彼女はユージャン・ヴォングと彼らのバイオテクノロジーを研究したいと思い立ち、この惑星に留まる決意をしたのだった。